【佐世保同級生殺害事件】加害者が遺体を切断した類似事件から考察

TABLO / 2014年7月31日 16時0分

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 長崎県佐世保市の高校1年生松尾愛和さん(15)を殺害したとして、同じ高校の同級生の女子生徒(16)が逮捕された。加害女子生徒は被害生徒の首と左手首を切断した。少年事件で首を切断したのは、1969年の高校一年生の男子生徒が同級生を殺害した事件、1997年の中学生が小学生を殺害した神戸連続児童殺傷事件など、いくつかあるものの、非常に稀だ。この事件の具体的な背景はまだ明らかになっていないが、現段階の情報を元に考察をしてみたい。

●「計画」を実行させたものはなにか?

 母親の急死と父親の再婚を経て、加害少女はマンションで一人暮らしをしていた。そのマンションに被害生徒を自分から「会いたい」を呼び寄せている。凶器も事前に買っていたことから計画的だったと見られている。

 親や友人を殺したいと思った少年少女の取材をしたことがある。実際には実行しないが、事前に凶器を買っていたケースもあった。話を聞くと、凶器を購入し計画する行為と、計画通りに殺害する行為は別だ。実行前に「怖い」という気持ちや「迷惑をかけたくない」といった感情が生まれたりする。「勇気がなかった」と言っていた少年もいた。

 計画通りに実行した理由はいったい何か。一般に殺人の加害者と被害者は顔見知りの場合が多い。10年前の佐世保小6同級生殺害も仲良しのグループのメンバーだった。今回は加害生徒が一学期に3日しか行っていないものの、何度も被害生徒と会っている。「特別仲がいいわけではない」(学校関係者)が、加害生徒にとっては、会える友だちとして特別な存在だった。

 二人に何があったのか。あるいは何もないが、犯行に及んだのか。97年の神戸連続児童殺傷事件では、特に関係があるわけじゃない小学4年生の女児を金槌のようなもので殴りつけ、逃走している。女児が殺害される明確な理由はなかった。今回も明確な理由がない可能性もある。

●首を切断

 首を切断した少年事件で思い出すのは、1969年の高校一年生の男子生徒が同級生を殺害した事件、1997年の神戸連続児童殺傷事件、2007年の会津若松市で母親を殺害した事件、同年、京田辺市で父親を殺害した事件など、いくつかある。このうち、神戸連続児童殺傷事件では、弟の同級生で「仲良し学級」にいた小学5年生の男児を誘い出し、殺害した。加害少年は「人を殺したい」と思っていた。殺害した翌日、男児の首を切断する。

 さあゲームの始まりです

 愚鈍な警察諸君

 ボクを止めてみたまえ

 ボクは殺しが愉快でたまらない

 人の死が見たくて見たくてしょうがない

 汚い野菜共には死の制裁を

 積年の大怨に流血の裁きを

 そして上記の犯行声明を書き上げ、殺害から3日後、男児の頭部を中学校の校門前に遺棄している。加害少年は「現実に人間の首を切っていると思うと、エキサイティングな気持ちになった」と供述している。善悪の判断がないばかりか、むしろ冷静だ。しかも性的な興奮を覚えている。

 また、1969年の同級生殺害の加害生徒は、精神鑑定の中で、首を切断したことについてこう答えている。(最高裁判所事務総局家庭局『家庭裁判月報』 昭和45年7月号(第22巻7号)

「彼が起きてきてこっちがやられるのではないかとこわかったから。けんかでせきを切って殴り始めたら止められなくなるでしょう。それを......」

 つまり、この少年にとっては首切断は生き返りの阻止のためだったのだ。

 2007年の京田辺市で父親を殺害した少女は、「父親の女性関係に数年前から疑問を抱いていた。ギロチンにしようと思った」と供述していた。いわば、首切断までが一連の殺害であり、処刑だったのだ。

 今回は道具を事前に準備していたというが、07年の会津若松で母親を殺害し、首を切断した事件でも加害少年はノコギリを事前に準備していた。

 首を切断するなどのバラバラ事件の場合、ほとんどが証拠隠滅が目的だと言われている。しかし、今回の事件では目的は何かというのは明らかではない。「解剖したかった」というが、なぜ、首と左手首の切断と、体を傷つけただけで終わったのか。解剖途中で警察が来てしまったのか。まだ真相は闇の中だ。

Written by 渋井哲也

Photo by Rachel.Adams

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