御嶽山に続く巨大噴火はロシアンルーレットの可能性!? プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.64

東京ブレイキングニュース / 2014年10月7日 19時30分

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 戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火。

 私はマグマ学者の話を思い出した。去年7月に「地震と噴火は必ず起こる」(新潮選書)の著者であり神戸大学大学院理学研究科教授の巽好幸(たつみよしゆき)氏とイベントで対談したのだ。

 教授は身長が193センチでスキンヘッドというド迫力。その一方で自分の仕事を誰にでも易しく伝えたいという思いがあるのだろう、パワポを駆使してわかりやすく話をしてくれた。

 まず「活火山」「休火山」「死火山」という語彙はもはや死語であるということ。この用語はもう使ってはならないという。きっかけとなったのは、まさに御嶽山が1968年から活発な噴気活動を始めたから。

「活火山の定義」の変化にも驚いた。気象庁は1991年から《過去2000年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山》に定義を変更したのだが、さらに2003年からは《概ね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山》に変更した。「2000年以内」から「1万年以内」へ。過去2000年という「有史時代」のデータが全く意味を持たないことが判ったからだ。

 教授と話をして思ったのはこういう「長いスパン」で研究している人は、どこか淡々としているということだ。たとえば「富士山は噴火するのか」という我々素人のわかりやすい質問には「活火山なので当然噴火します」とあっさり。そして「いつ噴火するかはわかりません」。決して煽らない。

 それより「もっと大変な事実がある」と教授が資料を出したのが「もし九州で巨大噴火が起きたら」という過去のデータをもとにした予想図だった。

 これが驚いた。

 というのは、過去のデータを見ると「日本列島で起きた巨大噴火」は約5500年周期で起こってきたのだが、最も直近は今から7300年前の九州南方沖での「鬼界アカホヤ超巨大噴火」以来、発生していないのだという。

 これは何を意味するのか?

 5500年周期に発生していたものが7300年間何もないのである。つまり「約2000年、奇跡的に何もなく現在がある」という状態なのだ。

 教授はこの状況をロシアンルーレットに例えていた。年が過ぎるごとに「当たる」確率が高くなっていく。これは誰でもわかる理屈だろう。

『火砕流で全て焼き尽くされる領域には1000万人以上の人口がある。日本喪失以外なにものでもない』(「地震と噴火は必ず起こる」新潮選書)

『仮に今、超巨大噴火が九州南部で発生したとする。この地域は、これまでに最も頻繁にこのタイプの噴火を繰り返してきた場所である。このクラスの噴火では、一両日の内に日本列島に降灰が及び、北海道を除く地域では10センチメートル以上の火山灰が降り積もる。この範囲に暮らす1億人以上の人々は、一瞬にして日常生活を失うことになるであろう』(「同」)

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