「全裸流出」の素朴な疑問...なぜセレブはヌードを自撮り？ プチ鹿島の『余計な下世話！』vol.60

 

　ジェニファー・ローレンスら、ハリウッド有名女優たちの「全裸画像流出」で大騒ぎになった先週。

　当初は「iCloud」のシステムの不具合か？ とも言われたが、米アップル（Apple）は、流出は特定の芸能人のパスワードやユーザーネームを狙った攻撃が原因だと声明を出した。この問題ではFBI（米連邦捜査局）まで捜査を開始したと報道されている。一日も早く犯人を見つけてほしい。許されぬ行為だ。

　さて、お堅い新聞なら上記の書き方で終わりだろう。しかし、しかし、何か大事なことを忘れてないか？ 読者が知りたいのはもっとほかにある。

　それは、「なぜアメリカのセレブはわざわざヌード写真を撮るのか」だろう。原因追及なんて二の次だ！ この素朴で下世話な疑問。庶民の最大の疑問。聞けば聞くほどみんなヌードやらスケベな写真を撮っているというではないか。衝撃。

　なぜ、メディアはこの疑問を追わないのだ。そう思っていたら東スポが9月3日に記事にした。

《「全裸流出」なぜ米女優は恥ずかしい写真を撮る？》

　その理由を「米国事情通」のコメントをもとに書いている。ポイントをまとめてみよう。

・写真を撮るとき、米国人は自分の画像が中心で、風景は二の次。

・米国女性はビーチでトップレスになる。裸に慣れている。しかも米国では数年前から、女性たちの間で、自分の裸や下着姿の画像を"プレゼント"として夫や恋人に送ることがはやっている。

・特にプライドの塊であるセレブの自信満々さは一般人の数十倍。

　おわかりだろうか。裸に慣れたアメリカでは、なおさら己の肉体にプライドを持つセレブが裸の写真を撮ることは当然という結論だった。東スポ最高だ、ありがとう。

　さて注目したいのはここからだ。

　なんと「日刊ゲンダイ」もまったく同じ疑問を投げかけていたのだ。東スポと同じ日に！

《なぜヌードを自分撮り？ セレブ女優画像流出の素朴な疑問》

　この見出しのあとにこう書く。

《最大の疑問は「セレブ女優って、なぜこうもやすやすと自分のヌード写真やエッチ画像を撮っちゃうのか」ということだ。》

　ゲンダイ最高だ、ありがとう。オヤジの素朴で最大の疑問がここでも炸裂！

　で、ゲンダイも事情通のコメントを利用している。《ブログ「海外ニュース雑記帳」でセレブのゴシップを数多くフォローしているライターの鈴木満彦さんが、疑問にこう答えてくれた。》

　引用してみよう。

《「セレブたちは、高級リゾートのビーチでもトップレスになるし、自分の美しさやセクシーさには絶対の自信を持っているため、仕事以外で裸になることに対する抵抗感は、日本人が考えるよりずっと少ない。だから、秘密めいた遊びとして、スマートフォンを使った自分撮りヌードも平気でやっちゃうのです。女優は見られてナンボという心理も、どこかにあるのでしょう」》

　おお、先ほどの東スポの疑問の結論とほぼ同じ！ オヤジジャーナル最高だ、ありがとう。同時多発「下世話」流出！

　この二紙のおかげで我々は「アメリカのセレブは自分に絶対の自信があるからこそ裸の写真も撮る」という事実を学ぶことができた。それならアイス・バケツ・チャレンジのように日本の自称セレブたちも後を追うべきではないか。

　以上、素朴な疑問にちゃんと応えてくれた庶民の味方・二紙の楽しい全裸報道でした。

Written by プチ鹿島

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プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ！」◆YBSラジオ「はみだし　しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2～時事芸人～」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」