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【裏社会】五代目工藤會が首都圏でファッション業界に進出か

TABLO / 2015年1月15日 13時21分

【裏社会】五代目工藤會が首都圏でファッション業界に進出か

 九州・小倉に拠点を置く指定暴力団・五代目工藤會に対する取締りが日々厳しくなっている。本部のある北九州市では事務所など4ヶ所に殺人謀議に使われた疑いがあるとされ、改正暴力団対策法に基づく事務所使用制限命令が出された。これは指定暴力団にのみ限られた措置であり、抗争中でない事務所使用制限は全国で初である。

 五代目工藤會は北九州を地盤とした組織であるが、北九州では現在、ほとんどシノギができないために、組員などは新たな活路を見出していると言う。五代目工藤會の組織については前回に書いているのでその項を参照されたい。

 そんな組員たちが新たな活路としているのが、今まで裏社会が目を付けなかったファッション業界、モデル業界である。この噂は数年前から出ていたが、首都圏にある「有名ファッションエリア」ではすでにその仕入先、店舗などにかなり食い込んでいる。そこには当然縄張りがあり、庭場もあるが、事務所を出したり、露店を出すといったことはしていない。

「シノギを抑えているのは構成員です。五代目工藤會は北九州の組織だから、首都圏には土地勘や人脈もないので、そこで彼らは関東のある地域の暴走族を利用しています。その暴走族は準指定暴力団の認定は受けていないものの歴史が古く、一時期は全国最大規模を誇ったグループの名前を引き継いでいる。今までその暴走族は卒業すると地元の組織に入ることが習慣化されていた。しかし、ある代の人間がその流れに反旗を翻し五代目工藤會の人間となったんです」(事情に詳しい週刊誌記者)

 しかし、首都圏の不良が、なぜ北九州の五代目工藤會と接触を持つようになったのか疑問が残る。それを説明してくれたのが同暴走族OBの男性だ。

「その暴走族では、先輩に誘われて地元でヤクザになっても、その先、ずっと先輩後輩の関係が変わらないことで不満が募っていた。その組織に行くと、いつまでも自分が後輩のままだから先も見えてくる。そんなときに五代目工藤會から誘いがあったと聞いている

 五代目工藤會が首都圏に進出していることを受け、警視庁組織犯罪対策部は、東京都内での活動実態解明や取り締まりを強化するため「工藤会対策室」を設置した。暴力団担当の捜査員らが専従で当たっている。

 警察当局が都内の某物件を五代目工藤會の組事務所と判定したのは昨年の九月であるが、組事務所予定物件として購入したのは今から三年前の七月だった。五代目工藤會の首都圏進出はかなり早い段階から計画されていたことがわかる。

 これまで五代目工藤會の勢力範囲は福岡、長崎、山口の三県とされていたが、この事実により警察当局は首都圏進出を認めざる得なかった。この事務所は五代目工藤會としては認めてはいない、との最高幹部の発言もあったが、この活動グループは複数のキャバクラ、風俗店経営などを経営しており、これを足がかりとして首都圏に進出している。その勢力は、すでにファッション業界、モデル業界にも及ぼうとしている。裏社会をも震撼させる巨大組織の今後に注目したい。

Written by 田川良

Photo by Jonathan Kos-Read

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