「クラトム・ジュース・ビュッフェ」営業者が逮捕 労働者たちを支えていた? “覚せい作用がある”禁止ハーブ
TABLO / 2019年8月16日 10時43分
危険ドラッグの規制が強化されたことで2016年から指定薬物に指定されたハーブにクラトム(ミトラガイナ・スペシオーサ)というのがあります。
東南アジア原産のこの植物は葉に覚せい作用のある成分が含まれ、タイでも法律によって大麻と同列で禁止されています。しかし服用するためのクラトム・ジュースへの加工が容易なこともあって使用者が減らないのが実情です。
そんなタイ中部のサムットサーコーン県にある漁業の町マハーチャイで8月6日、警察がアパートの捜索に向かいました。室内でクラトム・ジュースが密造・使用されているという情報を得たからです。
アパート奥のその部屋には鍵が外からかけられていたものの室内から話し声が聞こえたため、警察はボルトクリッパーで鍵を切断して部屋に踏み込み、中にいた22人を拘束しました。
21人がクラトム・ジュース使用者で内訳はタイ人6人、外国人15人(主にミャンマー人で漁業労働者だと思われます)。残る1人のミャンマー人、ナーイター容疑者がクラトム・ジュースを密造していました。
室内からはクラトム・ジュースの入った鍋とコップのセットが3セット発見されました。またナーイター容疑者が密造拠点として使っていたもう1室からはクラトムの生の葉が5~6キロ、大鍋3つ、クラトムの葉クズを濾す器具、クラトム・ジュースが詰められたボトル300本、クーラーボックスの他、クラトム・ジュース製造の際に混ぜる液体咳止め薬と炭酸ジュースが見つかりました。
ナーイター容疑者は、アパートの数部屋を借り上げて「クラトム・ジュース・ビュッフェ」を営業していたことが取り調べで判明しました。部屋入口にはそこが「クラトム・ジュース・ビュッフェ」であることを示すマークを掲げ、利用者が入室すると外から鍵をかけ誰もいないように装っていました。
各部屋では10~12人が利用でき、入室料1人50バーツ(約170円)を払えばクラトム・ジュース飲み放題で時間制限もなしという気前の良さから外国人肉体労働者の間で人気だったようです。
参考記事:「乗客の体臭が臭すぎる!」で不法入国者とバス運転手が拘束 ロヒンギャとみられる6〜29歳の男女 | TABLO
ナーイター容疑者はクラトムの葉を他の外国人労働者から1キロ40バーツ(約135円)で毎回20キロずつ購入してきて1年前から「クラトム・ジュース・ビュッフェ」を営み、持ち帰りでの販売もしていました。
クラトム・ジュースは飲むと力がみなぎり、暑さを感じなくなることから外国人肉体労働者の助けになっているという使命感を抱いていたようです。
クラトムの葉は生で食べると苦く不味いため、タイでは隠語で「4×100」と呼ばれるクラトム・ジュースにして飲むのが一般的です。コデインが配合されている咳止め薬とコーラなどの炭酸ジュースを混ぜることで酩酊効果が生じるのだとか。タイ南部では若者の常習が蔓延していて問題になっています。
日本で指定薬物となるのはクラトムのうち「直ちに人の身体に使用可能な形状のものに限る」と厚生労働省令で定められています。乾燥したクラトムの葉や根、茎は危険ドラッグとして使用可能な形状となるために禁止ですが、種の形状の場合は直ちに使用可能とは言えないために日本でも販売がされています。そうかとは言っても寒さに弱く、観賞用としても栽培は難しいようです。変な気はくれぐれも起こさないようにしてください。(取材・文◎赤熊賢)
あわせて読む:「微笑みの国」は意外にも銃社会だった! 現地人男性と女性を奪い合い射殺されたフランス人を教訓に | TABLO
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
『ちびロボ!』シリーズの主要メンバー達が紡ぐ新アクションADV『koROBO』発表!7月23日よりクラファン実施
Game*Spark / 2024年7月19日 16時10分
-
帰ったら鍵が開いていた…! 驚愕の犯人の正体とは?「まさか」が現実に起きた読者の体験談が続々
Woman.excite / 2024年7月19日 16時0分
-
やられた…百戦錬磨の不動産会社社長が、タイの不動産売買でトラブルに巻き込まれた「まさかの顛末」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月8日 11時15分
-
タイ政府が計画する「年金宝くじ制度」はポピュリズム的ギャンブルか?…高齢化が進むタイの驚くべき「貯蓄事情」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 8時30分
-
今月2日 覚せい剤を所持した疑いで現行犯逮捕された鹿角市の59歳の男を使用の疑いで再逮捕
ABS秋田放送 / 2024年6月24日 19時14分
ランキング
-
1米国初の女性・アジア系大統領を目指すハリス氏、手腕には厳しい評価も
産経ニュース / 2024年7月22日 19時11分
-
2バイデン氏の撤退決断、米主要紙が評価 「勇気ある選択」「米国の最良の利益」
産経ニュース / 2024年7月22日 19時34分
-
3バングラ学生デモの逮捕者500人超に 死者163人に 警察発表
AFPBB News / 2024年7月22日 20時38分
-
4国際協調路線のバイデン外交は「限界」露呈…ウクライナ侵略・ガザ紛争終結メドつけられず、米国内の分断も深まる
読売新聞 / 2024年7月23日 7時10分
-
5ハリス氏、民主党内の支持急速に固める 重鎮や有力知事ら後押し
ロイター / 2024年7月23日 7時52分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)