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【球界震撼】巨人の現役選手も手を染めた野球賭博の仕組み

TABLO / 2015年10月28日 18時0分

【球界震撼】巨人の現役選手も手を染めた野球賭博の仕組み

 ジャイアンツ現役選手らの野球賭博騒動が大きな話題になったが、昔からプロ野球界と野球賭博は切っても切れない関係だった。 というのも、野球賭博には "ハンデ師" の存在が必要不可欠であり、これにより単に勝ち負けだけを予想すればいいというゲーム性ではなくなっている。

●優秀な"ハンデ師"を抱えることが胴元のカギ

 例えば、今回の日本シリーズでホークスとスワローズの戦力差やコンディションを見て、ハンデ師が "ホークスの方が有利だからスワローズにハンデ1.5点" といった数字を付けたとする。 この場合、ホークスが勝つ方に賭けていて、実際にホークスが勝ったとしても、「設定されたハンデ以上の点差で勝たねば当たりにならない」 のだ。 よって、この例えの場合はホークスが2点差以上で勝たねば配当は貰えない。

 このハンデの存在のお陰で、プロ野球のみならず、高校野球なども非常に白熱した展開が楽しめるようになっている。 甲子園常連校であっても、"ハンデ8点" などと付けられていれば、弱小校にも "目がある" からだ。

 ちなみに、当たった後の金の流れについてだが、まず寺銭は 「当たった場合の1割」 が基本となる。 野球賭博には様々な流派の "胴元" がいるのだが、どこでもだいたいこのルールだ。 そして勝った場合の配当は (原則として) 2倍で固定。 10万突っ込んでいたら、20万の戻しだが、そこから寺銭1割(2万) を差し引くので、18万円が返ってくる事になる。(今更だが野球賭博は違法行為なのでダメ、ゼッタイ!)

 この倍戻し(-寺銭) というルールと説妙なハンデが演出するゲーム性により、ドはまりする人間は 「倍プッシュしてれば絶対に負けない!」 と甘く考え、何度か負けても張る金額を安易に倍々に増やして地獄に落ちる。

 基本を説明したところでハンデ師の話に戻すが、こうした絶妙すぎるゲーム性を演出するハンデ師は、各選手の能力や、日ごとに変わる調子の出来不出来、またはプライベートで何か精神的に凹むような出来事がなかったかどうかなど、あらゆる情報に精通していなければ務まらない。 ハンデ師がボンクラでは胴元が大損する可能性すらあるから、どれだけ優秀なハンデ師を確保できるかが胴元の手腕なのである。 胴元の理想を言えば、ハンデに惑わされて外す客が多ければ多いほど良いし、また勝った客と負けた客の間で動く金額のバランスが良ければ、寺銭だけでも充分な実入りになる。 だからこそ、試合の裏も表も正確に予測でき、他が持って来れないような精度の高い情報を入手できる "プロ=選手" を抱き込み、ハンデ師として共犯関係にしようと必死になるのだ。

 野球賭博の胴元は、ほぼ間違いなくヤクザ者である。 だが、昔と違って今はプロ野球選手が堂々とヤクザ者と付き合っていては大問題になるし、そもそも選手にも警戒されてしまう。 よって、「あの選手はハンデ師として、もしくはハンデ師に情報を提供する役割として抱えておきたいな」 と考えた場合に、暴力団の名前を出さずに友人として近付き、頃合いを見て 「お小遣い稼いでみない?」 と声を掛け、欲をかいた選手をイリーガルな世界に引きずり込み、「キミはもう犯罪に手を染めたんだから抜けられないよ?」 と、ズブズブと底なし沼にハメて行くのである。

 ここから先は私個人の単なる妄想だと前置きしておくが、山口組の分裂騒動などヤクザ業界も大変な状況になっている。 組が割れるという事は、シノギを巡って様々なトラブルが巻き起こるだろうし、場合によっては流血沙汰にも発展するだろう。 そして何より、優秀なハンデ師さえ捕まえられたら鉄板で儲けられる野球賭博を新たに仕切り出す人間も続出するかもしれない。 その為には、繰り返し述べているが "優秀なハンデ師" が必要なのだから、今の内から未来のハンデ師候補にツバを付けて回るヤクザがいたとしても何の不思議もない。

 蛇足になるが、昔のプロ野球界(特に関西系のチーム) には、「あなたその洋服どこで買ったんですか?」 と聞いてみたくなるセンスの選手が大勢いらっしゃった。 どこのメーカー物か見当もつかない奇抜な色合いのスーツにシャツ、妙に先の尖ったアブドーラ・ザ・ブッチャーでも履かないようなエナメルの靴、お約束のようなゴールドのネックレス......、そんな不思議な洋服・靴・アクセサリーは、ヤクザ屋さんからの選手への贈り物だったりした。 そしてそんな独特な服装をしている有名選手は、現役引退後に裏社会でハンデ師として名前を聞くようになったりする。 プロ野球史に残るような名選手が何人もハンデ師に就職していたのだから、今現在もそれなりの選手が抱え込まれていたとして何ら不思議ではない。 ただ、昔と違って表立った付き合いや、パっと見てバレる事が出来なくなったから、迂回ルートで人材を確保しているだけなのだ。

 それはそうと、今年の日本シリーズは打線もピッチャーも好調なホークスに対して、ヤクルトにハンデが付けられ、2点差以上でホークスに勝って貰わねばならなかった訳だが、開幕からホークス2連勝は非常に、何というか、ごちそうさまでs......。 いや、違法行為である野球賭博はダメ、ゼッタイ!

Written by 荒井禎雄

Photo by Bon Kajimoto

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