用水路に浮かんでいた死体に近付いてみたら……「この仕事を10年しているがこんなことは初めてだ」とレスキュー隊
TABLO / 2019年6月26日 10時0分
タイ中部チャイナート県で6月20日昼頃、町はずれの田園地帯を流れる用水路に死体が浮いていると地元警察に通報が入りました。
警察とレスキュー隊それに病院の医師が現場に向かうと、幅の広い用水路に架かる橋のたもとの水面に男性の体が浮いているのを発見。仰向けの状態で、水面から唯一出ている顔面は青ざめています。周囲にはすでにヤジ馬が集まっていました。
すぐ近くにはこの男性の物と思われるカバンと携帯電話、ビンが置かれています。証拠品を確認して現場写真を撮り終えたところで、医師による検死のためにレスキュー隊員が用水路に入って死体を引き上げようと近付いたところ…。
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パチリと目が開いたのです。次の瞬間、死体だと誰もが思っていたその男性がレスキュー隊員の姿に驚き飛び起きたのでした。
レスキュー隊員は男性の手を取って用水路から上がるのを手伝います。ヤジ馬らは男性が生きていて一様に安堵の表情を浮かべました。
死体だと思われていた男性(30)は、前夜にスパンブリー県で深酒をした後、酔いが醒めないまま徒歩で帰宅する途中に暑く感じたために、ちょうど通りかかった用水路に浸かって2時間ほど体を冷やしていた、とまだ酒が抜け切らずに朦朧とした様子で説明しました。
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スパンブリー県から現場までは最短距離で60kmほどあり、普通に歩いても12時間近くかかる距離なので俄かには信じがたく、酒酔いで頭がまだ働いていない様子が見てとれました。
現場で作業をしていたレスキュー隊員は「死体だと思っていたら目を開けて体が動いた。この仕事を10年しているがこんなことは初めてだ」と奇妙な経験の感想を語っています。
この後男性は、ちょうど向かう方向が同じだったヤジ馬に付き添われ歩いて自宅まで送り届けられたのでした。
泥酔した状態で水に浸かるとは危険なことをしたものです。レスキュー隊員が近付いて起こしたお陰で本当の死体にならずに済んだとも言えそうです。しかし結局は笑い話で終わることのできたタイのなんとものどかな田舎の暮らしぶりが伝わってくる顛末でした。(取材・文◎赤熊賢)
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