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妻も娘もいる痴漢が言う「相手は嫌がっていなかった」は常套句か 好みの女性だから陰部を触ってもいいと理解した男が裁判所で発した呆れた言葉

TABLO / 2020年3月31日 13時4分

妻も娘もいる痴漢が言う「相手は嫌がっていなかった」は常套句か 好みの女性だから陰部を触ってもいいと理解した男が裁判所で発した呆れた言葉

画像はイメージです

 

「この人痴漢です!」

電車内で被害者の女性(事件当時32歳)に声を挙げられ腕を捕まれた時の心境を初芝宗一(仮名、裁判当時54歳)は、

「頭が真っ白になった」

と語りました。女性が声を挙げるとは思ってもいなかったようです。すぐに彼は近くにいた警察官に取り押さえられました。警察官が現場にいたことには理由があります。彼の犯行は初めてのことではなかったのです。

 

この日、被害女性が電車に乗り込むと彼はそばに寄ってきました。そしてスカートを捲り上げて下着の中に指を入れ陰部を直接触り始めました。私服警察官はそばにいましたが満員電車内でのことです。他の乗客に紛れてしまい犯行をはっきり見ることができずにいました。その後、駅に到着し乗客の乗り降りがあって彼と被害女性の立ち位置が入れ替わりました。すると彼は後ろから被害女性のお尻を触りだし、それから少しずつ移動して再び女性の前部に行きまた陰部を触り始めました。

ここに至ってようやく警察官も犯行の現認を取ることができました。被害女性に合図を送り声を挙げてもらった後、現行犯逮捕となりました。

 

参考記事:電車内で放尿男 その「ヤバさ」に画像はますます拡散されるばかり この男にどんな“言い訳”があるのだろうか? | TABLO

 

「犯人には繰り返し痴漢されてました。だいたい週に3日くらい痴漢されてました。はじめはお尻に性器を押しつけてきて、それがだんだんエスカレートして下着の中にまで手を入れるようになってきました」

電車や時間を変えても彼はついてきました。通勤途中でのことです。被害女性は、

「会社に迷惑をかけたくなかった」

と痴漢の被害を耐えていましたが、下着の中にまで手を入れられるようになってようやく警察に被害を相談しました。この時点ではじめて痴漢の被害に遭ってから約3ヶ月経っていました。

 

強制わいせつ罪の被告人として裁かれる立場となった彼には妻がいます。身体があまり強くなく、精神的な疾患も抱える彼の妻は事件を知って体調を崩してしまいました。そのため情状証人として出廷することは出来ませんでしたが、

「同じ女性として夫の罪は許しがたく離婚も考えましたが、今後も支えて生きていくと決めました」

という内容の上申書を裁判所に提出しています。

そして彼には高校2年生の娘もいます。

「娘には事件のことを伝えてません。伝えることができませんでした」

彼が身柄を勾留されている間は「病気で入院している」ということにしていたそうです。

 

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前科前歴もなく今まで普通に生きてきた彼が痴漢に手を染めてしまった理由、それは彼自身にもよくわかっていないようでした。事件の動機を聞かれた際には

「自分でもよくわかりません。被害者が私の好みの、女性としての魅力があった人で…。本来なら違う形で想いを伝えないといけなかったと思います。歪な形での表現になりましたが許されると思ってしまいました」

と答えています。「歪な形での表現」になってしまった理由がわからなければ再犯防止のためにどうするべきかもわかりません。

 

犯行の最中の被害者については、

「被害者がイヤがってるとか、そういうことを考えることができませんでした。払いのけるようなこともしなかったし、あまり抵抗しなかったような気がします。あと、タイツを履いていない時もあったのでイヤがってはいないと思っていました」

と答えています。

この「イヤがってはいないと思った」という言葉は痴漢をはじめ性犯罪の裁判でとてもよく聞く言葉です。しかし彼に関しては、

「向かい合う形で犯行に及んだことは何度もありますが、その時に被害者の表情を見たことはありません。怖くて見れませんでした」

という発言もしています。

被害者の表情を見てしまえば否が応でも自分のしている行為の卑劣さには気がつくはずです。被害者の気持ちを内心では理解しながらも理解することを拒んだ、とも取ることができる言葉です。

 

彼は何から目を背けて逃げたのでしょうか。

何故、直視することができなかったのでしょうか。

その答えは彼にとって再犯を防ぐためのカギになるのだと思います。(取材・文◎鈴木孔明)

 

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