あなたの年収は出会い系サイトのサクラに盗まれている! 裁判で明らかになった「ぼったくりバー」の手口に閉口
TABLO / 2019年7月15日 14時4分
被害者の男性が出会い系サイトで知り合ったマリナ(仮名、裁判当時23歳)に案内されてやって来たのは六本木の「BJK」というバーでした。席に着いた二人の元にメニュー表を持ってきた店員はそれをマリナに渡し、彼女は被害男性にメニューを見せることなくお酒を注文しました。そして30分ほど経った頃にマリナが、
「ごめん、友達がケンカしてて出なくちゃいけなくなった。悪いけど会計払っておいて」
と言って店を出ていきました。あとに残された被害者男性も少し経った後に会計を済ませて店を出ようとしましたが請求されたのは彼の予想を大きく越える金額でした。
「129,000円になります」
店にいた時間はそう長くありません。二人合わせても数杯しか飲んでいません。当然彼は支払いを拒みました。しかし男性店員数名に囲まれ威圧的な態度で、
「払ってもらえないと店から出せないんで」
「お前が頼んで飲んでんだろ! 逃げんな!」
などと迫られて恐怖を覚え、財布を差し出してしまいました。その後、彼は財布の中にあった現金すべてを出し、さらに店員に伴われて店舗近くのコンビニに行き足りない分を降ろして支払いました。
参考記事:意識のない客を連れ回しカードを使いまくり公園に放置 裁判で明らかになった「ぼったくりバー」の最悪最低の手口 | TABLO
ぼったくり条例違反で摘発された「BJK」では同じような被害が相次いでいました。サクラの女性が出会い系サイトやSNSで知り合った男性を店に連れてきて法外な料金を請求するという手口です。摘発を受けて逮捕、起訴されたのは店長の山中(仮名、31歳)、店員の丸山(仮名、27歳)、そして上記のマリナと愛子(仮名、25歳)の4名でした。
マリナの供述によると、
「メニューは必ず私たち女性に渡されます。メニューの中にある『罰ゲームドリンク』というページは絶対に男性には見せないようにしていました」
ということです。この『罰ゲームドリンク』のページに法外な値段のドリンクが載せられていて、サクラの女性はこのページのドリンクを男性に知られないように注文していたのです。
「適度な金額に達したら店からラインで退店するように指示が来ます。客の6割から7割は会計の時に支払いを拒みますが、脅して財布やカバンを出させていました。『殺すぞ』『殴るぞ』などと言っていました」
「BJK」ではお金が足りなくてその場でお金を払えない客に対して「誓約書」を書かせ、そこに氏名、住所、電話番号、勤務先、実家の連絡先等を記入させていました。実際に被害者の勤務先や実家にお金を取り立てに行くこともしていました。
サクラの女性は出会い系サイトでやり取りしている段階でカモにする男性の貯金額や職業などの情報は聞き出しています。そしてその情報は店のグループラインで共有されていました。確実にお金を取れる男性だけがターゲットにされていたのです。
次に挙げるのが裁判に証拠として提出された、愛子と店のラインでのやり取りの一部です。
「こいつ、親が医者(愛子)」
「じゃあ親に振り込ませればいいね(店)」
「そうさせるつもり(愛子)」
この後、本当に被害者の勤務先に押しかけ、親にも電話をかけて代金を請求していました。
店長の山田は起訴事実を否認しました。
「ちゃんと料金表は客に提示していました。女性はただ客として店に来てただけで従業員ではありません。料金を払おうとしない客に払えって言っただけです。正当な権力を行使しただけです」
サクラの女性に対して客が支払った料金の25%が報酬として支払われていたこと、店のグループラインで情報を共有していたこと等が証拠として採用されているので「従業員ではない」という主張には苦しいものがあるように思えます。
BJKは開店から摘発まで約半年間営業していて、その期間に1600万円ほどの利益を挙げていました。今回起訴されたのは5人の被害者に対してのぼったくりですが、泣き寝入りしてしまった被害者は相当な人数にのぼるはずです。
彼らは虎視眈々と人を騙す機会を窺っています。くれぐれもご注意を!(取材・文◎鈴木孔明)
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