あの「伝説の路上」で生まれた 決して逃げない覚悟 「天才」総合格闘家・朝倉海選手(YouTuber)
TABLO / 2019年9月18日 16時36分
前回、総合格闘家で人気YouTuber朝倉未来選手のインタビューを掲載しました。
誰にもなびかない。誰にも媚びない。
その朝倉未来選手が「天才」と表現する選手。それが弟であり、RIZINバンタム級で無敗(朝倉未来選手も無敗)の総合格闘家朝倉海選手。
日本総合格闘界の至宝であり、ベラトール、RIZIN二冠・堀口恭司選手をノンタイトル戦ながら、約1分で衝撃KO勝ち。ジャイアントキリングを達成。新星朝倉海選手が絶対王者堀口選手と対戦するのは「まだ早い」と言われた下馬評を覆しました。まさに「世界が変わった」瞬間でした。そして今度はベルトを賭けて大晦日に再戦するのではとされています。
朝倉海選手は兄・未来選手と同様、YouTubeを開設。KAI Channelは現在登録者数も急上昇の5万以上(最新動画はこちら。https://youtu.be/TZitm9-xZqU)。
因みに、写真撮影中、メイド喫茶潜入企画でポーズをとった胸の前でハートマークを作る「かいぴょんポーズ」をお願いしたら爽やかな笑顔で「あれはオタク服装でしかやらないので」とお断りされました(海選手、すみませんでした!)。まずは、そのメイド喫茶動画から聞いてみました(https://youtu.be/eLeZ0MOiYbE?list=UUbqtn4vldMg5HjKims7MWfw)。
参考記事:「誰にも媚びない」総合格闘家 朝倉未来選手(YouTuber) 格闘技界は朝倉未来・海兄弟を中心に回り始めた|聞き手・久田将義 | TABLO
僕のYouTubeは「新しいことに挑戦する」がコンセプト
――先日アップされたYouTube、面白かったです。僕もメイド喫茶に取材に行ったことありました。感想はいかがでしたでしょうか。
朝倉海選手(以下・海選手) まあ衝撃的でしたね(笑)。メイド喫茶がどういうところなのかっていうのも知らなかったし、実際に行ってみてこんな感じなのかっていうのがありました。僕のYouTubeのコンセプトとして、新しいことに挑戦していく、自分がやったことないことにいろいろチャレンジするというか、あとは視聴者のニーズに応えていろいろやっていくとか、みんなが知らないところに潜入するとか、そういうのをやってるんですけど、メイド喫茶もそのひとつとして挑戦してみました。
――自分が知らない世界ですね。
海選手 そうですね、視野を広げるじゃないですけど、知らないところの良さとか学べるところがあるんで。
――動画では「また行こうか」となっていますが、実際に行ったんですか?
海選手 いや、行ってないです。もういいかなと思いましたね(笑)。でも普通に楽しめました。僕は格闘家なんで、格闘家がしないようなことという、ギャップですよね。みんなが見たい動画って、普段見られない姿というか、格闘技以外の一面を見せていかないとって思ってるので。
――お兄さんの未来選手もおっしゃってましたけど、「YouTuberが実は格闘家だった」みたいに、振り幅を思い切り広げてる感じがしました。
海選手 僕もそこは意識してますね。格闘家の日常というかトレーニングとか食事とかはそんなに面白くないというか。格闘技ファンにしか届かないというか。そこから広がっていくことはないので、一般的にウケる企画を考えるようにしてます。
――それはスタッフの方と会議しながら?
海選手 そうですね。
――お兄さんよりも先にやりたかったって仰っていました。
海選手 そうですね。YouTubeを始めようって兄貴がいつから思ってたのかはわからないですけど、兄貴が始める前から思ってて。ただ実際に始めるのは遅くなっちゃったんですけど。
――きっかけとなったのは?
海選手 僕自身、格闘技を広めたいという気持ちが一番強いわけです。YouTubeでお金を稼ぎたいとかもなくはないんですけど、それよりは格闘技を広めるための手段として使いたいなと思ったのがきっかけですね。格闘技ってスポーツとしての魅力がものすごくあると思っています。見てもらえれば、たくさんの人を感動させることができるんですけど、見てもらうまでが大変というか。ただ闘ってるだけだと世間にはなかなか届かなくて悔しい思いをしてるので、格闘技を少しでも多くの人に知ってもらうきっかけになればいいなと思ってYouTubeを始めました。
――登録者は5万人ちょっとですね。(2019年9月17日現在)。目指せ10万みたいな感じですね。
海選手 とりあえず目標は10万ですね。
――いい感じできてるような感じがします。
海選手 普通に考えたら順調だと思うんですけど、兄貴がものすごいんで(登録者数21万人)。あれと比べちゃうと全然まだまだで(苦笑)。
――新宿2丁目(日本最大と言われているLGBTの街)に行ってみるという企画はどうでしょう。
海選手 新宿2丁目の企画は考えてました。どれだけモテるかっていう検証を。
――なるほど。
海選手 でも、それはセクシャリティな部分でデリケートなので、やめたんです。今やっているオタクの格好とかはみんな好きでやってるからいいと思うんですけど。
――他のYouTuberの方の分析や研究はしてるんですか?
