秋葉原通り魔事件・加藤被告の実弟が自殺...公開リンチが止まらない!
TABLO / 2014年4月13日 10時43分
2008年に発生した秋葉原通り魔事件の犯人であり、一審二審ともに死刑判決を受けた加藤智大被告(最高裁に上告中)の実弟が自殺していたことが、週刊現代の取材により明らかになった。
週刊現代の記事によると、加藤被告の弟は生前に「自分は犯人の弟で、加害者の家族は幸せになっちゃいけない」「死ぬ理由に勝る生きる理由がない」といった言葉を残したという。
秋葉原通り魔事件は、通り魔事件としては犠牲者数が最も多く、発生当初から各メディアの報道が加熱していた。記者達は家族・同級生・職場・地元民......と、思い付く限り取材対象を広げ、連日に渡って報道を続けていたが、その陰で人生を無茶苦茶にされ、自ら命を断つまでに追い込まれていた人間がいたのである。
おそらくマスコミはこの"情報"すらも消費しようとし、何が理由でこのような不幸な結末に至ったのか考えもせず、正義感ぶってみたり、気色悪い同情の言葉を並べながら、視聴者が飽きるまで、数字が取れなくなるまで、あの手この手で報道という名のリンチを続けるだろう。そしてそれに対し、心あるネット民らは「これだからマスゴミは!」と、加害者の家族を追い込んだマスコミに非難の声を挙げると思われる。
しかし、記者という肩書を持つ人間が、金儲け目的のためだけに取材をしている訳ではないという点だけは理解して欲しい。今回自殺を防げなかった事は痛ましい限りだが、それでも週刊現代の記者が取材を続けていたからこそ、加害者家族の苦痛を世間に伝えることが出来たという一面もある。最悪の結果になってしまった点は悔やんでも悔やみ切れないが、それでも亡くなった加藤被告の弟がここまで本音を語ってくれたということは、記者の取材姿勢はある程度の節度を持った内容だったのだろう。
ジャーナリスト・記者という肩書を持つ人間の中には酷くタチの悪い連中がいる。 どれだけマスコミの報道姿勢が批判されようと、他人を犠牲にしてでも人の耳目を集めて金に替えられればいいとしか考えていない輩は減ることがない。
しかし、それでも「世間に伝えたい」「考えるキッカケにして欲しい」という想いを込めて取材を続けている記者も数多くいるのである。 当然生活するためには金になる記事を書かねばならないが、「このネタなら高く売れるだろウヒヒ......」というだけでやっていられる記者など、どこか精神に異常を持った人間だ。まともな良心や正義感を持った記者は、自分の取材が、はた迷惑なストーカーばりの行為が、どこかで何かになるかもしれないと言い聞かせ、罪悪感と使命感とに挟まれながらあちこち飛び回っているのである。
そもそも、加害者や被害者の家族を追い回すような記事がなぜ減らないのかと言えば、それを求める"客"がいるからだ。そうしたネタが大きな金を生むからこそ、出版社もTVも「一族郎党皆殺しになろうと知ったこっちゃない」という姿勢を崩さないのである。
したがって、もしこのような暴力的な報道・メディアスクラムに憤りを感じ、改善したいと思ったならば"こんな手段が儲けにならない世の中"になるよう、ひとりひとりが努力する必要がある。例えばそのような内容の記事が掲載されている雑誌・新聞・TVは見ない買わない。それと並行してスポンサーや報道倫理に関する団体(新聞協会やBPOなど)に抗議文を送るなど、小さな抗議活動を積み重ねるしかないだろう。
数字が出せればマスコミは「これでいいじゃん」としか考えないため、いくら良心的な記者らが「自分はそういう取材はしたくない」と抵抗したところで意味がない。出版社やTV局が"そういう取材"を望んでいるのだから、代わりにヨゴレ仕事でも何でも引き受ける記者を飛ばして情報を取って来させるだけである。そうなると良心を持つ記者が食えなくなって廃業し、他者を犠牲にすることに心を傷めないタイプの記者が潤うことにしかならないため、マスコミの質はますます悪くなる。この悪循環をご理解いただけるだろうか?
最後に今現在進行中の話題を例に挙げるが、皆さんはSTAP細胞騒動についてどう思うだろう? いま現在小保方さんに対して度を越した投石攻撃をしている連中は、もし彼女に万が一があった場合になんと言うのだろう? やはり今回と同様に「マスゴミが~」とすべての責任をマスコミに押し付けて正義感ぶるのだろうか? だがその"マスゴミ"が提供してくれる情報を燃料にして騒いでいるのは誰なのだろう?
マスコミはあなた方のレベルに合わせて"商品"を並べているだけに過ぎない。報道倫理もへったくれもないマスコミが変わらねばならないのは当然だが、日々考えて考えて少しずつ変わって行かねばならないのは、私もあなた方も同様なのである。
【注目記事】
Written by 荒井禎雄
Photo by wikipediaより
[Frameチャンネル]http://ch.nicovideo.jp/frame
新宿歌舞伎町のBAR『Frame』で夜ごと繰り広げられるアングラ&フェティッシュワールドを、ニコニコユーザーの皆様に覗き見して頂くチャンネル。『東京ブレイキングニュース』の執筆陣(草下シンヤ・荒井禎雄)らによる「勝手に公開編集会議」を放送しています。記事に対するご意見ご要望などありましたら、ぜひご参加ください。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
未成年を狙う暴力犯罪集団「764」 自傷行為や性的虐待、ペットの殺害などネットで強要 その実態とは
ITmedia NEWS / 2024年11月19日 8時5分
-
中国で相次ぐ〝無差別殺人事件〟 公安部が警戒する「八失人員」「三低三少」とは
東スポWEB / 2024年11月18日 6時9分
-
「松本人志VS文春」裁判記録に書かれていた“衝撃の事実”。松本氏側が提出した“異例すぎる証拠”も明らかに
日刊SPA! / 2024年11月15日 8時54分
-
〈旭川・江別…2つの全裸集団暴行死〉「オトコ好きの肉食系、中学で孤立、共犯は年下…」記者が見た“主犯のオンナ”の共通点と相違点「江別事件は自首、旭川のリコ被告は逮捕すらネタに…」
集英社オンライン / 2024年11月5日 20時0分
-
現役自衛官が、闇バイトで強盗犯になるまで「クリスマスに遊ぶマネーがほしいです」
日刊SPA! / 2024年10月30日 8時47分
ランキング
-
1「死んでいるアヒルが増えている」 埼玉・行田市の農場で高病原性鳥インフルエンザ疑い 埼玉県内では今年初
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月24日 22時8分
-
2名古屋市長選挙、広沢一郎氏が初当選…河村たかし前市長から後継指名
読売新聞 / 2024年11月24日 21時49分
-
3強盗致傷事件被害品のクレカを受け取った疑いで21歳大学生を追送検…SNSで闇バイトに応募
読売新聞 / 2024年11月24日 16時51分
-
4三笠宮妃百合子さまの通夜営まれる 秋篠宮ご夫妻ら参列
毎日新聞 / 2024年11月24日 19時32分
-
5県議会自主解散など要求=維新、兵庫知事選を総括―吉村共同代表
時事通信 / 2024年11月24日 15時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください