吉本興業グタグタ会見 なぜ岡本社長は失敗してしまったのか
TABLO / 2019年7月22日 18時45分
最も、悪い記者会見の例でした。22日の14時から開始された吉本興業岡本昭彦社長の会見です。グタグタでした。経緯を整理しましょう。
急転直下のこの二、三日でした。まずは宮迫博之氏、田村亮氏の会見からでした。
ひたすら宮迫、田村両氏が謝り倒す会見だと思っていました。両氏は「闇営業でギャラを貰った」のを「貰っていない」と嘘をついたと謝罪します。
会見後20分ごろから様子が一変します。
宮迫氏が「岡本社長が弁護士、社員は全員外に出ろとおっしゃいました。僕たちと岡本社長5人になりました。まず最初に岡本社長がおっしゃったのは『お前らテープ回してないやろな』。回していませんと言いました」
ここで視聴者は「おや?」と思った事でしょう。生々しい。密室でのやり取りを暴露してしまっています。
「『亮、ええよ。お前辞めて一人で会見したらええわ。全員連帯世間でクビにするからな』と言われました。『それでもええんやったら記者会見一人でやれ。俺にはお前ら全員クビにする力があるんやから』」
と、岡本社長が言ったとされる宮迫氏の発言で「これは大事になったぞ」。ほとんどの人がそう感じたのではないでしょうか。吉本興業に反旗を翻したのです。岡本社長の発言がパワハラにあたるのか否か、これは法の判断を待たなければなりませんが、少なくとも恫喝という表現が当てはまるでしょう。
さて、22日14時からの会見。岡本社長は冒頭から涙を流します。「これは誠実に答えるつもりかな」と思いました。が、それからグダグダになっていきます。記者会見の悪例です。質問に「イエス・ノー」で答えられていません。一番ダメなパターンです。「イエス・ノー」で答えられないなら「分かりません」と素直に答えるべきでした。
質問に対して長い前置きをする場合、大体本当のことを言っていないと僕は感じています。政治家、企業の不祥事に対する説明が長い場合、頭の中にクエスチョンマークつけるべきでしょう。
また岡本社長は「テープ回してないやろな」を「テープ回してんちゃうの」とじゃっかんソフトに自分で変換しました。で、これを「冗談」と言いました。また、その後の「会見したらお前らクビ」に関して「関西弁だから強く聞こえたのでは」とよく分からない解釈。
これは通じません。
パワハラは受けた側の感情の問題です。セクハラもそうです。また、関西弁が強く感じ、標準語が柔らかく聞こえるというのも当然あり得ません。東北弁が弱く聞こえ、九州弁が強く聞こえると誰かが言ったとして「どの根拠が?」と反論されて終了です。
ただ、吉本側に同情するのは「宮迫氏、田村氏が始め貰っていないと言った。それでスポンサー、関係各所に説明して回っていたのに、これは無いよ」という感情。確かに勘弁してくれよ、と思ったでしょう。だから「時間をくれ」(「静観しましょう」)という事になるのは分からないでもありません。
ただ、岡本社長はせっかく世間の悪いイメージを挽回する機会だった記者会見に失敗したと言って良いでしょう。土曜の時点で宮迫氏、田村亮氏は世間、芸人、メディアを味方につけました。しかし、日曜に急転直下。松本人志さんが仲裁に入りました。これで岡本社長はいったん救われました。が、岡本社長はチャンスを不意にしてしまいました。
参考記事:上沼恵美子と和田アキ子に賞賛の声 宮迫・亮の記者会見の裏で評価を上げた二人の女帝 | TABLO
記者会見に登壇するのに最も、大切な姿勢は「まな板の鯉状態」になる事。そして返答は基本、三つを軸にして展開すべきです。
「分かりました」「分かりません」「(分からなかったら)今は分からないので調べて後日お知らせします」
で良いのです。
「無駄にプライドが高いな、この人」。そう思いました。
大体この会見自体、松本人志さんの説得が無ければやらなかったでしょう。また岡本社長が「関西のタレントさんから電話があった」事を明かしました。関西のタレント(かなりの大物でしょう)、松本人志さん、明石家さんまさんらのコメント・説得を受けて会見を開いたように見受けられました。
岡本社長は、『ガキの使いやあらへんで』でブリーフ一枚で猫を抱いて人間ロケットでぶっ飛ばされるイメージでした。が、もうあの番組を見ても笑えないでしょう、残念ですが。(文◎久田将義)
あわせて読む:宮迫さんと亮さんの下克上に世間が涙する中、私がぜんぜん納得出来ない重要なポイント|春山有子 | TABLO
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