海選手 あまり観ないかもしれないですね。それよりは編集してるスタッフがいろんなYouTuberを観てるんで、それでいろいろアイデアを勉強してるというか。
――海選手と合わせて3人でやってるんですか?
海選手 カメラと編集を両方やってくれてるのが一人いて。あとは定期的に出てくれてるメンバーが一人です。
――サイトウさんですか? あの人は度胸がありますね。
海選手 そうですね、度胸あるしなんでもできるんで。
――スタッフをサブキャラとして登場させるのはいいですよね。
海選手 ええ、僕一人だとできることが限られてきますし、ネタが尽きちゃうんですよ。ほかにメンバーがいるとより面白くできるというか。だからサイトウくんももっと認知してもらえるように。
――僕はもう認知しましたよ。
海選手 (笑)少しずつ認知してもらえるようになったらいいかなと思います。
世紀の一戦後「不便に感じるくらい声をかけられるようになりました」
――街を歩いてて、「あ、海選手だ!」みたいなことはありますか?
選手 前回の試合後(堀口恭司戦)からめちゃめちゃ言われるようになりましたね。毎日、何人かに声掛けてもらえるようになりました。買い物に行ってもご飯食べに行っても、だいたい声掛けてもらえるようになりました。
――東京に出てきて何年くらいですか?
海選手 2年ですね。
――その頃と生活は変わったという事ですね。
海選手 ホントに変わったのはここ最近ですね、堀口恭司戦が決まったときぐらいからものすごい声掛けられるようになりました。不便に感じるくらい声掛けられますね(苦笑)。
――迂闊なことができないぐらいに(笑)。
海選手 悪いことできないですね(笑)。ちょっと出かけるにも見た目を気にするようになりました。
――僕も格闘技大好きなのですが、海選手の試合を見ていて久しぶりに声をあげましたね。堀口選手のやられ方がちょっと衝撃というか。さんざん聞かれてると思うんですけど、あれは計画どおりのことをやったっていう感じですか?
海選手 そうですね。
――計画立てても、なかなか実行できないじゃないですか。どういうふうにして克服していったんでしょうか。
海選手 ホントに細かいところまで分析して、癖を読んだり、動きのパターンを読んだり。それで相手の動きをイメージしてたのと、それを実行するための反復練習、勝てるだけの練習をしてしっかり準備できて、自信を持ってリングに上がれたことが一番の勝因だと思います。
――試合前の表情がアップになりましたけど、あのときは燃えてるでも下がっているわけでもなく平常心だったんですか?
海選手 平常心ですね。いたって冷静で。作戦どおりに試合しようっていう、ただそれだけでした。
――よく「覚悟を決める」とおっしゃってます。
海選手 リングに上がるときはいつも覚悟は決めてるんで。どうなってもいいって思える覚悟ですね。
兄貴との路上のスパーで「殺される」と思いました。あの時に覚悟を決めることが出来ました
――KAI Channelでデビュー前の、お兄さんとの路上でのスパーリングというか喧嘩のような動画をあげていました。あれで初めてグローブ握ったのですか?
