ASKAの"盗聴・盗撮・飯島愛"錯乱ブログをダルク元職員はどう見たか
TABLO / 2016年1月18日 14時5分
先日未明に薬物使用で逮捕、起訴、その後執行猶予の有罪判決で社会復帰をした歌手の宮崎重明ことASKAのブログがアップされ、その後時間を空けずに全記事が削除されたことが話題になっている。そのブログの内容は次のように細かく二十章に分かれていた。
1 序章、2 ロンドン、3 kicks、4 ピンチとチャンス、5 韓国ライブ、6 リアルキャスト解散、7 GHB、8 勘違い、9 飯島愛、10 盗聴盗撮、11 覚せい剤、12 音楽関係者、13 恐喝、14 週刊文春、15 エクスタシー、16 逮捕、17 裁判、18 メール、19 後記、20 追記
出だしの700番とは呼称番号であろうか、その様な記述から始まっている。呼称番号とは留置場、拘置所、刑務所などで個人情報の為もあるだろうが、名前の代わりに付けられる番号であり、以後自分の名前は呼ばれずにこの呼称番号で統一される。留置場などでは自分が履くスリッパなどもこの番号が付けられている。少し長文だが、出だしと最後の文章を一部引用する。
◇◇◇
●2016-01-09
みなさん、お久しぶりです。ASKAです。この度は、私を信じてくれていた皆さんを裏切るような行為をしてしまい、深く深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした。心から謝罪をさせていただきます。
(中略)
今から語るこの文章の中で、私がいちばん気をつけたことは、私にとって都合の良い語りになってはならないということでした。長い文章になりますが、最後まで読んでいただけることを願っています。ASKA
●盗聴盗撮集団に告ぐ。
私は、君たちがいちばん恐れていることを、この本の中では書かなかった。書かないであげたのだ。命拾いしただろう? いますぐ、私への行為を止めなさい。止めないのであれば、君たちの犯した事実を世間に公表することになる。そうなれば警察も再捜査に乗り出すだろう。証拠?私が6年間取り溜めた証拠の中のひとつの写真を公開しようか?と、思ったが寸前のところで思い止まった。先ほど、一度は証拠の写真を貼り付けたのだが、窮鼠猫を噛む状態になることは私も望んでいない。なので、今それを削除した。君たちが私のことを語り合っていた盗聴の完全なる証拠となるスレッドだ。同じURLで違う内容のものが存在している。私が、コピーをした直後に君たちが慌てて内容を書き換えたものだ。私は、君たちの組織のスタッフのひとりを見つけ出し、それを見せた。彼は絶句していた。「こういうことは絶対にありえない」との証言も得ている。その書き込みは両スレッドともダウンロードに成功している。君たちが行った証拠隠滅だ。覚えはあるだろう?(私への報復を)やれるものならやってみればいい。脅しは性格上本意ではないが、君たちが続けるのであれば、私も行動に移せざるをえない。私は、君たちに時間を与えるつもりはない。この場で直ぐに止めることを強く要求する。これは最終警告だ。
◇◇◇
そして筆者が気になったのは、2008年12月17日に急死した飯島愛さんに触れている箇所だ。彼女も同じ様に"盗聴"に苦しめられていたと書かれていた。
筆者はこのブログの全文を読み、ASKAが一時的に入所したとされる某ダルクの元職員に内容を紐解いてもらった。ダルクとは(全国薬物依存症家族連合会=DARC)の略称であり、薬物依存症の治療の施設である。ASKAのブログは出だしこそ謙虚だが、その後読み進めていくと本人を知らない者には理解しがたい内容であったからだ。
この元職員はかつて薬物で懲役に行き、ダルクで治療後、職員に採用された人物である。その後、ダルクの方針に矛盾を感じて退職し、現在は一般人と変わらない普通の生活を送っている。彼は開口一番にこの様な事を話した。
「よくテレビのリポーターが薬物経験者に『もう薬物は止めましたか? もうやっていないですか?』などと聞きますが、あれは全く意味が無い質問ですね。止めましたか? はい、やっています、と答える人間はいないですよ。あれを見ると笑っちゃうんですよね。覚せい剤依存の件で、何も知らない評論家がマウスの実験などを例に説明していますが、あれは何も言い当ててないです。覚せい剤は実際にやった人間にしか後遺症や苦しみは分からないですから。だからといって薬物経験者を庇うわけではない。現在の法律の中でやってはいけない事をした人間を許してくれる程、世の中は甘くないですから」
――ASKAのブログを読んで違和感を持った。
「これを見る限りかなり症状は悪いですね。覚せい剤に依存して、その後遺症にはいわゆる"統合失調症"と同じ薬を調合される、殆どの精神科医が同じです。例えば幻聴、幻覚など見る人間が多いからです。人工衛星に見張られていると思い込んだり、近所の家からずっと見張られている、警察にずっと張り込まれていると言う人もいます。覚せい剤が入ると数日間は瞳孔が開きっぱなしで寝なくなる。そうすれば見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえてくる。当たり前の話です」
――書いている内容に対しての印象は?
「ダルクによくいる薬物依存者のたわ言ですね。こういった妄想話を毎日のように聞いていましたよ(笑)。自分が精神を病むのでは無いかと思ったこともある。実際に病んで辞めていく職員は多いですから」
――ASKAは健康な状態に戻れるのか?
「私は覚せい剤依存を治すのは、まずそれを覚えた原因を止めることが重要だと考えています。つまり癖ですよね。性癖もそうですが、それが一番だと。田代まさしなどは完全に盗撮や覗きといった性癖が治らなかった。ASKAのブログも詩が書いてありますよね。音楽の創作活動をするうえ薬物を必要としていた。その生活がかなり長く続いている。ということは一度、音楽から離れないと完全には無理。治癒は有り得ません。脳はこの快感を一生覚えていますから」
ASKAが何を目的としてこのようなブログを公開したのか真意は不明だ。しかし、その内容はASKAの精神状態が心配になる記述に溢れていた。現在、関係者によって全記事は削除されているが、その後も公開~削除を繰り返すなど混乱が続いている。ASKAの完全復帰はまだまだ前途多難のようだ。
Writing by 西郷正興
Photo by K-SAKI(コラージュ)
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