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山口組分裂騒動がついに「抗争状態」へ...警察庁が緊急会議

TABLO / 2016年3月9日 18時5分

山口組分裂騒動がついに「抗争状態」へ...警察庁が緊急会議

 連日、マスコミを騒がせている山口組の分裂抗争。警察庁は今さらながら、六代目山口組と分裂した神戸山口組が抗争状態に入っている、と認定して、8日全国都道府県の暴力団対策担当幹部を集合。暴力団情勢の把握と今後の対策等の緊急会議を行った。

 全国各地で起きている抗争事件の発生は49件であるが、実際のイザコザはこれの数倍以上起こっているはずである。この警察庁の動きを受けて神戸山口組の定例会が終わった直後に福岡県警、鹿児島県警などが神戸山口組の本拠と認定している淡路市の本部事務所等に家宅捜査に入った。これは、神戸山口組の指定暴力団との認定を早急に行う為の情報収集の一環でもあろう。指定暴力団は現在21団体だが、分裂した神戸山口組は当然指定暴力団には入っていない。これはひじょうに大きな意味を持つ。

■伊勢志摩サミットと"指定暴力団"への認定への動き?

 では、この"指定暴力団"とは何なのか。これは新たに制定された暴力団対策法、通称"暴対法"の中で各都道府県公安委員会が、暴力団員が生計の維持、財産の形成、または事業の遂行のための資金を得るために暴力団の威力を利用することを容認することを実質上の目的とする団体を指す。犯罪経歴を保有する暴力団員が一定割合を占め、首領の統制の下に階層的に構成された団体を「指定暴力団」に指定する、と明記している。

 この3つの項目が当てはまれば指定暴力団になるのだ。そして警察庁が認めている様に、抗争最中のこの両組織が抗争状態になっている為に、神戸山口組の指定暴力団認定を急ぎ、特定抗争指定暴力団と認定する事を急務としているのだ。これは2012年10月の暴対法改正で新たに出来た規則である。

 当然、指定されていない暴力団の数の方が断然多いが、それは日本国憲法第21条の結社の自由により法的に保証されている為に、国もこれを認めざるを得ないのが実情だ。

 この条例を適用されると公安委員会が定める警戒区域内で、

1、組事務所の新設と立ち入り

2、対立暴力団組員へのつきまとい

3、対立暴力団の事務所や、その組員の居宅近くをうろつく

4、同じ暴力団の組員が5人以上で集まる

 など動きがかなり規制されることになる。

 これはおそらく5月末から行われる伊勢志摩サミット前に認定されると予想できる。つまり、それまでに両組織の動きを止める目的があるからだ。

 1980年代に起きた「山一抗争」では元神戸市長の中井氏が間に入り、神戸で行われたユニバーシアード期間の休戦協定が結ばれたが、その当時は暴対法もなかった時代であった為に許された行為でもある。しかし、今は有名政治家が間に入る事などは100%考えられないだろう。

 メディアでの報道も誤解が多い。先日発生した新宿・歌舞伎町のイザコザも正確には"縄張り争い"ではない。新宿区の歌舞伎町では神戸山口組の関東地区の会合が行われており、六代目山口組、神戸山口組も含めて他組織の組員も多数いるが、歌舞伎町は彼らの縄張りではなく、住吉会の縄張りだ。

 大型トラックが組事務所に突っ込む事件についても同様だ。なぜ後ろから突っ込むのか、という疑問に対して、あるコメンテーターが「前から突っ込むとエアバックが開いて逃げられない」と知ったようなことを解説していたが、そんなわけがない。それは前から突っ込むより破壊力が断然大きいからであり、突っ込んでから逃走しやすいからだ。前から突っ込むと運転手が負傷する可能性もあり、相手側に拉致される危険も高まる。そうなると人質を取られた状態になり、情勢を大きく動かす可能性もある。そんなことは絶対に避けなければいけない。

 実際に過去の暴力団抗争で相手側に拉致された組員も多く、その為に解散した組織もあるほど。未だに行方不明の人間も多い。組員は捨て身で向かい、組を守るが、組織の長も組員を守る。その信頼関係がある為に組織は成り立っていることを忘れてはいけない。

 ヤクザが面子を保てなければその時点でヤクザは終わってしまう。どの様な形で収束するかは、過去の事例を見れば推測は付くのだが、それはかなり先になるだろう。まだ予断を許さない状況だ。

Written by 西郷正興

Photo by  K-SAKI(コラージュ)

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