海選手 そうですね、初めてグローブ握りました。
――ビックリしました。僕が「海選手は天才じゃないかと思った」ってお兄さんの未来選手に言ったら「天才だと思います」って言っていました(その時のインタビューはこちら https://tablo.jp/archives/14994)。
海選手 自分でもすごいと思いますね。
――そうですよねー……。
海選手 正直、自分にそういう才能があると思ってなくて、いざやったらできたみたいな感覚なんですよ。
――初めてなのにパンチ出してましたよね。
海選手 小学生の頃に少し空手の経験があって、それを覚えてる部分はあったと思うんですけど。咄嗟に避けられたり出せるのは本能というか自然でした。考えてやってたわけじゃないです。自分でも驚きました。
――怖かったですよね。
海選手 怖さはあったんですけど、それこそあのときから覚悟を決めることができてたというか。あの瞬間って初めて死を覚悟した瞬間というか。「ヤバい、殺されるな」って思ったんですよ、避けないと殺されるとか、見ないとヤバいっていうのがあって(「殺されるかと思った」動画がこちら https://youtu.be/7nYylyRCsQs)。
――ホントにあの路上が原点なんですね。
海選手 あの兄貴がいて、その弟だからこういうメンタルの強さが備わったのかなと思います。
――未来選手もDNAって言ってましたね。その腹の括り方はあの路上が……。
海選手 始まりですね。僕も路上でケンカすることがあって、そういう経験もあるかもしれないですね。
試合までは本当に悔しい思いをしていました
――次の試合は、やはり大晦日のダイレクトリマッチ(堀口恭司選手との)しかないですよね。RIZEで那須川天心選手が「武尊選手とK-1運営に言いたい。早くやりましょう」と言うような事を言っていました。「凄い試合が日本でも起きている」とも言っていました。海選手vs堀口選手の試合を意識していると思われます。
海選手 大晦日はタイトルマッチを確実にやるみたいなことは伝えられてるので、それはやるんですけど、その前の10月にRIZINの大阪大会があります。僕はできなくはないので、意味のある闘いならやってもいいのかなと思ってます。
――『RIZIN CONFESSIONS』で石渡伸太郎選手とか扇久保博正選手が「僕らよりは上にいってることを認める」っておっしゃってましたけど、そのへんの自分の位置づけみたいなところはどうですか?
海選手 堀口選手に勝ったから周りからの評価は上がったかもしれないですけど、タイプが違ってやりづらかったりもあるし、四天王といわれてる選手たちは本当に強い選手なので、堀口選手に勝ったような勝ち方ができるかといったらそうでもないかなっていう。簡単に勝てるとは思わないです。
――恐らく、大晦日に行われるであろう、再戦堀口戦が実は本当の勝負になると思います。
海選手 そうですね、次が勝負ですね。前回は堀口選手も甘く見ていた部分があると思うし、研究されてるというのがわかったうえで闘うので、前回みたいな勝ち方はできないなと思っています。とはいえ大晦日まで3ヶ月ぐらいしかないじゃないですか。
そこまでスタイルを変えることもできないし、僕は自信がありますね。堀口選手の攻撃パターンを読んでるんでそこを変えることは難しいと思うし。実際、今回は1分ちょっとでKOできたんで、ホントはもっといろんな作戦を立ててて、まだ出してない作戦がたくさんあるんで、それを温存して次に臨めるので勝つ自信はありますけどね。
――前回の試合は海選手のツイッターに「まだ早い」みたいなリプライがたくさんあって、でも兄弟で「勝つ」っておっしゃっていて、有言実行でしたね。
海選手 ほとんどの人が僕が勝てないと思ってましたし、KOで勝つなんて思ってた人はほぼいないと思うんですよ。批判の声というか、まだ早いみたいな声って僕にも届いてたし、試合までは悔しい思いをしてたんですけど。それでムカついたりっていうことではなくて、純粋に実績を比べたときに、堀口選手がいままで積み上げたものの偉大さもわかってたし、そう言われても仕方ないと思ってましたし。ただ俺はホントに試合の当日に勝ってひっくり返すしかないっていう、試合まではずっとその思いでしたね。
――鬱屈したものがあったっていうことですか?
海選手 そういう声は届いてたので、自信はあって勝てるとは思ってるんですけど周りはそうは思ってない。いろんな人に「次の試合どうなの?」って言われたとき、「俺は勝てるよ」って言っても笑われてるような感じというか、信じてもらえてない感覚がずっとあって、やっぱりみんな難しいと思ってるんだなっていうのが。
――勝ち方もすごかったっていうのがありますね。
海選手 僕が、そういう思いをすべてひっくり返すには誰にも文句言わせない勝ち方をしようっていう。
――世界が驚愕しました。
海選手 そのために毎日ベストを尽くしましたし、その日まで最善を尽くして毎日過ごしてましたし。当日もベストを尽くしたので結果的に勝つことができたんですけど。
――堀口選手どういう存在ですか?
海選手 もちろんリスペクトしてましたし、世界でトップといわれてる選手なので、学ばせてもらえるものもあったし。尊敬してる選手です。
――実際、勝ったので、「いま勝てる」っていう海選手の言葉は非常に説得力がありますね。
海選手 そうですよね。
――それによって格闘技界での発言権みたいなものも大きくなると思うのですが。
海選手 今現在、そうなってると思います。
――Twitterでもこういうインタビューでも、「海選手が言ってるなら」みたいな説得力が増しますよね。それは望ましいこと?
