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大阪市長選後に「西成浄化作戦」が加速か? 薬物売人の動きに変化が

TABLO / 2014年3月22日 15時39分

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市民より裏社会が熱視線を送る大阪市長選。

 大阪市の出直し市長選が23日、投開票される。結局、自民、民主、公明、共産の主要政党は候補者の擁立を見送り、橋下徹前市長(44)と新人3人の計4人が立候補を届け出た。候補者は届出順に、「大阪維新の会」共同代表の橋下徹氏(44)、無所属の二野宮茂雄氏(37)、スマイル党総裁のマック赤坂氏(65)、無所属の藤島利久氏(51)となっている。だが、選挙戦は盛り上がりに欠け、ポスター掲示板はがら空き。無風状態のまま、橋下氏の当選は確実と見られている。

 大阪市民の関心は薄いように思えるが、西成を中心とした「裏社会」の住民はどうにも落ち着かないようだ。というのも大阪府の松井一郎知事が昨年12月11日、大阪府警の田中法昌本部長と会談し、覚醒剤の密売など薬物事案の摘発が相次ぐ大阪市西成区の状況を改善するための専門チームを府と府警、さらに出直し市長選を迎える大阪市との合同で立ち上げることを決めたからだ。

 この「西成浄化作戦」が、裏社会の最大の関心なのだ。西成を拠点とする暴力団関係者が語る。

「最近は薬物売買への取締りが本格的に厳しくなってきた。以前は、監視カメラがあろうと西成署の裏でも堂々と覚醒剤を売っていたけど、今では無理。購入者が24時間、運転席から直接覚醒剤を買える"ドライブスルー"も人気だったが、今では路上での売買は即逮捕だね。それじゃ地元客以外の府外から来ていた客はみんな離れてしまうよ。市長選が落ち着いたら、市も本格的に動くと聞いている。このままでは商売にならないよな。今年以降は西成の薬物売買の形態が変わっていくかもしれない」

 この専門チームは来年度から5年間をかけて、薬物対策に重点的に取り組んでいく。大阪府警薬物対策課によると、西成あいりん地区での薬物事案の摘発者数は年間400人以上。府内の全摘発者数のうちの約5分の1を占めるという。ほんの数年前までは、この界隈の路地には数メートルおきに売人が立っているような状況だった。「西成浄化作戦」が着々と進行していることが手に取るようにわかる。

 だが、その一方で、追い詰められた男が珍妙な事件を起こした。三月五日の産経新聞にこのような記事が掲載された。

【地下鉄車両に覚醒剤広告 大阪府警、容疑の男追送検「自分の分を買う金稼ごうと」】

 大阪市営地下鉄の車両に覚醒剤などを販売する広告を張り付けたとして、大阪府警薬物対策課と天王寺署は5日、麻薬特例法違反(あおりや唆し)容疑で、住所不定の無職、牧志盛和被告(40)=覚せい剤取締法違反罪で起訴済み=を追送検した。容疑を認め、「自分の覚醒剤を買うための金を稼ごうと思った」と供述している。

 追送検容疑は昨年10月10日~11月16日、覚醒剤や大麻を販売する目的で計7回、市営地下鉄谷町線の車両のドアのガラス部分やポール部分に、覚醒剤を表す「S」や大麻を意味する「M」などの文字とともに携帯電話番号を記した紙を15枚張り付けたとしている。この紙で取引が成立したことはなかったという。

 府警は今年1月8日に覚せい剤取締法違反(所持)容疑で牧志容疑者を逮捕。持っていた携帯電話の番号が、紙の番号と一致した】

※産経ニュースwest

 容疑者が地下鉄の貼り紙で客を集めようとしたこの一件も、「西成浄化作戦」とは無関係ではないだろう。西成をあぶれた薬物の売人や中毒者が地下に潜り、凶暴化するような事態は避けなければいけない。果たして西成に平和は訪れるのか。推移を見守りたい。

Written Photo by 西郷正興

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