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【ヤクザのペット事情】組長の愛犬をイジメて破門になった男「躾のつもりだった」

TABLO / 2014年12月15日 16時0分

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 ある男が長年住み慣れた暴力団の組織を離れた。要は破門になったのだが、その理由が変わっていた。本人から電話があった。「オレ、破門になっちゃいましたよ」と第一声。

「何とかなるよ、今はこの世界は今、厳しいからちょうどいいよ」と慰めたのだが、話を聞いてみると、破門は、彼のとんでもない行いにあることが分かった。男は「うちのナナの件です」と言った。ナナ(仮名)とは、この組織の組長一家が飼うポメラニアン犬の名前である。

「いつもうちのオヤジ(組長)が朝来て、ナナを置いて行くんですよ。自分たちは散歩に連れて行ったり当番をしながら、犬の面倒を見てたんですよね。その生活がここ2~3年続いてて当番も凄く面倒臭くなってたんですよ」

 ここでの当番制度は、責任者が1人で後は通いの若い衆が2人担当する。

「朝、オヤジが来て、いつもの様にナナを置いて行くんですけど、オヤジが機嫌悪かっただけで八つ当たりされたんですよね。自分の事を凄く怒っていたんですよ。その内容がお前はろくでもない奴とかって」

 どこの社会も同じだ。裏社会にも口うるさいボスは存在する。いや、ヤクザの世界の理不尽さはどこよりも突出している。

「この犬は凄く人懐っこくて、すぐに足元に寄って来て遊んでくれ、のポーズするんですよ。自分もいつもだったら遊んでやるんですけど、その日は本当に理不尽な事で怒られて本当にむかついてて......」

 その後、彼はとんでもない行動に出る。なんとこの男は、理不尽な組長が可愛がっている愛犬ナナを「こいつはダメだ。オレがしっかり躾ないと」と思ったという。だが、みんなの見ている前で叩いたら、すぐに吠えてバレてしまう。

「だから、見えない所でイジメてやろうと思って、ドラム式の洗濯機に入れて回したんですよ。初めぐるぐる回ってその内に水が出て来て......。オレも殺すつもりはなかったので、ここらで許してやろうと思い途中で止めましたよ。自分はそこまで鬼ではないので」

 だが、ここまでさせられて、か弱い小型犬のポメラニアンが平気でいるはずがない。若い衆にはバレないで済んだものの、この日のナナはしばらく足取りがおぼつかず、全身の毛が抜けるなど異変が続いた。

「その日の夜9時に、オヤジが事務所に帰ってきたんです。その時、誰にでも懐くナナがその日に限ってオヤジの足元から離れないで、ブルブル震えてるんです。特にオレを避けてるんで、『これはマズイ』と思ったんですが、オヤジがナナを抱っこしたら、毛が抜けてるのがバレて、病気を疑われて、かかりつけの獣医のところへ行ったんです。その時は別に焦りませんでした。きっと皮膚病だと診断されて帰って来ると思ってましたから」

 しかし、そんなに獣医は甘くなかった。

「すぐにバレました。獣医がこれは皮膚病じゃないと。無理矢理、毛を引っこ抜かれていると。皮膚も荒れてるし、もしかしたら洗濯機のようなものに入れて回したんじゃないですかと、冗談交じりに言ったらしいんです」

 その後、組長が帰ってきたら、いきなり鉄拳制裁。その場で破門を言い渡されたというのだ。当然、その場にいた幹部連中のフォローもなかった。

「オヤジの短気とナナを可愛がってるのを知ってますからね。ただ若頭だけが餞別に10万円くれました。オレは躾のつもりだったんですけどね。これから年末、どうしたらいいんだろう」

 こんな恥ずかしい理由でヤクザを破門になった男は他にいない。くれぐれも堅気で頑張ってほしいものである。

Written by 西郷正興

Photo by Hammerin Man

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