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フジテレビ報道局「林ディレクター」の失礼な取材姿勢が明らかになった顛末|久田将義コラム

TABLO / 2015年6月18日 19時0分

フジテレビ報道局「林ディレクター」の失礼な取材姿勢が明らかになった顛末|久田将義コラム

  6月17日のツイートでフジテレビ報道局が炎上している。あるテレビ局関係者が非常識な態度で取材に臨んでいることが明るみになった。男性向け雑誌『Blackザ・タブー』(ミリオン出版)の公式アカウントがフジテレビ報道局の外注の制作会社と「林ディレクター」の取材姿勢を厳しく批判、暴露した。書籍『Colors』(ミリオン出版)の執筆者、百萌子さんに対しての取材姿勢について、である。

●林ディレクターの信じられない発言「ぶっちゃけ真面目な話より悲惨な話っすよ!」

 百萌子さんはオラオラ系雑誌の読者モデルだった。いわゆるギャルである。しかし、交通事故に遭い、片足を切断せざるを得なくなってしまう。様様な挫折や裏切りに遭いながら家族や友人の助けを得て、現在車椅子でパラリンピックを目指しているという女性だ。その百萌子さんに現在、密着取材しているのがフジテレビ報道局の「林ディレクター」なる人物なのだが、それがどういう取材姿勢だったのか。Blackザ・タブー』公式アカウントのツイートを長くなるが引用してみる。因みにこのBlackザ・タブー』

 ツイートはこんな感じで始まる。

≪フジテレビの報道番組が弊社で書籍化した障害者スポーツで頑張る女性を密着したいと言ってきた。本の紹介をしてくれるならと了承してノーギャラでOKを出した。2ケ月も密着したあげく「本の紹介は約束出来ない」「もっと彼女の過去の悲惨な写真はないのか」と言い出してきたので(つづく)≫

「もっと彼女の悲惨な写真」を要求するあたりで被取材者としてはカチンと来るだろうが、書籍をテレビで紹介してくれるのなら宣伝にもなるかと、版元としては我慢せざるを得ない所だ。

≪彼女の何を映したいの?頑張る今を映したいんじゃないの?と言うと「は?だって東京オリンピック出られんの?ぶっちゃけ真面目な話より悲惨な話っすよ。ただ書いて終わりの出版社と違って動画なんすよw 2ケ月撮ったけどまだ5分も放送できないすわw」と林ディレクターが言うので(つづく)≫

「真面目な話より悲惨な話」とか「2ケ月撮ったけどまだ5分も放送できない」あたりで読者の皆さんは「引く」のではないだろうか。それから『Blackザ・タブー』側は態度を硬化させ、書籍の紹介が約束出来ないなら取材を止めようと言う。すると「林ディレクター」は慌てて「本を紹介するから撮影をさせてくれ」と泣きが入る。さらにツイートはこんな風に続く。

≪彼女の自宅に上がり込み、お母さんにも失礼な態度、お母さんの職場でも、彼女のリハビリの先生たちになぜか説教をしたり、「俺は君にカメラを向けている。君も俺にぶつかって来なきゃダメだ!」と本人に言ったりと着々と嫌われていった。フジテレビの安藤優子の報道なんてこんなレベルなのだ≫

 全部、引用をすると、とても長くなってしまうので、このあたりで止めておくが、ツイートを読む限り「上から目線取材」がはなはだしく、恐らく「林ディレクター」は『ビリギャル』のように「ギャルが更生(?)して頑張っています!」という画が撮りたいのだろうというもくろみがある事は想像に難くない。要するに「画ありき」で彼女の本音や心の底にあるものなどを撮る気はないように映る。取材者と被取材者の間に信頼関係は失われたように見えるのだが、放送はされたものの「上から目線取材姿勢」だけが被取材者に植え付けられた状態になったようだ。

 このような、「テレビに出させてやるから」的な態度の取材で本当のドキュメント映像は撮れるのだろうか。近年、ツイッターでテレビ局の取材姿勢の杜撰さが明らかになっていくケースが頻繁に起きている。将来あるテレビマンだと希望と自戒を込めて「林ディレクター」さんには、取材の勉強ではなく、人間の勉強から始める方が大切のような気がする。

Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)

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