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AKB48総選挙:圧倒的な強さを見せつけた指原莉乃とは何か?

TABLO / 2016年6月20日 20時1分

AKB48総選挙:圧倒的な強さを見せつけた指原莉乃とは何か?

 このようなタイトルをつけてしまったほど、二位の正統派アイドル渡辺麻友との得票差は広がった。女王・指原莉乃が約24万票。渡辺が約17万票。一位と二位の差が7万票。これには会場からも「おおーっ」という驚きの声が出た。

 ちなみに、会場でいうと新潟の「HARD OFF ECO」スタジアムは気候が良かったためか、昼間は暑いのだが陽が沈むとジャケットを羽織るくらいの環境でとてもよかった。が、雨だったらやばかっただろう。

 ちなみに真夏に敢行してメンバーが過呼吸や熱中症で倒れた西武スタジアムは客にとってもきつい、酷い。帰りも西武線しかないため、客も往生しただろう。二度と西武球場は止めて頂きたい。

 味の素スタジアムは広くて、迫力抜群だが、当日は雨だったため、途中なのにアリーナからは帰る客が続出。メンバーの姿も遠くて見えない。交通手段も京王線くらいなのでやはり混雑。

 日産スタジアムも広くて、よいのだが帰りの交通手段が問題になってくる。

 前回は福岡、今回は新潟。両方ともホテルが取りにくく、新潟はしょうがないので車で行って帰りの新幹線の時間を気にせずに三時間で東京に帰った。

 この分だとおそらく、名古屋か大阪になるのだろうが会場で年々疲れてくるという印象を抱いたのだが、遠くからくるファンの為を思えば東京ドーム、日本武道館、さいたまスーパーアリーナあたりが親切なのではなかろうか。

 本題に戻る。

 AKBの根元は「ガチである事」だ。だからこそ、48グループの企画は秋元康が首を立てに振らないとどんな企画も通らないと言われるが、前田敦子をセンターにずっと置いておいた。結果、それは大成功を収める。

 大島優子が二回目の総選挙で一位を取り、おそらくAKB史上最も一般に浸透した人気曲『ヘビーローテーション』を発表する。前田、大島という正統派アイドル路線を継ぐのなら、次は渡辺麻友という声が業界でも大きかった。が、革命を起こしたのが指原莉乃である。

 一位の座を奪われた大島優子も苦笑を禁じえなかったほど意外性のある結果だった。48Gが「ガチである」事を証明した瞬間でもあった。

 が、アイドルヲタにすれば、納得はいかない。アイドルは可愛く、カリスマ性があり、清純であるはず。指原はスキャンダルを起こし、ルックスも昭和から平成を席巻したアイドル達とは異なる。本人もわかっているはずだ。

 が、女子人気が指原を支えた。いや、それだけでは今回の「圧勝」を説明するには言葉が足らないだろう。

 バラエティ番組に頻繁に出演する指原のテレビ的反射神経は、誰もが異論をはさむ余地はないだろう。僕が8年くらい前、AKBの運営に「うちにヘタレでいつもジャージを着ている面白い女の子がいるんだけど」と推薦されたのが指原だったのだが、今やヘタレどころかライブでは欠かせない存在になっている。客の煽りのうまさ、MCの場もちは、「AKBの中では」天下一品だ。他にもMCがうまいメンバーはいる(小笠原茉由など)が、それでも指原の安定感には及ばない。

 指原のAKB内での存在感の大きさは誰もが認めるところだ。彼女が卒業などしてしまったら、それこそグループの危機ではないかと、ファンは思うだろう。反面、「なぜ、そんなに指原がアイドルとして人気があるのか」という声があるのも事実である。アイドル牲で言えば渡辺麻友ではないか、と。

 これは48Gが「ガチ」を通してきた結果のではないかと思う。前田、大島のあとは渡辺麻友で王道アイドルユニットの完成だが、総選挙という「株主総会」が開催された。結果エンターテイメントとして大成功をおさめた。

 その中には、スキャンダルを冒しながらもHKT48の中心となって後輩を育てあげていった指原の手腕。バラエティでのリアクションの自然さはAKBの何では出色である。他の事務所のタレントと比較しても見劣りはしない稀有な「タレント」である。

 結論から言うと、アイドルグループに属する「天才的なタレント牲を持った女子」が指原だと思うのだ。正統派アイドルよりもタレント牲を支持したファンが多かったと、結果論から言うとそうなる。

 アイドル牲から言えば、渡辺麻友になるのだろう。AKBファンはアイドル牲よりのタレント牲の指原を選んだ、という結果的はそう見なくてはいけなくなる。

 それがファン選んだ道なのだ。

 そして、これからがAKB48グループの試練の時代が来るとうすうす思っているファンも少なくないだろう。いみじくも、スピーチで渡辺麻友が言ったように。中堅、上位メンバーが卒業を示唆したコメントをしたのをテレビや現場にいた人は気づいていたはずだ。

「神7」という表現がかつてあった。これは上位7位まで。ではなく、前田敦子、大島優子、篠田麻里子、高橋みなみ、板野友美、小島陽菜、渡辺麻友の七人の輝きを表しているのであり、上位七人の事を言っているのではなかった。が、上位七人の中でも卒業を示唆するコメントや中堅どころでもそのようなスピーチを行ったメンバーも少なくなかった。

 指原、渡辺がもし抜けたら、あるいは選抜メンバーにNMBから一人しか入らなかった山本彩が念願のシンガーソングライターとして離れていったら。宮脇咲良はもともとがHKTである。松井珠理奈は言わずと知れたSKE。AKB本体から若手が伸びて来ないのを見て、渡辺麻友は「48Gは危機にある」と言ったのではないだろうか。

 とはいえ、AKB生え抜きの武藤十夢、岡田奈々らが着実に票を伸ばしているのなら、彼女らを育てるという意味でセンターに据えて「一章が終わって二章」というイメージを植え付けられると思うのだがどうだろうか。

 今回の総選挙を総括すると「圧倒的タレント牲」が「正統派アイドル牲」を負かした(ファンは望んだ)と結論づけられよう。ファンの声は天の声である。これが現実である。

 が、ずっとAKBのライブを取材している身としては、小さい女の子も目立つ。彼女らは当然、十何万枚もCDを買えるほどお小遣いを貰っていないだろう。

 一度、一人一枚で選挙をやっても良いと思ったりもするのだがいかがだろう。セールス上、無理だろうが。ライブに来ているファンを思うとそんな気持ちにかられるのである。

Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)

Photo by 指原莉乃写真集 スキャンダル中毒

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