海選手 はい。
――大晦日はダイレクトリマッチがいいと思うんですけど、その次はいろんなバンタム級のみなさんとの試合は入ったりはあるんですか?
海選手 正直言っちゃうとそこまで興味は持ってないです。僕は常に挑戦していきたいので、もし大晦日にベルトを獲れたならほかの団体の強い選手を呼び込みたいというか、自分が行ってもいいですし。
――海外でってことですか?
海選手 そういうところに挑戦したいですね。RIZINというものをデカくしたいです。もっとたくさんの人に観てもらいたいし。街を歩いてて声掛けられるとは言ってもまだまだなんで、もっともっと上を目指していきたいです。
――約10年前、K-1とかPRIDEが社会現象になりました。
海選手 それくらいになりたいですね。格闘技はそれだけの魅力があると思うんで。
――堀口戦の後、リング上でのインタビューで「挑戦することに意味があるっ」っておっしゃってましたけど、醍醐味はそこですかね。
海選手 ホントにそうですね。何ごともそうだと思うんですよ。
――それは社会人とか学生さんにも言えることですか?
海選手 そうですね、仕事においてもそうだと思います。無理なことってあんまりないと思っていて、努力次第でほとんどのことができると思ってるんで。そうやっていままで生きてきてますね。自分の目標を達成するための願望の強さをどれだけ持てるかというか、誰よりもこうなりたいっていう願望を強く持って、そのために努力すれば絶対に叶うと思いますね。いままでそう思ったことはほぼ叶えてきたんで。
――次の目標はベルト奪取になりますね。
海選手 そうですね。
――選手は必死でしょうけど、ファンからすると楽しみですね。
海選手 僕も楽しみです。今回の試合もすごい楽しみだったんで。
――強い人とやるのが楽しみなんですね。
海選手 そうですね。強い人と闘ってどうなるのかっていうのが純粋に楽しみなので。
――マネル・ケイプなんかはどうですかね?
海選手 彼も強くなってるんで。独特な存在なんで、また闘えたらうれしいですね。
――四天王に対しては?
海選手 そうですね、興味ないわけじゃないですけど、そんなにやりたいと思わないですね。
仲間の声援でここまで来れました
――故郷の豊橋ってどういう街ですか?
海選手 けっこう田舎なんですけど。仲間が熱いというか、情に熱いですね。
――どんな会場でも仲間が……。
海選手 駆けつけてくれますね。
――海外にも応援に行ったそうですね。
海選手 そうなんですよ。海外にも30人ぐらい来てくれたり。普通に考えたらありえないですよね、韓国で試合したとき友達が30人来てくれて。そういう友達に囲まれてたおかげでここまで強くなれたっていうのがあって。格闘技の応援をしてくれる友達がいて、俺が勝ったときにすごい喜んでくれて。だから勝ったところを見せたいっていうのが一番の原動力になって強くなりたいって思い始めたところがあって。THE OUTSIDERの頃からそうですね。
――それはうれしいですよね、一生の宝みたいになりますよね。
海選手 そうですね。前の試合(愛知県・ドルフィンアリーナ)も500人ぐらい来てくれて。
――500人ですか!?
海選手 僕の試合で友達と友達がつながって、それが大きな輪になってというか。いまは何百人と来てくれています。
――人望ですね。
海選手 いい友達にめぐり会えたってことじゃないですかね。
――それがモチベーションのひとつになっていますよね。強い人とやりたい、仲間のためにやるっていうのが。
海選手 そのふたつが大きいです。
ジムのトレーナーとして「教えることは自分のトレーニング」でもあります
――海選手の1日のスケジュールを教えてもらえますか?
海選手 いまは英語を勉強してるので。
――英語を? それはなぜですか?
海選手 今後、海外で試合をやる機会があるかなと思って英会話を始めて。まだ2ヶ月ぐらいなんですけど。朝起きて2時間ぐらい英会話をやって、練習に2時間ぐらい行って。プロ練習のあと、フリーの時間が2時間ぐらいあって、このジムでトレーナーとして教えつつ、自分の練習をしてっていうのがだいたいの1日のルーティンですね。
――トレーナーとして、教えることによって学ぶことってあるんですか?
海選手 すごくありますね。僕の場合は自分が習ったことを教えて。理解しないと教えられないじゃないですか。教えることによって自分も再確認できて吸収できるというか。だから自分の練習をして、教えて、初めてひとつの形が出来上がるみたいな。だから教えることが自分のトレーニングでもあるんですよね。
――それは貴重ですよね。
海選手 貴重なんですよ(しみじみ)。理屈としてわかってないと教えることができないんで、インプットしてアウトプットするみたいな感じですね。
――生徒さんはどれくらいいらっしゃるんですか?
