乱交パーティーを疑似体験!? 「愛の渦」で知る日本人の奥ゆかしさ...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.33

東京ブレイキングニュース / 2014年3月4日 17時30分

写真

 ではもし、乱交パーティーの様子を覗き見できるとしたら? 少なくない人が興味あると思う。

 そんな野次馬になれる映画が3月1日から公開された。「服を着てる時間が本編中たったの18分半」「日本映画史上もっとも裸のシーンが多い」という『愛の渦』だ。

 午前0時~5時。参加料金は男性・2万円、女性・千円、カップル・5千円。豪華なマンションの一室に集まったのは、ニート、女子大生、フリーター、保育士など普段の生活では交わりそうもない男女。彼らの目的は「ただセックスがしたい」。

 もとはと言えば「愛の渦」は舞台作品だった。演劇ユニット「ポツドール」を主宰する三浦大輔はこの作品で岸田國士戯曲賞を受賞。

「乱交パーティーの一室」を舞台劇にしたのだから、当然役者も裸で勝負。刺激的で興味津々な設定に観客は押し寄せた。私もスケベ心と怖いもの見たさで当時駆けつけた。この過激な芝居は波紋を呼ぶ。「ポツドール? ああ、好き嫌い分かれるよね」と困惑顔で語る演劇関係者にも会ったことがある。

 しかし実際に観て思ったのは、三浦大輔は「エロい」「ゲスい」方角から何度も観客を真摯な気持ちにさせるのだ。ハッとさせる。

 それはまるで、プロレスのデスマッチを興味本位で観に行ったら有刺鉄線や電流爆破という大仕掛けよりも、レスラーの汗やうめき声というシンプルなものが印象に残ったような、逆説的な爽やかさだった。

 たとえば「愛の渦」では、バスタオル一枚で言い訳できないスケベな状況なのに、しばらくお上品な会話が続く。なんとなく自己紹介を始めてしまうサラリーマンもいる。どんな場所でもちゃんとしてしまう社会性がたまらない。しかし一線を超すと相手を傷つけることを言ってしまったり、スクールカーストならぬ乱交カーストとでもいうような格付けが発生してしまう。

 観客は乱交パーティーという極端な仕掛けを通して、自分の社会生活のふるまいを思い出す。そのヒリヒリさに苦笑いするしかないのだ。気軽に覗き見に行ったら突然こちらにスポットライトを当てられてしまった感じ。一本取られたという気持ちになる。

「インテリになったら終わりだな、と思っていて。大事なものを見落としちゃうんです。だから、下品なまま、低俗なままの目線で。それで勝てる瞬間があるんですよ。インテリに。低俗が」(三浦大輔・週刊大衆3月3日号)

 パーティーが終わると、朝陽のなかで帰宅の準備をし、服に着替える。"裸のつき合い"の場でもこれだけめんどくさかったのに、これからさらにめんどくさい日常に戻るのか......と、すっかり自分もパーティー参加者気分になっていた。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
東京ブレイキングニュース

トピックスRSS

ランキング