写真と実名を晒しヘイト 心を患った人も 在タイ『週刊ワイズ』が親日国で犯した日本の恥さらし行為
TABLO / 2019年10月13日 12時45分
タイのバンコクで発行されている日系フリーペーパーという媒体がある。在タイの日本人に向けて、趣味や娯楽・ニュース・飲食店・セール・不動産情報などを届ける貴重な存在だ。その中に、タイの日系フリーペーパーとしては最大級の、毎週3万2千部を発行しているとされるメディアがある。
このメディア『週刊ワイズ』(https://www.wisebk.com/)が、世界有数の親日国のタイで、大きな問題を引き起こしている。
ワイズではタイの若く綺麗な女性を取材してファッションチェックする『ちゃお! バンビーナ』というコーナーで、彼女たちの写真と実名を掲載して、「いくらきめても時代錯誤のイタイ女」、「老け顔」などと、服装や容姿を罵った記事を書いて笑い者にし、日本人向けに配信していたのだ。多くの日本人が、この記事を見て嘲笑ったりしていたことになる。
ワイズは、このような記事を「連載記事」として長年にわたり掲載してきており、善意で取材に応えて知らぬ間に被害者となったタイ人女性の数は相当数に上ると見られる。
そして今、この「ワイズ」の記事内容が、タイ人の女性の方々に対してあまりにも酷いと話題となり、批判が殺到して問題となってしまったのだ。
まず、それを批判したのは日本人だった。タイで語学学校を経営するA氏は、以下の通りネットに記事を掲載している。
(以下の記事に掲載された、ワイズの紙面の写真。尚、上記は被害者女性の保護の為、モザイクなどがかけられているが、実際の紙面では実名と顔も晒されていた)
「タイ人を騙して笑い者にする日本人たち」
(URLは、https://note.mu/sabaithailang/n/nb353a2f21857 )
「タイの善良な一般人を、取材目的を伏せて騙し討ちにし、発行部数3万部の印刷媒体でこき下ろす。
さらに、スマホで再スキャンした画像をTwitterに晒して、「かなり毒舌で笑ったw」などと日本人同士で笑い者にする。
『卑劣』です。
どうせ日本語が分からないからいいだろw、とでも思っているのでしょうか」
また記事では、5年以上前の2014年2月に日本人が個人ブログで、教え子のタイ人女性がワイズの被害にあって、病気になってしまった人がという以下の記事を書いていた事を紹介している。
「バンビーナ・きもちわりーな」
(URLは、https://ameblo.jp/toruohayashi53231/entry-11766346093.html )
「タダ単にファッションの批評をするだけなら何も問題はない。しかしこの人間はわかりもしないその人の内面を勝手な想像で切って捨てるのだ。たとえば『男好きなんでしょ』とか『影で何やってるかわからない顔ね』とか、なんでお前がそんなこと偉そうに言えるんだよとこのコーナーは読まずにすっ飛ばしていた。
それなのに何故わざわざテーマに取り上げたかと言うと、昔の教え子が被害にあったからだ。
彼女は『そんなこと言ったつもりはないのにー』とフンガイしていた。
つまりインタビューが捏造されていたのだ。それをバンビが揚げ足をとってコメントしていたのだ。
そして彼女は病気になった」
参考記事:微笑みの国・タイで日本人の評判が急降下中!? 人気の旅行先でいったい何が起きているのか? | TABLO
ワイズの出していた、ワイズビズへの誘導広告
さらにワイズは、上の記事の通り、このような女性たちの写真を見たければ「ワイズビズ」という、日系企業向けのワイズのサイトを見るように誘導までしており、これをワイズと日本企業が商売にしていたのだ。
ワイズは批判を受けて、ツイッター上で出したのが、以下のツイート。
【弊誌掲載のコラム「ちゃお!バンビーナ」について】
『行き過ぎた「辛口批評」に関して、ご本人を含め不愉快な思いをさせてしまった皆様に深くお詫び申し上げます。現在、ご本人と直接連絡をしております。当該コーナーは中止・削除したこともあわせてご報告させていただきます。週刊ワイズ』(ツイッターより)
このような問題記事を配信した原因が何なのかも書かず、責任者名も書かず、再発防止策も何も書かずに、このツイート一つで終了する対応に、さらに批判の声が高まっている。当然だが日本メディアの感覚で言えば、このような謝罪では再発防止が十分とは誰も思う事が出来ず、到底不十分だ。
そして恐ろしいことに、現地タイ・メディアがこの騒動に気付き始め、取材を開始しているという(例えばこちらのサイト ส่วนหนึ่งของคนญี่ปุ่นที่โกงและหัวเราะกับคนไทยอย่างสนุกสนาน )
この事件について、TABLOはワイズに取材を申し込んだが、10月12日現在、回答期限を過ぎても返答はない。
タイは世界有数の親日国
日本が好きと言ってくれるタイの人も多く、タイから日本への旅行も人気がある。その親日国のタイで、日本企業も相当数広告を出している、現地の大手日本メディア「ワイズ」が起こした本問題。
タイ人の若い女性を騙して取材し、女性の顔も実名も晒して日本メディアが外見や見た目を罵り、それを見て嘲笑う日本人たち。
これは日本人として、あまりにも恥ずかしい姿だ。
仮に若い日本人女性が、海外のメディアから同様の扱いを受けて外国人から嘲笑われ、日本人女性が体調まで悪くしていたら、どう感じるだろうか?
実は、このような問題を東南アジアで起こしているのは、このワイズに限らない。
ベトナムでは今年6月、日本人がアメリカ発のカフェに居た所、スマホのアプリで受発注するデリバリーサービスのベトナム人従事者が店内にいたことを見つけ、ツイッターで「小汚い格好で店内におり、その店のサードプレイスの世界観が崩れる」といった内容をツイートし、これがベトナム現地で大きな批判を浴びた。
参考サイト ハーバービジネスオンライン『在ベトナムの邦人起業家、差別発言で大炎上。現地日本人社会も困惑』https://hbol.jp/194769
これはベトナムでの個人のツイートだが、タイのワイズの問題は、日本の現地最大手メディアが長年にわたり、このような記事を書いていたという点を考えると、その責任は遥かに重い。
何よりも残念なのは、長年にわたってワイズの読者から『異論』が出なかったこと。傍観者も同罪であると本サイトは考える。
現在、タイや東南アジア現地で気になる大きな問題として、反響が広がっている。(文◎編集部)
あわせて読む:本サイトが報じたタイの違法民泊騒動 ついにタイ政府機関が汚職取り締まり捜査に動いた 渡航時は注意を! | TABLO
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