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逸ノ城「百年に1人の逸材」に立ちはだかる見えない壁

TABLO / 2014年9月27日 16時0分

逸ノ城「百年に1人の逸材」に立ちはだかる見えない壁

 新入幕したばかりの東前頭10枚目の逸ノ城(21=湊部屋)の快進撃が止まらない。両国国技館の大相撲秋場所13日目では、横綱鶴竜(29)を破り、史上初の「ザンバラ髪での金星」を、いとも簡単に手に入れた。新入幕金星獲得は73年秋場所の大錦以来の快挙で、初土俵から5場所目は武双山の7場所を2場所更新する記録づくめとなった。

「相撲記者の間では知られた存在でしたが、新入幕でここまでやるとは正直想像できなかった。将来の横綱は確実といわれ、同じく期待される遠藤とは"レベルが違う"という評価です」(在京スポーツ紙記者)

 本日14日目は横綱白鵬と1敗対決がある。この大一番で金星を奪えば、1914年(大正3年)5月場所の両国以来、100年ぶりの「新入幕優勝」が現実のものとなる。もはや飛ぶ鳥を落とす勢いの逸ノ城だが、そこには大きく立ちはだかる壁が存在するようだ。

「本来ならスポーツ紙の1面を連日飾るほどの大活躍なんですが、逸ノ城がモンゴル出身という点がネックになっている。コアな相撲ファンはいざしらず、ライトなファンは『モンゴル出身の強豪』というキーワードに食傷気味。これだけの偉業を打ちたてているにも関わらず、世間の反応はイマイチといった空気です」(前出・スポーツ紙記者)

 身長192センチ、体重199キロの巨漢にも関わらず、横綱、大関相手に落ち着き払い、立ち会いでは変化を見せるなど相撲センスも十分。逸ノ城による新入幕での快進撃は、プロ野球の北海道日本ハムファイターズ・大谷翔平(20)、Jリーグの東京FC・武藤嘉紀(22)らを凌ぐ偉業といっていいが、世間の関心がそこまで高まっているとも思えない。国籍の壁を乗り越えて日本人の関心を集めることができるのか。運命の横綱白鵬との一番から目が離せない。

Written by 内村塩次郎

Photo by wikipedeiaより

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