安倍内閣の女性閣僚がヤバすぎて社会問題を悪化させる懸念
TABLO / 2014年10月3日 20時15分
過去に金儲けの言い訳として「○○女子」という単語がいくつも生み出されたが、近頃は「やらみそ女子」という単語を流行らせようとしているようだ。
こんな嫌味ったらしい書き出しでなんだが、実はこの 「やらみそ女子」 の問題は、現在の少子化や晩婚化の核であるとも言える重要なテーマである。
では「やらみそ女子」がいったい何かと言うと、早い話が「30歳を過ぎても処女のままの女性」を指している。 30過ぎの女性に「女子」を名乗られると実にモヤモヤするが、そこをつつくと本題からかけ離れるので流しておこう。
厚生労働省の調査結果によると、今現在30才以上の女性の3割が処女なのだという。アンケート調査の結果なので、中には適当に答えている人がいるのかもしれないが、それを踏まえて考えてみても予想以上の割り合いである。
どうしてこのような結果が出てしまうのかというと、実はこれには確固たる理由があり、日本人がこれまでの価値観を捨てて社会を作り変えない限り、決して解決しない大問題なのだ。
彼女いわく、今の日本は女性が安全かつ健全に子供から大人へと成長し、自立し、生活していく事が非常に難しいという。 その理由を彼女はこう語っている。
・~小中学生まで
「日本て、子供に対してとにかく性・セックスをタブーとして教えるでしょう? そうすると性の問題やセックスにまつわる注意点なんかを知らないまま身体だけオトナになってしまうんです。 女の子の身体がセックスできるまで成長したら、本人にその気がなくても勝手に男性が寄ってくるじゃないですか。そうすると本人には全然性の知識がないままなのに、何らかの対処をしなければならなくなる。 今の子は成長が早いと言われてますから、早い子だと小学校の高学年くらいになったらセックスできる身体になってしまいます。でも正しい避妊の方法、コンドームの使い方、性病の知識なんか誰も教えてあげない。それってとても危険ですよね?」
・高校生~大学生
「また、今って法律でセックスが許される年齢って18歳でしょう? それより前にセックスするしないは別として、とりあえず17歳まではセックスってタブーになっています。その年齢がどういう時期かというと、高校を卒業するタイミングです。 高校を卒業して大学への進学をどうするかという時期まで、法律でセックスが禁じられているわけ。で、仮に女の子が大学へ進学するか、高卒で働き出したとしましょう。 将来の目標があって頑張ろうという子からしたら、新しい場所で勉強や仕事を覚えるのに精一杯になっちゃって、自発的に性の問題を勉強しておこうなんて余裕のある子は殆どいないでしょう。結局このタイミングでも正しい性知識、それも生きた情報は得られないんです。それなのに男性との接触の機会だけ増えてしまう」
・社会人
「さて、それで20代も半ばになって、女性が自分の稼ぎで生活できるくらいになったとしましょう。 そこで突然プレッシャーがかかるの。 女は子供を産むのにタイムリミットがあるから早く結婚しろとか、相手を探せとか。それ以前にまともな性知識がないというのに、それを飛ばしていきなり結婚や出産を突き付けられるんです。これって健全ではないですよね?」
・性教育に対する勘違い
「女性は男性と比べてタイムリミットが厳しいのは事実なのだから、ならば10代の内から自分の人生設計ができるように、セックスや性の問題について、教えられる限りのことを教えるべきじゃないですか? 性教育っていうと、どうしても避妊や性病予防の話ばかりに注目が集まりますけど、本当はセックスの先にある妊娠・出産も含んだ、今後の人生をどうするかという情報を与え、考えさせる場なんです。 なのにマトモな性教育が行われていないのですから、少子化や晩婚化は当たり前でしょう」
以上はこの記事のために水嶋氏にインタビューした訳ではなく、過去の放送中の彼女の発言を私が繋ぎ合わせたものであるとお断りしておく。
セックスワーカーとして、また様々な性の問題に現場主義を貫いて取り組んでいる人間として、水嶋氏の発言の内容はどこぞの大学教授などよりも遥かに重く、また真実を突いていると思う。
今の日本社会では、女性はセックスをタブーと叩き込まれ、必要な最低限の知識すら得られず、社会に出た途端に結婚・出産の圧力を掛けられる。これでは人生の目標を持って生きている女性ほど「気付けば男性と付き合う機会もなく30歳になっていた!」なんて事になっても全く不思議ではない。
