児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼ぼう...署名サイトで8000人が賛同

TABLO / 2014年5月14日 18時23分

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「興味を持って貰えなかったらどうしよう......」 と、実は少し不安な気持ちでアップした 『ヴィオレッタ・レイティング問題』 に関する記事なのだが、児ポ改正待ったなしという状況もあってか、こちらが思う以上に多くの方に受け入れて頂けたようだ。

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(http://n-knuckles.com/case/society/news001453.html)

 この記事の冒頭でも触れたが、今回のテーマは 「児童ポルノという単語自体の欠陥」 についてである。

 現在、児童ポルノ法改正に反対する声を挙げている方が何人もおられるが、その中には 「児童ポルノという名称自体を変えるべきだ」 と主張し、署名運動を行っている人物もいる。

 その運動の中心人物が、『美少女フィギュアは児童ポルノ抵触? ブログ削除騒動の不可解な経緯』(http://n-knuckles.com/culture/net/news001415.html) にも登場した廣田恵介氏だ。 廣田氏は現時点で8,000人の署名を集めている。

『宛先:衆議院・参議院の全国会議員721名 児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼んでください。』

 最近、あちこちで「児童ポルノ」という言葉を耳にします。巷では現行の「児童買春・ポルノ禁止法」の対象ではないはずの、漫画・アニメなどの創作物まで面白半分に「児童ポルノ」と呼ばれてしまっています。

 本来、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」は児童を保護することを目的としています。しかし、実際の児童性犯罪とは無関係に、漠然と不安感を煽る「児童ポルノ」という言葉だけが一人歩きしていないでしょうか?

 そこで、安易に乱用されている「児童ポルノ」という用語を改め、より本来の目的に即した【児童性虐待記録物】という呼び方を提案します。

 既に大阪府青少年健全育成条例では、被写体となる子どもを守る観点から、「子どもの性的虐待の記録」という用語を使用しています。

「この漫画は児童ポルノだ」というのは、そこに実在する被写体がいない以上、本来は間違った用語の使い方ですが、人々に誤解を与えて「漫画も児童ポルノだ」という偏見を広めてしまいます。

 しかし、「この画像は【児童性虐待記録物】だ」と言えば、被写体となった被害児童の存在をはっきりと意識することになります。そして、アニメや漫画などの創作物を【児童性虐待記録物】と呼ぶことは、かなり不自然に聞こえるはずです。

 児童ポルノではなく【児童性虐待記録物】と呼ぶよう、国会議員全員に要請しましょう。賛同してくださる方は署名をお願いします。

(http://www.change.org/より)

 廣田氏が指摘するように、そもそも児童ポルノ法は何年も揉め続けている割に、肝心の箇所(特にゾーニング・線引き)は殆ど修正されていないに等しく、未だに「どこからどこまで児童ポルノなのか?」が曖昧なままである。近頃問題となったマンガやアニメが含まれるかうんぬんなど、その最たるものだ。

 このように何が児ポで何が児ポではないのかが不透明なまま、今国会で単純所持禁止(違法化)という、罰則と取り締まりへのGOだけが決められてしまいそうな流れになっている。

 このままでは「何が罪になるのか具体的な明言がないまま取り締まりだけ始まる」のだ。闇鍋なのかドッキリかといったやり方で国民を犯罪者にするなど冗談にもほどがある。ただでさえPC遠隔操作事件や大阪のクラブ摘発事件などで警察・検察の無茶苦茶さが非難されているというのに、ここに誰も正確な事が解らない児童ポルノなんて代物が加わったらどうなるのだろうか?

 また、児童"ポルノ"という単語は誤解を招きやすく、人々が "ポルノ"という単語に対して持っている漠然としたイメージだけで 「あ~あ~ポルノね、はいはい」 と、レッテル貼りかのように雑に語られてしまうというのも大問題だ。そもそもポルノとは合法的な商品・作品であるし、その名称を使う事によって「何のために何をどう取り締まりたいのか?」がボヤけてしまう。児ポ法が適応される範囲がいまいちよく解らないのも、この "ポルノ"という単語の持つ意味合いが人それぞれで、各々が勝手な解釈をしてしまう点にある。

 なぜ児ポ法が必要とされるかといえば「性被害や虐待にあう子供を減らしたいから」 だ。にも関わらず"ポルノ"という単語を使ってしまうと「映像作品を取り締まる事だけが目的」 かのようなイメージで固まってしまうだろう。それではヴィオレッタ騒動で説明したように「性被害の被害者が告発する映像作品」なども摘発や自主規制の対象となってしまい兼ねないし、映倫の萎縮ぶりを見る限りすでにそうなっている。

 では廣田氏が提案している『児童性虐待記録物』という名称はどうだろうか? 少なくとも、これならば何を問題としている法律なのかが解りやすいし、取り締まるべき対象も絞り込める。

 児童ポルノ法の第一条(目的)にある「児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利を擁護することを目的とする」という文面を素直に解釈すれば、『児童ポルノ』などという意味の広すぎるいい加減な単語よりよほど適切であろう。

 このような法の不備と、規制推進派の目的不明のよく解らない焦りが、現在どのような混乱と矛盾を招いているか、次回は具体例を出して説明しよう。

Written by 荒井禎雄

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