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謎のスポンサーが支援か!? 山本太郎の新党結成ウラ事情

TABLO / 2014年3月19日 11時19分

謎のスポンサーが支援か!? 山本太郎の新党結成ウラ事情

 山本太郎氏が新党を結成したらしい。永田町でそう言ったら、びっくりされた。

「誰が一緒にやるのですか!」

 5人以上の議員が集まると、政党助成金がもらえる。永田町で政党を結成するのは、これが主な目的だ。

 しかし山本氏はひとりでやるようだ。新党の名前は『ひとりひとり』だとか。4月24日に行われる鹿児島2区の衆院補選に候補を擁立し、来年の統一地方選にも独自候補を出すつもりだという。そう言うと、またまたびっくりされた。

「なんですか、それは! 供託金没収確実なのに、よくそんなお金があるものですね!」

 昨年の参院選で東京選挙区から当選した時をピークとして、山本氏の永田町の存在感はすっかり薄れていた。かろうじていえば秋の園遊会で、天皇陛下に手紙を渡して「直訴」しようとした事件がある。だがそれ以降、ほとんど消息を聞かなかった。

 久しぶりに山本氏の姿を見たのは、3月13日の参院内閣委員会だった。そして16日に、山本氏は新党結成を表明。18日には鹿児島市内で記者会見した。

 なんとなく「繋がっている」感じがする。だがどうして鹿児島での表明なのか。補選のためなら時期が早すぎる。実は山本氏は16日に開かれた川内原発再稼働反対集会に参加していたのだ。

 川内原発は九州電力がもつ2箇所の原発のうちの1箇所で、原子力規制委員会が再稼働に向けた優先的審査を発表したが、震災前には発電電力量の39%を原発に頼っていた九州電力にとって死活問題。もうひとつの玄海原発より新式で、低い人口密度の立地にある川内原発の再稼働は悲願であるわけだ。

 一方で反対集会の参加者は、主催者発表によると6000名にものぼっている。ここに顔を出すことは反原発を標榜する山本氏には大きな意義があるのだろう。13日からの流れを見ていると、山本氏の表舞台復帰の意欲が見えてくる。

 では山本氏は「ミスター反(脱)原発」になりうるのか。

 昨年の参院選で東京選挙区から出馬し、4位で当選した山本氏の獲得票は約67万票。今年2月に行われた東京都知事選で反(脱)原発をモットーに戦った宇都宮健児氏と細川護煕氏の得票を併せると、都内には200万票弱の反(脱)原発票があると推測できるが、山本氏はその3分の1を獲得したにすぎない。

 おひざ元ですらこうである。1人の当選者を選出する衆院補選で、ましてや東京や福島から遠い鹿児島での当選は可能なのか。

 報道によれば、候補については今から募集を開始し、4月1日に発表するらしい。だがすでに他の有力候補は手を挙げている。準備の遅れは致命的だ。山本氏が擁立する候補はよほどの知名度がない限り、事実上の参戦もおぼつかないだろう。

 また山本氏が来年の統一地方選に独自候補を出すと宣言した件は、次期衆院選を見込んでのことだろう。統一地方選をテコにするのは民主党がとろうとしているのと同じ戦略だ。

 ただし民主党には、前回の衆参選挙で散財せずに貯め込んだ「200億円はある」とも噂される資金がある。山本氏には選挙中から「スポンサーがいる」とも言われていたが、どれほどの資金力があるかは未知数だ。しかも政党助成金はもらえない。かろうじて無所属議員に直接支給される月額65万円の立法事務費があるが、複数の候補を立てて選挙を戦うにはまるで足りない。

 このように新党を立ち上げると言ってみたものの、その前途は厳しい。ある議員に13日の内閣委員会での感想を聞いたところ、「ああ、なんか紙芝居みたいなことをやっていましたね」との答えが返ってきた。永田町は冷ややか。そして現実は厳しい。

Written by 安積明子

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