無料掲示板「ジモティー」に潜む問題点、詐欺に合わないために
TABLO / 2015年8月5日 21時0分
「あげる、もらう」をうたった『ジモティー』と言う掲示板が今流行っている。実際は金銭が発生することもあるが、"無料の広告掲示板"をアピールしている。筆者はこの掲示板に多くの問題点があると感じている。詐欺の温床になってしまいそうな、そんな不安も感じている。実際に「ジモティー詐欺被害」専用の掲示板まで立ち上がっているから、その兆候はあるのだろう。
まず気になるのは、誰でも簡単に出品出来るという点だ。「30秒で出品が出来る」と言う胡散臭い言葉でアピールしている。これは従来の大手オークションの手続きを面倒臭さいと感じている利用者たちには受けた。しかし、ここには問題点がある。
というのも、大手オークションは利用者の資格審査を厳密にキチンと行っていた。その為に誰もが安易にオークションに出品する事はなかったので、落札者はある意味安心が出来た。一方、このジモティーも確かにSNS認証、身分証認証という画面もあるが、実際にはその認証をしなくても出品できるのが実情だ。
また、ジモティーが推奨している「直接取引」に関しても問題がある。サイトでは「人気のない場所での取引は危険ですので、駅や商業施設など人気の多い場所で取引を行ってください。家に取りにきてもらう場合は、家族や知人などに同席してもらいましょう」と表記されているが、これはどう理解すべきか。
言い換えれば、「サイト上で取引しないで直接会えば騙されることがない」と言っているようなものだ。つまり人の多い場所で取引を行えと言う事である。それは反対に犯罪が行われる事を見通しての事であるのではないか。そして人が多ければ犯罪が果たして行われないのかという疑問も残る。
たとえば地元で犯罪にあって被害届を出したユーザーがいたとしても、「何か仕返しをされないか」と思う人もいるだろう。それ以前に、高額の詐欺なら被害届けを出すだろうが、数千円位であったら「面倒くさい」と泣き寝入りする人も多いだろう。
ジモティーの注意喚起にも違和感を覚える。「直接のメールアドレスの交換は出来るだけ控えましょう」といい、ジモティーの代理メールを推奨している。
「個人情報(電話番号、住所、本名等)の開示は慎重に行いましょう。また、ご自身のメールアドレスでのやり取りはトラブルが多く報告されておりますので、ジモティーの代理メールをご利用ください。」(ジモティーに掲載されている注意喚起)
だが、筆者が取材したところ、複数人が「メールを送ったのに相手から連絡が来なくなった。その後数通メールを送ったらメールは1通しか来ていない」というような返答をしている。つまり、システムがそこまでキチンと稼動していないのではないかと想像できる。また、「受け渡した商品が違っていたというトラブルが多く報告されております。受け渡しの際には、中身も確認するようにしましょう。」と言う注意書きも気になる。例えばテレビは今はほとんどが薄型なため、駅前等や路上での受け渡しも可能だろう。だが、本当に作動するかは自宅へ帰ってみないと確認できない。そのような詐欺を防ぐための具体的なアドバイスもない。
直接取引を推奨しているのに郵送・振込みの注意もある。振込み後商品が届かない、音信不通といったトラブルについての注意喚起だ。そういった事態に見舞われた際には「内容証明を送付し て下さい」「相手ユーザーに対して商品の送付や返金などの依頼をし、トラブルの解決に向けて引き続き交渉を行ってください。」と明記してあるが、相手が住所が架空だった場合、誰にどの様に送ればいいのか。つまりトラブルが起こった際はすべて自分で解決して下さいとの事である。これが大手オークションの場合だと保証があり、その代わり売買の際の手数料は何パーセントが引かれるという仕組みになっている。
しかし売買の手数料が無いこのジモティーは一切保証しない。ジモティーは掲示板であることをアピールしている。掲示板とは文書を掲示するための板であり、誰もが書く事が出来る。筆者も取材がてら「ジモティー」を利用して、数人と実際に取引を行ってみた。その際に会って話を聞くと、誰もが不安を訴えていた。
一番の問題点はオークションとは違い、掲示板だということ。だが金銭の発生する取引がメインの掲示板である、2ちゃんねるのように「自己責任、私は知りません」では通らないのではないか。今回原稿を書くに当たって、ジモティーにいくつかの質問と取材依頼を行ったが、「好意的に扱うメディアには積極的に協力しているが、問題点を提起するメディアには」取材拒否であった事を最後にお伝えしておく。
Written by 西郷正興
Photo by norio.takahashi
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「出品者の泣き寝入り」を無視し続けたツケである…「#メルカリ詐欺」の炎上に油を注いだ"メルカリの大悪手"
プレジデントオンライン / 2024年11月19日 7時15分
-
「絶対に許さない」メルカリで詐欺被害に遭った出品者が怒りの告発、運営側の不誠実な対応に「このまま泣き寝入りはしない」
集英社オンライン / 2024年11月15日 10時30分
-
闇バイトの連絡手段「テレグラム」はなぜ規制できないのか。日本政府が禁止の「考慮」すらできない理由
オールアバウト / 2024年11月9日 21時15分
-
新発売の「iPhone16」をゲット!「空箱は売れるから取っておくべき」と聞きましたが、本当に箱なんて売れるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月9日 5時0分
-
「+」から始まる番号の着信。心当たりがないので無視したけれど、大丈夫ですよね?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月31日 9時30分
ランキング
-
1【斎藤元彦・兵庫県知事の応援団に密着取材】「文書問題なんかマスゴミが捏造しただけ」「斎藤さんは令和の二宮金次郎」… それぞれが支持する理由
NEWSポストセブン / 2024年11月26日 6時59分
-
2コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
3【速報】東京・足立区のコンビニ駐車場で59歳男性が殴られ死亡 口から血を流し… 中年男が逃走中 傷害致死疑いも視野に捜査 警視庁
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 10時2分
-
4高崎駅前のホテルで女性客が3人組に携帯電話奪われた強盗事件 2人目の少年(17)を逮捕
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 6時57分
-
5「今さらカネが原因とは考えにくい」楽天・マー君“電撃退団”のなぜ…移籍で「神の子」復活はあるのか?
集英社オンライン / 2024年11月25日 17時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください