タレント・ふかわりょうさんの「ストーカー裁判」の一部始終 女性は「ふかわさんは神様のような存在でした」
TABLO / 2019年10月30日 15時37分
佐分利彩(41歳)は2年程前からタレントのふかわりょうさんにストーカー行為を繰り返していました。彼の出演するイベントに参加しその会場で彼に抱きついて追い出されたり、自宅近辺で待ち伏せをしたりしていたようです。
令和元年7月18日には車でやって来るふかわさんを路上で待ち伏せし、車から降りてきた彼の右腕を掴むと
「私のことを変な人だと思っているかぎり放さない」
等と言いながら100メートル以上に渡って付きまとっています。この際にマネージャーが警察に通報し、彼女は警察から
「もう二度と近づかないように」
という警告を受けました。
そのわずか2週間後のことです。同年8月1日、マネージャーはテレビ局前路上で待ち伏せをしていた彼女を発見します。マネージャーはすぐに警察に通報し彼女はストーカー規制法で逮捕されました。
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「ふかわさんは私のことを好きだと思いこんでいました。それで、好意に応えようと思って…」
何故ストーカー行為をしてしまったか問われた時の彼女の答えです。以前お笑い芸人をやっていた彼女は元々ふかわさんのファンでした。
「そもそも好きになったのは面白かったからです」
この時点なら普通のファンの1人です。しかし少しずつ彼女の歯車は狂っていきました。
「DJイベントなんかだとみんなお酒呑むじゃないですか。私も呑んでてそれでうたた寝しちゃって、目覚めたらふかわさんが隣にいたりするような、そんなことが何度かあってもしかしたら好かれてるのかも、と思うようになりました」
「脈があるかもって思ったらどんどん舞い上がっていってしまいました」
「いける、と思ってからはふかわさんの全部がよく見えてくるようになりました」
そして最終的には
「ふかわさんは神様のような存在でした」
と思うようになり、同時に彼に好かれてると思いこむようになりました。
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「ふかわさんが一番大事でした」
逮捕後、原宿警察署の留置場で彼女は現実と向かい合うことになりました。
「好かれてると信じていました。留置場に入れられても嫌われているとは理解できなかったです。もし嫌われているって認めたら…死んでしまうって思ってました」
面会に来てくれたりカウンセリングを勧める母のことも拒絶していました。
「ふかわさんに嫌われてるって思ったら死んじゃうので…そちらの方向に私を持っていこうとする人は全部シャットアウトしてました。命を守るために思いこみ続けました」
しかし両手に嵌められた手錠を見つめ、留置場の狭い部屋を見渡す日々の中で少しずつ彼女の心は動いていきました。もちろん、嫌われていると認めたら死んでしまうとまで思っていた彼女にとってそれはとても大きな痛みを伴うことだったと思います。
「好かれてないということ、相手が警察に言ってこうなったっていう過程を見つめるのは辛かったです」
と言いながらも現実に向き合いはじめました。
「留置場も拘置所も本当に辛くて、好きなのに自分をこういう状況にするわけがないと思うようになっていきました」
「よく考えたら人として接してもらったことって一度もなくて、バカにされてたのかなって…。はじめから嫌いだったのかなって…」
わずか20分の面会のために週に3回も留置場に通ってきてくれていた母との接見を拒むこともなくなっていきました。
「以前はふかわさんが一番大事でした。ふかわさんがいなくなって、『もう一生留置場でもいいや』って思うぐらい落ちてて。でも母のためにも自分のためにも外に出て頑張りたいって思うようになって、元気になって感謝して恩返ししたいです」
と今後の展望について証言している彼女の表情は事件について話している時よりも晴れやかなものに見えました。
被害者のふかわさんに対しては、
「よっぽど気持ち悪くて不快だったんだと思います。なくしたい記憶だと思うし申し訳なかったです。もう一切関わらないようにします」
「ふかわさんのことを考えると悲しいし、もう忘れたい」
と現在は思っているようです。
「まだふかわさんのことが好きですか?」
そう検察官に問われて彼女はためらうことなく即答しました。
「好きではないです」
(取材・文◎鈴木孔明)
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