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セクハラやじで鈴木章浩都議が謝罪...女性蔑視より深い政治家の病巣

TABLO / 2014年6月25日 14時30分

セクハラやじで鈴木章浩都議が謝罪...女性蔑視より深い政治家の病巣

Photo by 鈴木章浩公式サイトより

 

 東京都議会の一般質問中に、女性都議に対してセクハラ発言・女性蔑視発言と受け取れる野次が飛んだ騒動で、発言の主が鈴木章浩都議(自民党・大田区選出)だったことが判明し、都議会自民党の吉原修幹事長が謝罪した。

 野次の標的となった塩村都議および所属するみんなの党は、自民党議員が座るエリアから複数の都議が野次を飛ばしていたとして、声紋分析する方針を決定。その矢先の鈴木都議の"自白"だった。

 鈴木都議は「早く結婚した方がいいんじゃないか?」といった発言は認めているものの、それ以外の子供を産む産まないといった野次については否定している。

 さて、この野次騒動は早い段階から「S議員が怪しい」と犯人探しがされていたのだが、当初 「疑わしいS議員」とされた鈴木議員は野次を発したか否かについて「私じゃない寝耳に水だ」と全否定していた。

 また、塩村都議は議長に対して野次の発言者の処分を求める書面を提出したが、発言者の氏名が書かれていないことを理由に不受理とされている。

 そのような経緯で、一時は自民党お得意の知らぬ存ぜぬでウヤムヤになる流れに傾きかけたが、今回は世間の反発が想像以上に大きく、さらに海外メディア(米CNNなど) でも報じられ、日本に対する「人権軽視・女性蔑視」といったレッテル貼りに一役買ってしまう格好となり、さすがの自民党も無視できない立場に追い込まれたようだ。

 だが、今回の騒動を単なるセクハラ発言や女性蔑視の問題としてしまって良いのだろうか? もっと根本的な部分に病巣があるのではないだろうか?

 まず、政治家というのは税金で食っている身である。よって、彼らが生きている1分1秒ごとに税金が消費されていると考えねばならない。

 では、その政治家の役目とは何だろうか? どんな仕事の対価として給料(=税金) が支払われているのだろうか?

 答えは簡単で、選挙公約を守り、自分に票を投じてくれた有権者を裏切らぬよう心がけて働くことである。それが政治家のお仕事の基本中の基本のはずだ。

 だからこそ、会議中に口汚い野次を飛ばすといった"時間の無駄遣い"をした時点で非難されて当然なのである。 発言の内容がセクハラだったとか、女性蔑視だったといった点は二の次だと考えるべきだろう。鈴木議員および自民党は「卑しくも税金で飯を食っている立場で勤務中に時間を無駄にしたから」こそ、猛烈な批判を浴びているのだ。

 仮に鈴木都議が塩村都議の質問に対して「早く結婚すれば~~」と言いたいのであれば、自分の持ち時間の中で堂々と意見を述べればいい。オフィシャルサイトの公約に 「女性が暮らしやすい世の中を!」などという文言を踊らせている人物がそんな発言をしたらどうなるかという問題はあるが、都民を代表する者として正々堂々と発せられた意見ならば、無責任な匿名2ちゃんねらーのような野次攻撃よりは幾分マシだろう。正面切って自分の意見として口にできない発言ならば、野次としても口にするなという話である。

 今回はたまたま舞台が都議会だったが、こうして考えてみるとより酷いのは国会の方である。 国会議員に話を聞いてみると、彼らは「若手なんて議会では野次要員なんだよ」と当たり前のように答える。本人が野次という手法を好む好まざるに関わらず、自分達の"敵"に対して頑張って野次を飛ばさないと後で先輩議員にドヤされるそうだ。この時点で日本の国会議員の勘違いっぷりが見て取れるが、我々国民は国会議員に下品で口汚い野次を発せさせるために税金を支払っている訳ではない。

 また、いくら自分の意見と違う内容の発言だったとしても、発言者に対してよってたかって罵声を浴びせて威嚇するなど、単なるイジメ・暴力ではないか。そんなくだらない真似をして時間と税金を浪費できるほど今の日本は豊かなのだろうか?

 今回の一件を単なる「失言屋がヤラかしちゃいました」で終わらせてはならない。これを機に「会議中の野次は一切禁止。不規則発言をしたら問答無用で即退室&罰則」くらいの決まり事が作られても良いくらいだろう。政治家にとって時間=税金なのだから、この程度のルールはあって当然である。

 余談だが、この鈴木都議は大田区議時代の2005年に公費(1人80万円) でモナコのカジノを視察に行き、その際の視察報告書の大半が、全く無関係な大学教授の講演内容から盗用した物だったことが発覚して話題になった人物である。

 政治家たるもの、世間から後ろ指を指されるような下品な言動を慎んで職務に臨むと共に、税金とは何かの勉強会(再教育)から始めていただきたい。

Written by 荒井禎雄

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