海選手 格闘技はバラバラで来るメンバーが違うので人数はわからないんですけど数十人くらいでしょうか。三階のヒートジムは140人ぐらいいるんじゃないですかね。
――お仕事されてる方が多いんですかね。
海選手 この辺でお仕事されてる方とか、この近くに住んでる方、あとは遠いけど僕らのファンで来てくれてる方もいますね。
――サラリーマンの人と接するのも勉強になったりします?
海選手 そうですね、格闘技だけじゃなくていろんなことを学んでますね。
格闘技は長く続けるつもりはないです。世界一になってパッと辞めたいですね
――YouTubeに戻りますが、ベンツでナンパする企画が最新ですね。
海選手 そうですね、あれはシリーズ化しようかなと思ってます。
――海外のYouTubeに「ゴールドディガー」っていう企画があって、金目当ての女子っていう意味なんですけど、ユーチューバーがわざと変な格好して女の子を「おまえゴールドディガーじゃん」と説教しちゃうんですが、それを彷彿とさせるような感じでしたね。
海選手 それに近いですけど、それやっちゃうとクソ性格悪い男になるんで(笑)。そんなひどいことはできないです。傷つけないようにちゃんとやってます。
――最後、ネタばらししていましたからね。
海選手 あの企画は正直な話、試合の100倍緊張しますね。でも何事も楽しんだもの勝ちみたいなところはあるんで。日本人って恥じらいが多いじゃないですか、周りを気にするとか。そういうのはもったいないと思うんですよね。最近いろんなことをやってそう思うようになってきて。
――YouTubeを通してですか?
海選手 YouTubeを通しても大きいですね。吹っ切れてたほうが楽しいですね。
――なんでも窓口を広くするという。
海選手 カッコよさだけを見せるんじゃなくてダサいところも見せたり。新しいことをやるようになって、そのほうが人生楽しくなるなって思いました。
――YouTubeって人間性が見えてくるじゃないですか。
海選手 何も作らずありのままを見せていこうと思っていますね。変に作らずにありのままの自分の姿を見せて、やりたいことをやって、そこで楽しんでもらえたらいいなっていう。
――僕は楽しん観ています。
海選手 やっている側が楽しくないと観る人も楽しくないと思うので。
――画面からも、チームワークがいいなって伝わってきますからね。
海選手 そうですね、いいメンバーだと思います。素人から始めたんですけど、一緒にいろいろ考えながらやってます。最初はすごいヘタクソだったんですけど、少しずつ勉強してやってくれてます。
――字幕とかセンスあるなと思いました。
海選手 そこは勉強しながら楽しんでますね。
――映像ずっとやってる人かと思ったら違うんですね。
朝倉 ホントに素人です。
――もっとアップの回数増やしてほしいぐらいです。
海選手 友達が来年ぐらいに東京に来るんで、それから本格的に始動しようかなと思ってます。そうなったらもっと更新頻度も上げられると思うので。
――YouTubeだけでマネタイズできれば、法人化してもいいですよね。
海選手 そうですね、そのつもりです。
――これからの総合格闘家・朝倉海選手の目標と、人間・朝倉海の目標を教えてください。
海選手 総合格闘家としての目標は、これはもう、最初から世界一しか目指してないです。
――いちばん強い男になる。
海選手 そうですね。
――次勝ったら、ほぼ世界一ではないでしょうか。
海選手 うーん、どうなんでしょうね。RIZINのチャンピオンになったからといって世界チャンピオンではないので。
――UFCとかもありますからね。
朝倉 それを全部含めて一番強い選手になるのが目標なので。
――誰もが認めるような。
海選手 そうですね。あんまり長く続けるつもりはないです。パッと世界一になってパッと辞めたいです。
――それはなぜですか?
海選手 一番強い状態で辞めたいっていうのもあるし、練習から常にダメージもあるし、試合でもあるし、命削ってるんで。長くやるもんじゃないなっていうのは思ってるんで。だからこそ1戦1戦絶対負けられないと思ってやってますね。
――人としてっていう部分ではどうですか?
海選手 人としてかあ……。自分のやりたいことをやる人生にしたいなと思いますけどね。
――自由に生きたい、と。
海選手 明確にこれがしたいって決まってるわけじゃないですけど、常に目標を見つけてやっていきたいです。充実させたいですね。
――生き方として。
海選手 そうですね。
――試合もYouTubeも注目してます。これからも頑張ってください!
海選手 ありがとうございます。
(聞き手◎久田将義 撮影◎足達倫弘)
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