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オバマ来日で一斉捜査、関係者が語るコインロッカーの怖い忘れ物 by草下シンヤ

TABLO / 2014年4月17日 17時36分

オバマ来日で一斉捜査、関係者が語るコインロッカーの怖い忘れ物 by草下シンヤ

アメリカのオバマ大統領が4月23日の夜に日本に到着し、3日間滞在する。TPP交渉、集団的自衛権、日米同盟の行方など気になることは多いが、それらの考察は専門家に譲るとして当コラムは例のごとく重箱の隅をつつくような話題を提供していきたい。今回着目したいのは駅のコインロッカーである。先日、次のような報道があった。

"オバマ大統領来日で駅のコインロッカー使用不可 「オバマは電車で来ない!」とネットで不満タラタラ"

アメリカのオバマ大統領が2014年4月23日から国賓待遇で来日するが、ネットの一部では安倍首相とのTPP交渉の最終調整や日米同盟強化に向けた会談よりも、コインロッカーの方が気になるようだ。東京都内の主要駅のコインロッカーが4月18日頃から使用できなくなるためで、この期間中に上京した場合や、コンサートやイベントに出かける際にコインロッカーを使えないのは非常に困る、というのだ。また、「オバマは電車で来るのか?」などと、オバマ大統領の警護と駅のコインロッカーは無関係だと主張する人もいる。
(2014/4/15 18:30 J-CASTニュース)

 言うまでもなく、テロ対策用の措置である。コインロッカーに爆発物を仕掛けるというよりは、爆発物の材料や銃器などの保管場所、受け渡し場所として用いられることは充分想像できる。

 日本政府としては相当な辛労の末に決めたオバマ大統領の2泊3日での滞在である。尖閣問題やウクライナ問題などで国際的な緊張が高まる中、万が一のことがあってはならないし、これだけ真剣に取り組んでいるという姿勢を見せる意味合いもあるのだろう。

 しかし、この駅のコインロッカーというものは不思議な空間である。膨大な人間が行き交う駅の中の小さな空間を数百円という金額で借りる。誰もが利用できる以上、想像もつかないものが入れられていることもあり、1970年代前半にはコインロッカーに新生児やその遺体が遺棄されるという事件が数十件も発生している。公の場所にありながら、扉を開けると生々しい人間の一面が潜んでいるという奇妙な空間なのだ。

 それでは駅のコインロッカーにはどんな「変わったモノ」が入れられているのだろうか? そんな疑問を抱いたので早速専門家に聞いてみた。

 答えてくれたのは、大手私鉄現役鉄道マンのO氏である。彼は20年近いキャリアを持つベテランで、日々駅で繰り広げられるトラブルの解決に骨身を削っている。コインロッカーに変わったモノが入っていることはないのかと尋ねると、O氏は話の前提としてコインロッカーの中身の保管義務について説明してくれた。

「コインロッカーは保管して3日が経過すると管理者が中身を出して別に管理しなければならないことになっています」

 このとき駅員がロッカーを開けるようだが、中からなにが出てくるかとドキドキするらしい。しかし、その期待の多くは裏切られる。

「最も多いのは大量の雑誌ですね。よく路上でホームレスが雑誌販売をしているところを見かけると思いますが、その雑誌の保管場所として使われているんです。別途保管物は立ち会いのもと、その内容を詳細に書き記していかなければならないんですが、1冊1冊雑誌の名前を書いていくのが非常に手間なんです」

 O氏はその作業のことを思い出したのか、くたびれた表情で語った。また、大量のアダルトグッズが捨てられていることも多く、思わず触れることを躊躇してしまうものもあるという。では、警察に届けなければならない厄介なモノが出てくることはないのか?

「ありますよ。たとえば大量のドラッグです。売人たちは保管場所や受け渡し場所としてロッカーを使うことがあるんですね。こういう場合はもちろん警察に連絡をして処理をお願いしています。あと変わったモノとしては、骨壷が出てきたことがありました」

 骨壷とは穏やかではない。遺族としてもまさか墓ではなくコインロッカーにおさめられることになるとは思っていなかっただろう。

 O氏は次に自ら取り扱った案件を話してくれた。

「ロッカーから何重ものビニール袋に包まれている硬いモノが出てきたんです。ビニール袋をはがしていくと、油紙に包まれた掌ほどの大きさのものに行き着きました。おそるおそる油紙を剥がしていくと、中から黒光りする拳銃が出てきたんです」

 すぐに警察に連絡をしたが、その拳銃には実弾3発が装填されていて安全装置も外されていたと聞かされた。少しでも扱いを間違えていたらと血の気が引いたという。

 拳銃を見つけたのは今から10年ほど前のことで、処理に困った所有者が捨てていったというよりも警察と暴力団との間で取引があり、拳銃の押収件数のノルマを達成させるために仕込んだいわゆる「首無し拳銃」の可能性が高い。首無し拳銃とは所有者不在のまま見つかる拳銃のことで、いちおう押収件数に反映される。暴力団と警察との癒着が深かった頃は頻繁に行われていたようだが、最近では癒着の切り離しが進んでいることと、首無しではほとんど評価されなくなったことから滅多に行われなくなった。

 拳銃、ドラッグ、骨壷、アダルトグッズ......。

 駅のロッカーにはさまざまなものが捨てられている。それらのものと日々格闘している駅員のみなさまお疲れ様です!

Written by 草下シンヤ

Photo by wikipediaより

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