ところが、少子化解決や子育て支援を目標に掲げている現政府が何をしたかというと、水嶋氏の指摘する問題点をすべて悪化させかねない人物ばかりを要職に就けたのだ。少し前に話題になった山谷えり子、高市早苗、稲田朋美、有村治子といった女性閣僚がそれである。
特に拉致問題担当相に就任した山谷えり子など、2005年に「自民党 過激な性教育・ジェンダーフリー教育 実態調査プロジェクトチーム」の事務局長を務めていた時代に、一部の学校で実験的に行われていた「一歩踏み込んだ性教育」 を徹底的に批判し、潰してしまった人物である。 ちなみにこのプロジェクトチームの座長は安倍晋三なので、この人選がいかなる結果を招くか想像は容易いだろう。
ちなみに、上記のプロジェクトチームがなぜ発足したかというと、知的障害を持った児童に対する性教育の内容が過激・不適切だとして、東京都教育委員会が処分を行った事件に起因している。(七生養護学校事件)
大事な話なので少々説明させていただくが、この養護学校は、在校生の女生徒が男子生徒と性行為をしてしまった問題を受けて、保護者らとの協議の結果、独自の性教育プログラムを行うこととなった。 その内容は、まず男性器や女性器の名称を歌に盛り込み、それを歌わせることで男女の身体の仕組みの違いを認識させ、そこから先の覚えておかねばならない性知識を教えて行くといったもの。 これを視察した政治家たちは「世間の常識からかけ離れた異常な教育だ!」と大騒ぎし、都知事だった石原慎太郎などは「異常な教育を行う教師がいたもんだ」といった発言をした。
ところが、この養護学校の生徒は障害児である。非常に言葉が悪くなってしまうが、まともな教え方が通用しない相手に、自分の身を守るため、安全・健全に生活するための知識を覚えさせようと思ったら、世間の常識とはかけ離れた内容にもなるだろう。この養護学校のプログラムは、性器の覚え歌も含め、他にどうする事もできないから苦肉の策として生まれたものだったのだ。現場で戦っていた教師達は、教師としての務めを、そして生徒の人生に対する責任を、立派に果たそうとしていたと言えるだろう。
それを当時の政治家達が、現場の苦しみも知らずに寄ってたかって「異常だ!」「狂ってる!」「人権侵害だ!」と叩き潰してしまった。この一件のお陰で、障害者の性は日本社会の中でタブー視されてしまい、今に至るまで様々な問題が生じている。「いったい人権侵害しているのはどちらなのだ?」と言わせていただきたい。
さて、先の山谷えり子以外の女性閣僚も、大なり小なり問題を抱えている。 総じて言えるのは、揃いも揃って考え方が古く「今の時代の女性の人生」についてマトモに考えていないという点だ。彼女達の過去の言動をまとめてみると、女性は家にいるべきで、子供は絶対に母乳で育てねばならず、男性から多少のDVを受けても我慢し、聖女として過ごさねばならないらしい。
「女性の神聖化」 といえば聞こえはいいが、今の時代は昔と違って共働きが当たり前で、結婚しても奥さんも働かないと生活して行けない家庭が多い。旦那さんの稼ぎだけで老後まで安心して生きていけるならば問題なかろうが、ごく普通の庶民は共働きしても老人になるまで金銭問題に悩まされずに生きていけるか怪しいものだ。 これが現実なのに、現政権の政治家様達はそれが全く理解できていない。 先の養護学校の話と同様に、現場の実情を知らなすぎる上に、自分の偏った思想を優先してしまっているのだ。
仮に安倍内閣の5人の女性閣僚の思想通りに生きていける女性がいるとしたら、それは裕福な家に生まれ育ったほんの一握りのおセレブ様だけだ。結局のところ、そういった上流社会の女性以外は女性として見ていないのであろう。 パンが無いならケーキを食べればいいじゃない、というヤツだ。
今後はこのような人間達が様々な女性問題に対してナタを振るうことが予想されるので、日本の少子化や晩婚化といった問題の解決は不可能である。「日本人を増やす努力」をしていないのだから、日に日に日本人が減って行くのは当たり前だ。 そのクセ移民でも何でも入れて数字の辻褄だけ合わせようというのだから目もあてられない。
安倍内閣を「愛国内閣」と呼ぶ連中が少なからずいるのだが、日本人を減らし続けることが、果たして日本を愛する人間のやる事なのだろうか?
Written by 荒井禎雄
photo by pasuay@incendo
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