【現地ルポ】香港民主化デモにCIA関与の可能性が浮上

東京ブレイキングニュース / 2014年11月10日 18時0分

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 香港政府も動いた。黎氏と議員らの間で政治資金の移動があったことは事実としても、それ自体は違法ではない。しかし、議員は一定額を超す資金を収受した場合、公開義務があるが、関係議員は公開していなかった。

 疑惑報道が過熱する中、香港の汚職事件を取り締まる廉政公署は8月28日、黎氏や民主派政党・工党の党首で立法会議員の李卓人氏の自宅などを家宅捜索した。李氏はただちに廉政公署の捜索を「白色テロ」と批判した。権力者が反対勢力に対して行う弾圧のことだ。

 サイモン氏の〝スパイ容疑〟はどうか。メディアは盛んに「CIAと関係」と書き立てたが、明確な証拠を示した例はない。本当にCIAならハッキングを3回も許すだろうか。サイモン氏はそう語ったが、真相は闇の中だ。また、ハッキングしたのが誰かも皆目不明だ。

 李氏は「捜索の時期から考えると、香港市民にあるメッセージを伝える意図があったと思える」と、李氏は英有力紙『フィナンシャル・タイムズ』の取材に答えている(8月29日付)。

 時期とはつまり、8月31日に予定された中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会による重大決定のことだ。香港政府トップの行政長官を選ぶ2017年の次回選挙から「普通選挙」に移行することは前から決まっていたが、細部は固まっていなかった。

 民主派は「真的普選」を要求、親中派は全人代決定に従うという立場だ。両派のいがみ合いがピークに達したタイミングで重大決定が発表されたことになる。

 果たして新華社が発表した全人代決定は、「行政長官は〝愛国愛港人士〟(中国を愛し、香港を愛する者)が担う原則は堅持されなければならない」「指名委員会は民主的手順によって、行政長官候補者を2名ないし3名指名するものとする」というものだった。事実上、民主派は立候補できないことを意味する。そんな方式を「普通選挙」と言い張る国は中国ぐらいだろう。

 民主化団体「和平占中(オキュパイ・セントラル)」は同日、全人代決定は「選挙参加に不合理な制限を設け、異なる党派が参加する権利を封殺するものだ」と反発、放置すれば「『欽点政治』(君主に都合の良い者をえり好みする政治)を延続させることになる」と危惧する声明を発表した。不満は充満し、9月下旬から1カ月以上続くデモに発展していく。

 筆者が香港入りした10月21日午後、香港政府庁舎がある金鐘。普段は渋滞が激しい往復8車線のコンノート・ロードにクルマは1台も走らず、「雨傘革命」に参加する何千人と風雨をしのぐテントが占拠していた。数キロメートル北の旺角でも目抜き通りのネイサン・ロードが占拠されている。デモ開始から24日目だ。

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