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ASKA被告、保釈後は薬物更生施設入りか? ダルク潜入リポート

TABLO / 2014年7月3日 10時0分

ASKA被告、保釈後は薬物更生施設入りか? ダルク潜入リポート

 

 覚せい剤を使用した罪などで起訴されているASKA被告(56)が、東京地裁が認めれば、早ければ3日にも保釈される見通しだ。薬物依存度が高いといわれるASKA被告が、保釈後に足を運ぶと見られているのが、薬物依存症の厚生施設「ダルク」だ。

 ダルク(DARC)とは、ドラッグ(DRUG=薬物)、アディクション(ADDICTION=嗜癖、病的依存)、リハビリテーション(Rihabilitation=回復)、センター(CENTER=施設、建物)の頭文字を組み合わせた造語で、覚せい剤や有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から解放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設だ。週に数回、日本全国どこかでミーティングと称したグループセミナーを行っている。もちろん、ダルクは一般の飛び込み参加も可能だ。つい先日、都内某所で行われた薬物ミーティングに参加したので、その状況をリポートしたい。

 そのミーティングには男性12人、女性が3人参加していた。年齢層は20代から50代以上と幅広い。まず、初めに簡単な自己紹介、薬物使用歴などを話し、その後は色々なテーマで話し合うという流れだった。

 チンピラの薬物自慢にも似た退屈な話が続いた。参加者の話を聞いているうちに、すぐにある疑問が浮かんだ。果たしてこのような行為で薬物を止めることができるのか。ダルク関係者が質問がある方はどうぞ、と問いかけてたので挙手して質問した。

ーー今回初めて参加したが、このような薬物体験記を議論してどんな意味があるのか。

「ここは薬物依存で悩む人間の集まりです。みんなで集まって一緒に悩むのが一番の解決方法なんです」

ーー薬物の感覚は体も頭も一生覚えていると聞きます。重度のジャンキーがみんなで薬物の話ばかりして、悪い方向に行く可能性はないのか?

「......では少し休憩にしましょう」

 ここでダルク関係者は筆者の質問をさえぎり休憩を告げた。納得いかないが、そこで食い下がってもしょうがない。気を取り直して参加者の声を拾うことにした。驚いたのは、刑務所から出所する際にダルクが身元引受人になり、そのまま入寮している人間が半数以上もいたことだった。

ーーダルクではどんなことをしているのか?

30代男性「朝から晩までミーティングしているだけだよ」

ーー自分で望んで入寮したのか?

30代男性「違う。刑務所からここが身元引受人になって入っただけ。仮釈貰うために仕方なくだよ。仮釈の期間が終わったら、こんな退屈な場所からは出て行くつもりだし」

 別の男性にも話を聞いた。

ーーあなたもダルクに入寮しているのか?

20代男性「(小声で)ダルクは金ばかり請求するんで入っていられない。前は入ってたけど、すぐに出たよ......」

ーーそんなに金かかるのか?

20代男性「ダルクによって違うけど、初めに15万円払って、その後も毎月15万は最低取られる。入寮したら、その他に自分の小遣いだって必要になる。それじゃ、いくらかかるんだって話だろ。そんなに金取られて、4人で6畳、二段ベッドで生活するなんて地獄だよ」

 ある地方のダルクの費用を例として紹介しよう。

●費用
入寮費(1ヶ月につき):160,000円

※内訳
利用料:15,000円(500円×30日)
生活費:65,000円(一日2,000円×日数、床屋代等)
交通費:実費(1ヵ月約15,000円)
プログラム費:65,000円

 その他医療費は実費請求で、任意退寮(本人が勝手にダルクを飛び出る等)及び強制退寮の場合は、入寮費の清算返金は受け付けない。当然だが、物価や土地代のせいで大都市にあるダルクは高額で、地方のダルクは安い傾向にある。

ーー生活保護受給者などは?

20代男性「かなりいるよ。それが一番支払い間違いないから。生活保護費の範囲内で収まるようにするから......」

 そう言うと彼は別のグループの輪に加わっていった。休憩時間は一向に終わる気配がない。参加者は3~4組の小グループに分かれて、世間話でやり過ごしている。筆者の背後から声がした。

「いろいろ知ってるなら教えてよ」

 振り返ると、貧相に痩せこけた40代男性が立っていた。

「あなたはいろいろ詳しいみたいだけど、どこか今安く買えるところ知らないかな? 今まで仕入れてた売人が連絡取れなくなって......」

 その言葉が付近に響くと合図のように、参加者の世間話が思わぬ方向へ色々な出席者が話しを始めた。

「俺の仕入れてるとこは安いよ......」

「そこ、デリバリー(配達)してくれるのかな?」

「質はどれくらいなの?」

「今、ポンプ(注射器)が手に入らなくて......」

「後で聞いてやるよ、どの位欲しいの?」

 会場内では麻薬中毒者同士の情報交換が始まってしまった。ダルクの運営者には薬物の経験者が多いと言われている。特別な意味はないだろうが、そのような会話が盛り上がっていようと、なにもおとがめ無しだった。

 ASKA被告には禁断症状が出ていることも一部で報道されている。保釈後は専門病院への入院も選択肢に入るが、マスコミの騒ぎを嫌われて受け入れ拒否に合う可能性が高い。では、噂されるダルクへの入所で薬物から抜けれるのだろうか。もちろん、ダルクで薬物を絶つことができた人も多くいるだろう。しかし、ダルクを有意義と感じている人間ばかりでないのも現実だった。ASKA被告の保釈後の動向に注目が集まっている。

Written  by 西郷正興

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