新説「連合赤軍化するニッポン」とは何か? プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.71

東京ブレイキングニュース / 2014年11月25日 12時45分

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「あさま山荘事件」と言ったら私はまだ生まれたばかりで記憶にない。しかしこの題材を扱った映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年公開・若松孝二監督)を観たら、これがとても興味深かったのです。「ユーモアとは何か」というテーマで拙著『教養としてのプロレス』(双葉新書)に書いたくらいだ。

 まず「あさま山荘事件」(または浅間山荘事件)とは何か。1972年(昭和47年)2月19日から2月28日にかけて、長野県の軽井沢にある「浅間山荘」において連合赤軍のメンバーが、浅間山荘の管理人の妻を人質に立てこもった事件のこと。

 その集団生活のなかでリーダーが「総括」という自己批判をメンバーに求め始めるのだ。革命戦士になるために思想や生活態度をチェックする、という目的なのだろうが、次第に些細なことでもツッコミが入り始める。

「なぜ山へ来るのに水筒を忘れたのか!?」→「総括を求める!」
「なぜ革命のために化粧をしているのか!?」→「総括を求める!」
「買い出しのついでに銭湯へ入ったでしょう」→「総括を求める!」

 思わず私は笑ってしまったのだが、しかし笑いごとではない。自己批判が足りないと断定されるや、制裁と言う名の暴力が待っているからだ。映画では淡々とメンバーの死を描いているが実際は壮絶な集団リンチだった。「革命」どころか「狭量」「陰湿」「嫉妬」という言葉が浮かんだ。

 この人たちは理想に燃えた若者であり、真面目な若者であり、決して生まれつきの悪人ではないのだろう。しかし一般世間とくらべて決定的に足りないものが連合赤軍にはあった。それは「笑い」だ。ユーモアと言ったほうがニュアンスが近いだろうか。

 潔癖なツッコミが先鋭化すればするほど息苦しくなる。この映画を観て私はいかに「笑いとばす」という態度やユーモアが必要かとしみじみし「笑ってはいけないあさま山荘」と書いた。

 さっそく安倍首相の解散についてどう思ったか聞いてみると、「昨夜ニュース番組に出ていた安倍首相は、「シャカリキ」な感じ。「攻め」だけしか出来ない。プロレス的教養では「受け」の出来ない首相。」と小林氏は感想を言っていた。

 私は、安倍首相だけでなく韓国の大統領や中国の国家主席も含め「みんな攻撃的でデーンと構えていない。小さなツッコミだらけの潔癖症な時代を、リーダーが率先しているようにみえる」と感想を言った。

 そして先日の羽生結弦事件のことを話した。羽生が負傷したあとに強行出場したあの事件。多くの人は「棄権すべき」「美談にするな」と言っていて「うかつな言葉」が少なかった、と。たとえば「負傷してまで出場したのだから優勝してほしかった。2位なんて悔しい」という、うかつな言葉。そんなアホで熱い言葉を口にできない、真面目な学級会のような雰囲気。

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