対策は大丈夫だったのか 橋本岳厚生副大臣事務所に電凸してみました ダイヤモンドプリンセス号の新型コロナウィルス対策を告発した岩田健太郎教授と応戦

橋本岳公式ブログより

新型コロナウイルスの感染者が大量発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から19日に下船が始まっています。その裏側で橋本岳厚生労働副大臣と神戸大学医学研究科感染症内科の岩田健太郎教授のSNSバトルが注目されていました。

20日の神戸大学医学研究科感染症内科の岩田健太郎教授のTwitter投稿が注目されています。

【動画は削除しました。ご迷惑をおかけした方には心よりお詫び申し上げます】

【高山先生は「実際はゾーニングはしっかり行われています。完全ではないにせよ」とお書きになっていますができてなかったのは事実で、よって感染の危険を強く感じました。派遣前「クルーズ船の中の本部を外に出すようぜひ進言してほしい。私も何度も主張しているのですが」とおっしゃったのが高山先生です】（岩田健太郎教授ツイッターより）

岩田教授は18日に災害派遣医療チームとして乗船したものの、下船させられ、船内の検疫体制が杜撰な状況であることをYouTubeで告発しました。

「どこが危なくてどこが危なくないのか全く区別がつかない」「常駐しているプロの感染対策の専門家が一人もいない」等と発信し、厚生労働省の検疫体制の不備を告発したのです。

橋本岳厚生労働副大臣は、19日のTwitter投稿で応戦しました。

【なお昨日、私の預かり知らぬところで、ある医師が検疫中の船内に立ち入られるという事案がありました。事後に拝見したご本人の動画によると、ご本人の希望によりあちこち頼ったあげくに厚生労働省の者が適当な理由をつけて許したとの由ですが、現場責任者としての私は承知しておりませんでした】（橋本岳氏ツイッターより。2/20時点では削除）

この投稿について、厚生労働副大臣としてのコメントか、衆議院議員としてのコメントかを曖昧にした情報を橋本事務所が発信した旨も報じられていました。

岩田教授のYouTube削除の裏には、橋本岳厚生労働副大臣サイドの抗議や圧力はあったのでしょうか。

橋本岳事務所に電凸してみました。

参考記事：日本はもう限界…まもなく「コロナ差別」が起こりそうな予兆　通勤電車は地獄絵図　フランスやアメリカのアジア人差別を馬鹿にはできない | TABLO

「今、取材等全部厚生労働省の広報の方にお電話頂きたい」

と事務所の電話に出た女性はおっしゃいましたが、取材の趣旨を再度伝えたところ、

「少々お待ちください」

と二分くらいの保留ののち。

「はい。代わりました。橋本事務所のフジムラです」

頼り甲斐のある誠実そうなベテラン風の男性が登場。

「どちら様でいらっしゃいますか。すいません」

最初に名乗っているにもかかわらず、伝言されていないようです。誰からの電話も伝えずに電話を取り次ぐのは、民間企業ではありえません。

取材趣旨を再度お伝えし、コメントを求めたところ。

「ですから。事務所の秘書です。何でもやります」

頼もしさと恐ろしさを感じさせる回答。

「いや、もう、厚労省としてこうこうこうですよというのを出していますので、それをご覧頂けたらと思います」

――厚生労働省のWEBサイトは掲載ミスがあったり、広報に電話を取り次がれなかったりします。岩田教授に対して抗議等をなされたのでしょうか。

「いや、今そういう場合ではないので。今、下船されてたりとか皆さん対応していますので。別に今これがネットに載るとか言うわけじゃないですよね？」

――取材のお電話でお話をうかがっているのですが。

「なんで、別にそれ以上のことはありません」

――それ以上とは何以上でしょうか？

「もしもし、すいません。こちらちょっと来客中のこともありますので、またご連絡を。厚労省の代表から」

厚生労働省の代表から取り次がれないことをお伝えしても無視されて、切られてしまいました。

橋本岳厚生労働副大臣は故橋本龍太郎総理大臣の次男。橋本龍太郎氏が亡くなった国際医療センターは、東京のコロナウィルス治療の要となっているそうです。

「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船者の訃報も報じられました。ご冥福をお祈りします。しっかりとした対策を講じていただきたいものです。（文◎九頭龍腐流腐流）