欅坂46、快進撃を続けるも"二回生"の扱いに感じる大きな疑問
TABLO / 2016年6月23日 19時0分
前回のコラムにも書いたように、女性アイドルグループとして過去最高とも言える好調なスタートを切った欅坂46であるが、これまでのグループ運営には高く評価出来ることもあれば、非常に残念に感じることも起きている。
長濱ねるを追加で加入させたことは、運営に対しスタンディングオベーションを送りたいほどの素晴らしい判断であった。長濱ねるは長崎県出身の17歳。欅坂加入前は長崎県の進学校と言われる高校に通い、全国高校生クイズの長崎県大会の決勝に残るなど、まさに才色兼備を体現したような少女であった。
そんな彼女がアイドルのオーディションを受けることを両親は、「どうせ落ちるだろうから気が済むなら記念で受けてみなさい」程度に考え了承したという。ただ、長濱ねるの両親は完全に自分たちの娘のポテンシャルを見誤っていた。
彼女の可愛らしい容姿、か弱い声、物腰のやわらかい口調は、世のアイドル好きに愛されるであろうまさにそれであったのだ。おそらくオーディションで審査を担当していた者にもそれは一目瞭然であったに違いない。
そうして順調にオーディションを勝ち進んだ彼女はついに最終オーディション(2015年8月21日)に進む。しかしここまで来てついに両親が焦りを感じ行動に出る。ねるを東京まで迎えに行き、最終オーディションを目前に長崎に無理やり連れ戻してしまった。
これはあくまで私の憶測に過ぎないが、おそらく欅坂46の運営陣は彼女を合格させることは決めており、さらにグループの中心メンバーとして据えていこうと考えていたのではないだろうか。事実それを証明するかのように、運営は過去に類を見ない特別措置をとる。
最終オーディションから数日後、運営は長濱ねると両親を福岡で開催された乃木坂46のコンサートにわざわざ招待したのだ。そのコンサート中には、乃木坂メンバーとその家族との関係を描いたVTRが流され、その映像を見せながら説得にあたったと思われる。
運営の熱心な説得が実を結び、長濱ねるは別日程で最終オーディションを受け、無事合格し、晴れて2015年11月に欅坂46に途中加入することになった。
しかし、この時点ですでに活動を開始していた1期生メンバーへの配慮もあり、長濱ねるは欅坂46のアンダーチームにあたる「けやきざか46(ひらがなけやき)」として活動を開始。さらに「けやきざか46」立ち上げに伴い、第2期生の募集も発表された。まさにこの「第2期生募集」こそが運営に対して不信感を覚える出来ごとである。
欅坂46は、絶対的センターである平手友梨奈を中心に1期生だけでも20名のメンバーがいる。そこに途中加入となった長濱ねるを加えた21名での活動を行っている。ファン心理として感じることは「なぜ今2期生が必要なのか」ということに尽きる。
シングル選抜の面で言えば、デビューシングルの「サイレントマジョリティー」こそ1期生20名全員が選抜となったが、今後はこれまでの48・46グループ同様16人選抜の方式をとることになると考えられる。すると、現行のままでも5人の女の子は選抜を落ちることになる。
専用劇場を持たないグループで選抜を外れることは、自分をアピール出来る場が極端に限られるということであり、選抜に戻ることが極めて難しくなる。そんなところに2期生が加入しようものなら、その可能性はさらに絶望的なものになる。
握手会の面で言えば、メンバーを増やせば新規ファンを取り込むことが出来てCDの売上げも上がるのかもしれない。しかし、人数を増やすとそれに伴い人気の偏りや推し変で他のメンバーへ流れてしまうファンも出てきてしまうのも事実である。
まだ握手会の経験も少なく、固定のファンを掴みきれてるとは言い難い中での2期生加入は1期生のメンバーからもいわゆる「過疎レーン」が出てきてしまうのではないか。
以上のような点から、現時点での2期生加入は10代半ばの女の子にとってあまりに酷な現実になる可能性が高く、ひいてはグループ全体のモチベーション低下を引き起こしかねないため、今回の運営の判断には怒りすら覚える。
欅坂46の1期生には、アイドルとしての素晴らしい素質を持ったメンバーが多いだけに、2期生加入により日の目を見ない女の子が出てきてしまうかと思うと非常に残念である。
Written by 藤保真吾
Photo by サイレントマジョリティー
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