みかじめ料5万円を脅し取った指定暴力団幹部容疑者 追い込まれたヤクザが見せた“決意”

TABLO / 2019年11月6日 10時4分

いまだに「みかじめ料」から抜け出せない店は多くあるのではないか(写真はイメージです)

やはりと言うべきだろう。暴力団対策の迷走により、日本の治安悪化に拍車がかかっている。それを象徴するような事件が立て続けに起こった。そのひとつは、10月28日までに警視庁組織犯罪4課に恐喝容疑で逮捕された、指定暴力団住吉会系組幹部H容疑者(50)による「みかじめ」強要事件だ。

10月28日の時事通信によれば、H容疑者は今年8月から9月にかけて豊島区内の歩道上で、43歳の風俗店オーナーの男性からみかじめ料名目で5万円を脅し取った。そして、ここが問題なのだがオーナー男性は支払いをしたあと、都の改正暴力団排除条例が記載されたチラシをたてに以降の支払いを拒否する。しかし、H容疑者は「払っていると警察に言わなければいいだけだ。次もちゃんと持ってこい」と強要したというのだ。

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ここでわかるのは、暴力団側が“伝統的”に付き合いがある店に対して、法令を犯しても(店側も罰せられる)支払いの継続を求める決意を持っていることだ。事件は今夏に起こっているが、比較的単純な暴力団犯罪の裏付けがここまでかかったということは、被害者にもなんらかの逡巡があったのではあるまいか。

本サイトでも指摘したが、この条例改正で一番悩ましい立場に陥るのが、店側(被害者側)である。そうならない為には警視庁の守護と覚悟が必要と書いた。この事件が比較的大きくマスコミに取り上げられたのは、警視庁の「守護となる」アピールに一役買う必要があったのかもしれない。

しかし、それにもかかわらず、暴力団側は、「払っていると警察に言わなければいいだけだ。次もちゃんと持ってこい」とみかじめを継続した。これは、暴力団の現状からみると、前に述べた決意、あるいは強い意志を感じる。彼らも、そこまで追い込まれているのであろう。

そんな暴力団の現状を留意しつつ注視したいのが、今年7月、兵庫県尼崎市の路上で知人男性ら2人を殺害しようとした容疑で、10月30日、兵庫県警捜査1課などに逮捕されたH容疑者(24)ら計10人の半グレ集団による事件だ。

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H容疑者らは、22歳と21歳の被害者を車ではねる、バールで胸を突き刺すなど常軌を逸した暴力性で痛めつけ、それを放置したまま立ち去ったという。命が助かったのが奇跡的とも言える。主犯格であるH容疑者(上記のHとは別人)は阪神間で活動する半グレ集団のリーダー格だったというが、問題は一部報道にあった加害者と被害者の間に“野球賭博”を巡る金銭トラブルがあったということだ。

野球賭博と言えば、かつては山口組系組織であった(初代)竹中組が有名なように本職のシノギである。これを半グレが行っているとしたら、半グレが本職のシノギにまで拡大したのか、または本職のケツ持ちがいるのかのどちらかだろう。いずれにしても、暴対法・暴排条例で暴力団、つまりヤクザを締めあげたことが遠因にあり、よりグレーな存在である半グレの跋扈を許した……とも言える。

前のみかじめを巡る事件もそうだが、ひとつだけ言えることは、警察の暴対法・暴排条例を作れば治安が良くなるという思惑は、残念ながらその通りにはなっていない。いや、むしろグレーに陰湿に、潜航マフィア化が顕著になっている。率直に言ってこのままでは、伝統的暴力=ヤクザ必要悪論すら出かねない状況だ。(文◎鈴木光司)

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