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【六本木クラブ襲撃事件】控訴続ける石元被告に関東連合OBが冷ややかな反応

TABLO / 2015年1月6日 16時0分

【六本木クラブ襲撃事件】控訴続ける石元被告に関東連合OBが冷ややかな反応

 2012年9 月、東京・六本木のクラブ『フラワー』のVIPルームで起きた藤本亮介さん(当時31)殺害事件の控訴審で、一審で懲役11年の刑が言い渡された関東連合元リーダー・石元太一被告に、一審の懲役11年を破棄して懲役15年という重い判決が下った。

 今回の争点は、石元被告が殺害に参加しておらず共謀共同が成立するか、という一点だった。しかし、高裁の河合健司裁判長は「襲撃は計画的かつ迅速に行われ、石元被告人も十分予測していた。実行犯の責任より格段に軽いと評価した量刑は不当だ」として、一審よりも重い判決が言い渡された。これを受けて関東連合のOBに話を聞くことができた。

「今回の量刑は当然でしょうね。本人は仲間に連絡しただけ、と言っていますが、その連絡がなければ事件が起こらなかったでしょうから」

 一審では、石元側の「計画性がなかった」との主張がほぼ認められていたが、高裁はそれを真っ向から否定した格好だ。

「石元側は事件は突発的に起こって、バットが車にあったのは草野球の為に用意してあったと言ったんですよね。確かに自分もバットは車に積んではいますけどね(笑)。量刑に関しては関東連合という組織における上下の関係性と、準暴力団という組織性を考えれば当然でしょう。あの事件以降、"関東連合"は暴力団に継ぐ準暴力団と規定されている。今はみんなバラバラで実態も何もないけど、事件当時は"関東連合"は確実に存在していましたから」

 控訴審で量刑が重くなったとはいえ、最初の求刑は22年だった。今回の判決は15年で未決通算が240日ある。

「収監されたとしても控訴もしたし、石元の仮釈放はないでしょう。15年はきついだろうけどやった事はしょうがない。反抗的な姿勢を見せずに遺族に賠償金を払って嘆願書を書いてもらってればどうにかなるでしょうが、それも無理。残念ですね。それに"関東連合"関係者の場合、離脱届も書く事も出来ないんです。例えば刑務所に入った場合、仮釈放を貰うために組織の離脱届けを書く人間がいる。だけどその場合、本人が所属する組織の長の印が必要なんですよね。でも、関東連合にはそんな組織の長がいるわけでもないから離脱届けも出せないんです」

 現在、石元太一被告は最高裁に上告の姿勢を見せているが、その控訴期間は未決通算には充てられない。最高裁は法律審で原則として書面審査しかしないので、法律の適用違反や過去の最高裁判例に反するなど判決に誤りが無い限り却下。口頭弁論も証人尋問もしない。石元被告の厳しい立場は変わらない。

「一審判決は求刑の5掛けでしたよね。通常、判決は8掛けが相場だから、控訴審で量刑が15年に増えたとはいえ、結局は求刑の7掛けですから御の字ですよ。石元はこの後も最高裁まで闘うと聞いていますが、それには無理がある。石元が全てをひっくり返したいと言っても、事件の遠因とされている新宿Aの葬儀の時の会話で調書をまいた人間や、フラワーの店員や百井被告、小池被告など全ての調書を引っくり返さないといけなくなる。彼らの調書に誤りがあると主張しなければならないわけで、それを立証するのは現実的には不可能ですよ」

 事件発生時に現場に居なかったから無罪。そう主張を繰り返す石元被告だが周囲の目は冷ややかだ。まずは被害者遺族に反省の意を示すことが先決だと思われるのだが、そのような素振りは一向に見せていない。事態の推移を見守りたい。

Written by 田川良

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