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日経記者に東京農大教授...覚せい剤取締月間で狙われた「文化人枠」

TABLO / 2014年11月19日 20時3分

日経記者に東京農大教授...覚せい剤取締月間で狙われた「文化人枠」

 覚せい剤取締り月間は、今年も例年通り9、10月と実施された。今年の月間は例年にも増してかなり厳しかった、と誰もが口を揃えて言う。

 毎年、見せしめのように世間的知名度の高い著名人が逮捕される。今年は「文化人枠」の当たり年だった。10月の末には東京農大教授が、そして11月初めには日本経済新聞の文化事業部次長が逮捕された。

 後者の場合、薬物を譲り受けたとの情報に基づき自宅をガサ入れした際に現物が発見され現行犯逮捕されている。つまり密告があり内偵されていたのだ。この逮捕では所謂エリートが逮捕されている。彼らはいったいどの様にして覚せい剤を入手しているのか。

 覚せい剤は売人を通して入手するのが一般的だ。だが、売人と接触すると足がつきやすくなるため、薬物中毒者はあの手この手で入手ルートを探しまわる。社会的地位のある人間ほどそういった傾向にあるようだ。

 通常、売人は初めは屋外で「手渡し」から売買スタートする。その後は電話番号を渡され、指定の場所に呼び出されて受け渡しという形になる。そのため、いかにも職質が多そうな六本木や新宿、渋谷、横浜、西成等の地域は避け、郊外の住宅地など閑静な場所で落ち合うことが多い。だが、このパターンは売人が内偵されれば芋づる式に逮捕される可能性がある。その売人が反社会的グループに所属していた場合、組織的犯罪の通信傍受の対象にもなる。逮捕される一番の要因は通話履歴、その後の挙動不審での職質である。

 また、最近増えているのが、ネットの掲示板を通しての売買だ。今でも「S売ります」「冷たいのあります」「白いのあります」といった書き込みを見かける。いずれも「全国郵送可能」と謳っているが、そのほとんどは詐欺業者だ。騙されるケースとしては、荷物の中身が覚せい剤ではなく塩を送りつけたり、エロビデオを送りつけられる事も多々ある。被害者は警察に訴える事は勿論出来ずに、泣き寝入りする。それでも注文する客は後を絶たない。

「薬物中毒者はクスリが足りなくなると焦って冷静な判断力もなくなり、手当たり次第に入手できる方法を試してしまう。そういった"ヤク切れ"の客がネット売買に手を出している」(事情に詳しい週刊誌記者)

 現在は警察庁を始め全ての都道府県にサイバーポリスある。このサイバーポリスがネット上での怪しい取引に目を光らせている。サイバーポリスの権限が強大な理由は、その管轄がネット全般に及ぶ点だ。一昔前の厚労省管轄の麻薬取締官は平気でおとり捜査を行っていたが、それがネット上でも認められている機関なのだ。

 彼らは捜査のためなら、自分たちでも薬物の取引に関わる。例えば渋谷センター街で若者と変わらぬ格好で半日以上、たむろすることなど朝飯前なのだ。耳にヘッドホンを当て、音楽を聴いたふりをしながら目を光らせている。

 東京オリンピックも西成再開発も準備段階に入った現在、「第四次薬物乱用防止戦略」が始まっている。違法薬物にはくれぐれも手を出さないようにしていただきたい。

Written by 西郷正興

Photo by dacian dorca-street photographie

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