【山口組抗争】神戸山口組幹部射殺事件で"犯人出頭"の舞台ウラ
TABLO / 2016年6月7日 21時1分
分裂した六代目山口組、神戸山口組にとって今回最大の事件が起こった。それはサミット明けの5月31日午前9時50分頃に岡山市南区内の自宅マンション駐車場で家拳銃4発が発射され、神戸山口組池田組高木忠若頭が殺害された。この一件を受けて、神戸山口組側は報復に走るのか、と思われたが、即時に返しの禁止令を出した。
分裂後の正式な死者は3人だが、これで4人目の死者となったのである。この殺人劇では様々な噂がネットを中心に駆け巡った。また各組織の関係者の間でも噂が飛び回った。
いわく、内紛だとか、池田組は岡山の六代目山口組をかなり切り崩した為に、残りの組織が実行犯ではないのかなど。警察は近所の防犯カメラ、マンション防犯カメラを調べたが、実はこの近くには山健組若中の会長の自宅があった。そこにも犯人と思われる人間が映っていたのだ。
色々な噂が飛び交う中、事件は6月5日、日曜日に急転直下。本稿を執筆している6月6日現在、自分が高木忠若頭を撃った、と岡山南警察署に出頭したのは、弘道会高山組内近藤こと山本英之容疑者である。当初入った情報では供述も合わず、道具も持っていない、との事だった。その為に身代わり説、狂言説が疑われたが、岡山県警本部は映っていた防犯カメラの映像と矛盾していない為殺人、銃刀法で逮捕に踏み切った。
ここで問題なのは「一致」ではなく、「矛盾していない」と言う逮捕理由だ。これでは正直、公判が維持出来ない可能性も否定出来ない。その後入ってきた情報では、殺人に使われた銃とは違う銃を持って出頭した、と話が変わった(この様な事件では詳細は中々発表されないものである)。
筆者の元に犯人出頭の第一報が入った時の詳細は、弘道会高山組矢嶋総業の近藤こと山本英之が出頭した、との話であった。しかし、その後、矢嶋総業は関係ない事が判明したが、これもまた、二転三転したのである。
高山組の三代目である南正毅会長が後を退き、跡目に矢嶋総業の石原道明氏が跡を継いだ。この数日以内の話だ。南正毅氏は引退はぜずに1人親方になったとの情報である。南氏は六代目山口組組長の司忍組長の縁戚関係に当たる人物だ。教唆を恐れての事ではないであろう。こんな事で教唆を逃れる程警察の調べは甘くはない。確認中だが、この件でもう1人出頭したとの話だが、警察当局はまだ発表はしていない(6月6日現在)。
池田組は神戸山口組の舎弟頭という要職に就いており、今後の激しい動きも予想されるが、現時点では「返しはするな」の通達が回っている為か、まだ動きは起こしてはいない。しかし、抗争が起こらなくても警察庁は両組織を特定抗争指定暴力団に認定する動きである。
昨年の10月に二代目掛野組組員の移籍による内紛としての射殺、同月三代目倉本組河内敏之組長の不自然な自殺、11月二代目愛桜会菱田達之会長の撲殺などで人が死んでいるが、これが元での抗争事件は小競り合い自体、かなり起こったが現実的に大きい抗争には至っていない。サミット後に動きがあるとすれば六代目側だろう、と誰もが予想していた。
それは一度、和解になりかけた話を六代目側が蹴ったからである。その為の怪文書も数通回っている。だが、こんなに早く行動を起こすとは当事者も分からなかったであろう。これ以上抗争が広がらずに、一般人に被害が及ばない事を祈るばかりである。
Written by 西郷正興
Photo by K-SAKI
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