沖縄土着の霊能者「ユタ」が有名女優の命を救った衝撃エピソード
TABLO / 2014年10月20日 10時13分
東京ブレイキングニュースにはインチキや詐欺商売の類を批判する記事を寄稿することが多いのだが、世の中にはオカルト的であっても簡単にインチキとぶった斬れない不思議な現象・存在もある。
はじめに言っておくが、私はどちらかというと実証主義に偏っており、霊能者・霊媒師・占い師・風水師......その他諸々と言われるとまず疑う。そんな肩書で商売している輩を見かけたら、例外なく手品師と詐欺師の合わせ技だと考えてアラを探す。
だがそんな私でも、ごく僅かではあるが過去に何人か認めるしかなかった人物がいた。その中のひとりが、今回取り上げる沖縄のユタ(以下A氏)だ。
ユタとは、簡単に言うと沖縄のシャーマン的存在。沖縄出身の知人達に聞いてみたところ、複数名から「人生の節目(就学・就職など)にお祖母ちゃんにユタの所に連れて行かれた」という答えが返って来たので、単なる昔の風習ではなく、今も "生きている" もののようだ。(ただしユタを毛嫌いするひとも多く、沖縄人が皆ユタを信じているという訳ではない)
A氏とは沖縄で映像撮影のコーディネーターをやっている共通の知人を通して知り合ったのだが、ある時彼がコーディネーターに対して「今度海でなにか撮るでしょ? 事故が起きるから止めな」と言い出したのだ。
しかし映像撮影の仕事はスケジュールがカッチリ決められてしまうものなので、ユタにそんな事を言われたからといって取り止めに出来る訳がない。当然のごとくコーディネーターが「相手がいる話なので、今からじゃ中止にも延期にも出来ない」と言うと、A氏は「じゃあ撮影に使う船をお祓いするから手配して。何もしないと死人が出るから」と言って聞かなかった。
A氏が何事か言い当てる確率の高さを知っているコーディネーターは、渋々船を用意し、撮影に参加するスタッフも可能な範囲で呼び集めた。そこでA氏は「撮影中にこの船が海の真ん中で火を吹いて沈没します」と言い出し、「その事故自体は防げないと思うので、このお守りを肌身離さず持っているように。船にトラブルが起きたら、荷物も何も置き去りにして甲板に出て助けを呼んで。それを守ってくれれば大したケガ人は出ないけど、荷物を惜しんだら死人が出るよ」と指示を出した。
そして撮影当日、A氏の言葉そのままに船にアクシデントが起こり、あれよあれよという間に火柱を上げて沈没したのだが、乗組員は偶然すぐ近くを通りかかった別の船に救助され、船長が軽い火傷をした程度で済んだのだ。
その事故を報じたニュースが下記である。
◇◇◇
愛染恭子、九死に一生!! 乗っていた船が炎上、沈没!!
エロスの女王・愛染恭子(52)のヌード引退記念映画「奴隷船」(団鬼六原作、金田敬監督)が6日公開され、愛染は東京・銀座シネパトスで、初日の舞台あいさつに登場。今月1日に沖縄でボートの炎上・沈没事故に遭い、九死に一生を得た経験を明かした。間一髪、他船に救助されてケガはなかったが、悪くすれば"引退作"が"遺作"になっていた可能性もあったという。
(中略)
1日午前10時10分ごろ、沖縄県の竹富島(竹富町)の南西4キロ沖で「船の火災が発生し、乗客乗員を救助した」と、付近を航行中の旅客船から118番があった。
火災を起こしたのはプレジャーボート「くいぬぱな」(全長13.9メートル、12トン)で、約2時間後に転覆し鎮火。乗客乗員計10人のうち、船長が右腕に軽いやけどを負った。
(中日スポーツ2010年3月7日の紙面から)
◇◇◇
上述のコーディネーターは、この愛染恭子さんの撮影に関わっており、スタッフとして船に乗り込んでいた。事故発生時に船内に財布や貴重品を取りに戻ろうとも考えたそうだが、A氏の「船内に戻ったら死ぬよ」という言葉が頭から離れず、甲板から動けなかったそうだ。すると、たまたますぐ近くを航行していたフェリーが横付けしてくれ、スタッフらがそれに乗り移った途端に船が爆発して転覆したらしい。
コーディネーターいわく「船室に戻って荷物をまとめたりしていたら外に出られたかどうか解らない。おそらく爆発に巻き込まれていたと思う。火が出たと解ってから沈没まで数分もかからなかった」という。これは当時のニュースでも報じられていた内容なので概ね間違いはないだろう。
ちなみに、海上保安庁に救助要請していたとしても、事故発生から沈没まで時間がなさすぎ、絶対に救助は間に合わなかったそうだ。 "たまたまフェリーが通りかかる" という偶然がなければどうなっていたことかと、当時船に乗っていたスタッフらは口を揃えて言っている。
また、私がA氏とコーディネーターとのやり取りを聞いたのは撮影の前(事故前)なので、事故が起きたから後付けであれこれ言っているという訳ではない。A氏は事前にこの事故をまるで見てきたかのように言い当て、船にお祓いをしたのだ。
蛇足かも知れないが、この時のA氏は知人へのおせっかいで "勝手に見た" だけなので、金品などの要求はしていない。よって脅かして金をせしめるような、オカルト系詐欺師がよくやる手口ではないと断言できる。
果たしてこの一件はいったい何だったのだろうか?
ただし、ユタを名乗る人間が誰しもこのような「本当に見えちゃってると考えないと辻褄が合わないひと」ではないという点は覚えておいて欲しい。沖縄の人間に聞くと色々と聞けると思うが、明らかにインチキな自称ユタも大勢おり、度々問題になっているのだ。
これはユタに限らずだが、よく知らない霊能者に高額の料金を支払ったり、言われたことを鵜呑みにするのはあまりに危険である。今回紹介した一件のように、直接の友人関係が構築できていて、特に金品を請求される訳でもないという状況でもない限り、どんなに評判の良い霊能者であっても疑いの目を持っておくべきだ。私が知る限り、そのひとに本当に "何かある" のであれば、こちらがどんなに疑っても結果を出してくる。よくいる「私を信じてくれないと力を発揮できない」などとぬかす輩は大抵が偽物だと考えるべきだろう。
※次回このユタのA氏へのインタビューを掲載します。
Written by 荒井禎雄
Photo by Nelson Lourenço
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