日本AV男優協会、突如解散を表明のウラ事情
TABLO / 2014年10月9日 21時20分
![日本AV男優協会、突如解散を表明のウラ事情](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/knuckles/knuckles_1745_0-small.jpg)
性病の予防や業界の改善などを目的として設立された 『日本AV男優協会』が、突如解散を表明した。現時点ですでにオフィシャルサイトは削除されている。この協会にはベテランのAV男優を含め数十名が登録しており、日本のAV業界では珍しい試みとして注目されていたのだが、誕生から1年持たずの解散となってしまった。
オフィシャルサイトには解散理由などが書かれておらず、ただ 『2014年10月8日をもちまして、当協会は解散しました。活動を支援して下さいました皆様、ありがとうございました。 一同 』と書かれているのみ。関係者らがTwitterなどで「性病の認知など主目的は達成できたから」などと言ってはいるものの、いずれも解散理由として納得のできる内容ではない。
思い出してみれば、この男優協会については過去に一度だけ記事にさせていただいた事があるのだが、その時もかなり批判的な書き方になってしまった。
『JC淫行で逮捕のAV男優を擁護するAV業界人の浅はかさ』
http://n-knuckles.com/serialization/series/news001461.html
これは、男優の沢井亮が未成年者との淫行が発覚して逮捕されたものの、男優協会のメンバーらが批判するどころか揃って擁護してしまった件について書いた記事である。男優協会の設立目的を考えたら、彼らはこの時に誰よりも厳しく沢井亮を批判せねばならなかったはずである。それが出来なかった時点で、遅かれ早かれこういう結果になる事は目に見えていた。
性病の認知や、業界内で横行している理不尽な暴力・恫喝などを改善するための活動は絶対に必要だろう。だからこそ、まずは「世間に見捨てられないように己を律する」ことが何より大事だったのだ。性病はともかくとして、業界内での暴力沙汰や恫喝騒ぎが表面化した際に、男優側に問題があったら誰も庇ってはくれない。それを無理に擁護しようとすれば、ますます "AV男優"という職業に悪いイメージが付いてしまう。それを防ぐために「所属するAV男優達に最低限のモラルを植え付ける」ことも、男優協会がヤラねばならない活動内容だったのではなかろうか?
だがしかし、沢井亮の淫行事件などの辺りから、男優協会は「ウチは性病検査の重要性を認知させるためだけの組織です」といった言い訳をし始めた。いつの間にか当初様々な媒体で話をしていた「業界内での暴力行為などのトラブルに対処するため~」といった言葉が消えてしまったのだ。ところが、これもこれで全く話が通らない。
というのも、男優協会は沢井亮の事件が発覚した直後に、沢井の名前を協会のオフィシャルページから消しているのだ。もし男優協会が性病検査のための団体だというならば、この処置には少々疑問が残る。例えば「沢井が性病検査を拒否した」のであれば、性病検査団体として処罰する理由にもなろう。しかしそうではなく、沢井亮の人格・品格を問題として処分を行ったのだから、「男優協会には性病うんぬん以外の価値観がある」という事になる。男優の品格や地位、またはその管理も活動内容に含まれているからこその処分だったと考えねばなるまい。
また、そもそも男優協会に入るための条件にもそれ以上に大きな疑問を感じてしまう。実は男優協会に加入するには、活動実績(年数や出演本数など)が必要だったのだ。もし男優協会が性病検査の重要性を説きたいのであれば、ベテラン男優しか加入できない組織にする必要があったのだろうか? 業界で長く活動している男優であれば、協会に言われなくとも自分で性病の検査くらい受けるだろう。むしろ協会による性病検査の啓蒙が必要なのは、キャリアのない新人男優だったはずである。こうした面から見ても、男優協会とは、単に特定のベテラン男優達の既得権益を守るためだけの組織だったのではないかという疑いが生じてしまうのだ。
このように団体の設立目的や活動目的からして何かある度にコロコロ変わるようでは、ダブルスタンダードというより前に、協会が存在する意味そのものが解らない。沢井の淫行事件の際のグダグダも酷かったが、その後の対応や言動のあやふやさはそれ以上に酷かった。選択が必要な場面で常に下策を選び続けたかのような有り様だ。
現在、男優協会の解散理由について、業界内でも確かな事が解らず情報が錯綜しているが、ひとつ言えることは、協会のこうした「何がしたいの?」という点が不明瞭すぎた点も、解散にまで追い込まれた要因のひとつと言えるだろう。なんせイベント予定などが決まっていたにもかかわらずの解散なのだから、「何かあった」と考えるよりほかない。
「味方を庇う」ことが全てではないし、庇ってしまったが故により大きな問題が起きる可能性もある。
今回の意味の解らない解散劇を表現するなら、この一行でこと足りる。
Written by 荒井禎雄
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