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セガサミー会長宅銃撃事件から見る裏社会最新事情「あれは警告という意味」

TABLO / 2015年1月25日 10時0分

セガサミー会長宅銃撃事件から見る裏社会最新事情「あれは警告という意味」

 大手パチンコ機器メーカー「セガサミーホールディングス」の会長兼社長宅(東京都板橋区)で14日、発砲音がし、薬きょうなどが見つかった事件で、8日未明にも警備員が発砲音のような音を聞いていたことが捜査関係者への取材で分かった。この時は銃弾などは確認できなかったが、警視庁組織犯罪対策4課は14日の事件との関連を調べている。この事件は何を意味しているのか。裏社会に今、何が起こっているのか。関東系の某組織二次団体最高幹部に話を聞くことができた。

ーーパチンコ業界の大物宅に拳銃を撃ち込まれた。これは裏社会が絡んでいるのだろうか。

「国内のパチンコ関係者は当然ながら、裏社会との付き合いが少なくない。メーカーというよりは景品まわりは特に黒い。都内の景品買いは全て警視庁のOBが絡んでるが、地方ではまだまだヤクザが景品買いを請け負っているところが沢山ある。そこでいろいろなトラブルが発生するんだよ。例えばパチンコ屋が新規出店すると古いパチンコ屋は当然淘汰される。そうなると景品買いなどの利権も無くなるしな。セガサミーの場合は、メーカーだからそういったトラブルとは無関係なはず。カジノ利権で深いところに突っ込んでいたという話も聞くけど、あくまでそれは噂レベルだよな」

ーー銃弾を撃ち込む、という行為は示す意味は?

「こういったケースはほとんどが何かの"警告"だよ。銃弾で標的や家族を傷付けようというつもりはない。ただし、これは直接的な関係ではなく、間接的な関係でということもある。多いのは『この案件から手を引け』という意味。『これ以上、手を出すな』とかな」

ーー8日、14日と立て続けに事件は起きている。

「銃弾を撃ち込むというのは事態が大詰めを迎えているんだろう。当事者同士で何かの最終局面にあるんじゃないか。2回も起きているが、おそらく犯人の検挙は難しいだろう。こういった撃ち込みの実行犯はなかなか捕まらないことが多い。組織的な動きだろうけど、そのへんはなかなか捕まらない。この事件に関してはもういいだろ。俺は何も知らないよ」

ーーわかりました。では、2015年の裏社会の展望をお聞かせください。

「どこの組織も内紛ばかりだからな、名前出さなくても知ってるだろうけど。だからどこも自分の組織を守る事で精一杯じゃないか?よその事に口出しする余裕なんかないだろ。今はどこもシノギが苦しいから自分のところの若い衆を面倒見切れず、よそへ"養子"に出すようなことも増えている。だからシノギがうまい組織がどんどん優秀な人間を集めている」

ーーヤクザにも格差が広がっているわけですね。

「うちの組は100人いないんじゃないか。どんどん減ってるよ。今は組長クラスはともかく、ヤクザやってる古い人間は、辞めても今まで無理言ってた人間から逆に追い込み喰らったりして悲惨な現実が待っている。もはや何もすること無いから、ヤクザを続けてるような連中も増えている。実際に借金するだけがシノギだと言っている人間も大勢いる」

ーーでは、"現在の勝ち組"のヤクザとはどんなシノギをしている連中なのか。

「うまいこといってるのは、IT関係と絡んでいるところだな。あとは金融に強い組織。たとえば、税金をかからないようにタックスヘイブン(租税回避地)を利用して、消費税の差額を得るとかな。そういう金融知識を使って大きく稼いでいるところは勢いはあるよな。その代わり、いくら儲けていても、架空請求とかの詐欺やってるヤクザはどうかと思うがね」

ーーだが実際、食えなくなったヤクザが「特殊詐欺」に手を出すケースは増えている。

「あれは駄目だろ。俺だって任侠精神で弱き者を助けとかそんな綺麗事を言うつもりはないよ。実際、カタギにたかって金にしてきたんだからな。だけど"詐欺"はしたことがない。ヤクザやってて、人を騙すというのは一番いけない事だからな」

 格差にあえぐ者にも誇りはある。人の道を踏み出すことはできない。そんな不器用なヤクザには生き辛い時代になっているようだ。

Written by 西郷正興

Photo by ザ・ヤクザ

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