“有名企業”の冠がついたマンションを買ったら「違法民泊」の巣窟だった! 本サイトが報じた違法民泊案件についに国家取り締まり機関が動いた!
TABLO / 2020年2月21日 15時18分
2019年 闇ホテルの利用者で込み合うエレベーターロビー(住民提供)
本サイトでは昨年の以下の記事でも報じた、タイ政府の汚職取り締まり機関が捜査に動いた、タイの違法民泊騒動。
日本人に人気の観光地のタイのパタヤ。そのパタヤの以下のコンドミニアム(マンション)で営業している違法ホテルの被害について、先日もTABLOで報じた。
参考記事:ブッキングドットコムで被害に! タイ・パタヤの違法“闇ホテル”が今もまだ営業中 タイ投資の危険性
ในประเทศไทยการเช่าระยะสั้นผิดกฎหมายเป็นที่แพร่หลาย
この闇ホテルには本サイトスタッフも被害にあっている。
この物件について振り返ってみよう。
このコンドミニアムはタイの不動産会社の「レイモンランド」という会社が開発した物件だ。同社は2016年夏に日系の不動産会社に物件の開発協力を依頼。その際の条件として、レイモンランド社経営陣が同物件の入り口のセールスオフィス等の最優先利用権を約して、開発や投資を協力させてきた。
日系の不動産会社はこれに応じて協力を行ってきたが、2018年夏に突如としてレイモンランド社が約束を反故にし、その最優先利用権を約した場所にオープンさせたのが、この闇ホテルを行うEzi Trip Stayという会社の違法賃貸業オフィスだったのだ。
この違法賃貸業は住民たちの苦情を受け、2019年2月に当局の摘発を受けて、事業者は逮捕された。
しかし、その後も同物件では違法な闇ホテル営業が大規模に続けられ、迷惑を受けている住民たちは協力して、タイの地元政府に苦情を申し立てた。
ところが、そのタイの地元当局が「違法行為は発見できなかった。住民たちで話し合いをしてください」とする書面まで出してきたのだ。
実際には、このイージートリップ社の違法短期賃貸は以下のブッキングドットコムのサイトでも簡単に予約できるものだ。
(以下は、名前はしょっちゅう変えているが、URLにはEZ stayと書かれているのは、このイージートリップ社が経営する闇ホテルが作ったURLだからだ)
https://www.booking.com/hotel/th/unixx-south-pattaya-by-ez-stay.ja.html
または、
https://megalodon.jp/2019-0902-1909-48/https://www.booking.com:443/hotel/th/unixx-south-pattaya-by-ez-stay.ja.html
もちろんタイの現地当局には住民たちから上記のURLも提出されているが、当局はこのURLで予約できる闇ホテルを発見できないそうだ。
これにより住民たちは、地元の役人に賄賂を払って黙認させているのだろうという状況が露骨となった。
関連記事:本サイトが報じたタイの違法民泊騒動 ついにタイ政府機関が汚職取り締まり捜査に動いた 渡航時は注意を!
タイでは現在、政府を挙げて汚職問題の取り締まりに取り組んでいる。
そして、このタイの地元当局の酷い対応を受けて、タイ政府の汚職取り締まり機関のPACC(タイ公立汚職防止センター)が2019年秋から捜査に入っていた。ここまでが、前回記事で報じた内容だ。
PACCでは捜査が続けられており、本記事執筆時点でも捜査中となっている。
しかし現地の状況を取材すると、PACCが捜査に入った後も、違法な闇ホテル営業は十分に取り締まられず、蔓延しているという。
地元の人間は、次のように語る。
「問題は、PACCは確かに捜査するよう命令をしてくれているようなんですが、実際の取り締まりは、パタヤの地元の役所がやっているのです。すると、地元の当局の中でも賄賂で腐敗した人間からは、いつ捜査に入るから、その時だけやめておけという連絡でも入っているようで、一瞬だけ営業を止めて、また闇ホテルが稼働するという状態が続いていて、レイモンランド社のセールスオフィスの場所でEzi Tripも営業を続けているのです。」
このようにして、闇ホテルが短期的に営業を止める事はあっても、蔓延は止まっていないという。
以下は、PACCが捜査に入った事が伝えられた後の、実際の現地の写真だ。
さらに、不動産業者は同物件を「短期賃貸が許可されている」として営業し、違法な闇ホテルとしての賃貸が出来る物件として広告までしている。
勿論、実際には30日以上で貸さなければ、ホテル業法違反で違法となるべき内容である。
このような中で、捜査側にも大きな動きがあった。
パタヤのUnixxのEzi Tripなどによる本汚職容疑事件の取り締まりが、タイ政府のPACC(タイ公立汚職防止センター)からNACC(タイ国家汚職取締局)という、国家レベルの汚職取締局に送致されたのだ。
送致された日付は2019年12月11日、NACCが送致を受けて捜査に乗り出した事が確認されたのは今月3日のことだ。
このようにして、ついに本サイトが報じた違法民泊問題が、タイの国家レベルの捜査機関が捜査し対応する事となっているのだ。
本記事執筆時点でも、このレイモンランド社のセールスオフィス跡地に、Ezi Trip社はオフィスをオープンしているし、以下の違法賃貸の集客サイトも稼働させている。
https://www.booking.com/hotel/th/unixx-south-pattaya-by-ez-stay.ja.html
タイの汚職問題の蔓延が、改善するかどうか、大きな注目が集まっている。
タイのパタヤなど東部では現在、日本からも巨額の投資をしてEEC(東部経済回廊)開発が行われており、日本の製造業の工場などが多数建設されている。また、同地域の高速鉄道計画には、日本のJBIC(日本国際協力銀行)が融資の検討をしている。
しかしながら、このように現地でタイの汚職問題が蔓延したままでは、本事件のようにタイに外国人の法人、個人が投資をしても、その権利がまともに守られる事はなくなってしまう。タイ政府の汚職取り締まりの努力により、汚職問題の解決が期待される。
尚、今月の事件の主因であるタイのレイモンランド社は現在、日本の大手デベロッパーである東京建物(東証一部上場、代表取締役野村均取締役)との共同事業でバンコクに「Tait12」「THE ESTELLE」の2物件を発表、現在は東京建物の名前を使って大々的に宣伝、販売を行っている。
東京建物と言えば、一般の人にも「Brillia(ブリリア)」というマンションブランドなどが有名な大手デベロッパーだ。バンコクの共同事業の物件でも、東京建物の物件だからという事で安心して買っている人も多いだろう。
しかし、レイモンランド社がUnixxでこのような事件を起こしている中で、この東京建物の名前が付いたレイモンランド社の物件を買った人は、Unixxと同様の状況となってしまうのではないだろうか。
このように、多くの日本の企業や個人が被害に巻き込まれかねない問題となっている。
タイ政府による、汚職問題の防止が求められている。(取材・文◎西山哲治)
あわせて読む:写真と実名を晒しヘイト 心を患った人も 在タイ『週刊ワイズ』が親日国で犯した日本の恥さらし行為 | TABLO
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