【高畑裕太の不起訴釈放】意外すぎる展開をこう読み解く|久田将義コラム
TABLO / 2016年9月14日 12時45分
高畑裕太が逮捕された当時の容疑が強姦致傷だっただけに、「執行猶予がつかず、実刑判決」という論調がテレビを支配していた。母・高畑淳子さんの謝罪会見世間の同情を引いた。
ところが急転直下。被害者が示談に応じ、高畑裕太が「容疑者」から「高畑祐太さん」とマスコミの呼称が変わったのだ。示談金がいくらかはわからない。が、被害者女性の傷が全治一週間だった事から軽傷である事が推察できる。その軽傷に対して、一千万円くらいの示談金を用意したら通常なら、示談に応じるだろう。
しかし、この問題はそう簡単にはいかない。強姦致傷の容疑だったからだ。つまり、被害に遭った女性の心のケアが必要だ。そこを鑑みてどの程度の示談金で和解したのかが、気になる。それ相応の金額を払わなければならないだろう。一報を聞いた僕は、高畑淳子さんの謝罪を見てから同情をしていたものの、その考えに「?」をつけた。「この人、親バカなのか」と。
高畑裕太は警察署の前に出て大声で、「皆さまにご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした!!」と絶叫し、そのまま30秒くらい頭を下げたままだった。この謝罪に、僕は違和感を持った。まず、「皆さまに」ではなく「被害者の方に」だろう。となりにいた女性弁護士にうながされて、頭を上げる高畑裕太。すでに、いろいろな評者が論じているようにその目つきが気になった。
「アレ」は謝罪する者の眼ではなかった。反省している者の眼ではなかった。敵意を含んでいたのか。それとも精神的に支障をきたしているのか、どちらかだろう。これまでの芸能人の謝罪会見でアノ目をした人間は彼ぐらいだろう。
「その眼つきの理由」が弁護士の声明によって、わかったような気がした。弁護士の声明は慎重に示談に至った旨を書いてはいるものの、問題点がいくつかあった。示談で和解したはずなのに、「被害者の女性が同意のもとではなかったか」というような趣旨を発表したのである。弁護団は日本でも有数の弘中淳一郎弁護士。無敗ともいわれている強面弁護士だ。
が、逮捕後の高畑氏の警察での取り調べでの言葉を思い出して頂きたい。
「性欲を抑えきれずに行為に及んだ」と言っているのだ(警察発表だが)。
これは弁護士の声明と真逆なのである。これをどうとらえるか。弁護士に誘導され、「自分は悪くない。初めに悪者扱いしたマスコミが悪いのだ」という思い込みをしたため、ああいう目つきになったというもの。
しかし、それだと警察が「嘘の記者発表」をした事になってしまう。弁護士と最初の警察発表「同意だった」vs「性欲を抑えきれなかった」。どちらが本当なのだろう。
本来なら裁判をして白黒はっきりされるのが筋だが、示談をしてしまっている。その後での弁護士の声明は"後出しじゃんけん"にも見える。もしこれが戦略だったら被害者女性はセカンドレイプを受けたのに等しい。
「推定無罪」が大前提である事はよくわかる。従って慎重にこの問題は論じられなければいけない。が、前に指摘した通り、http://n-knuckles.com/serialization/hisada/news002303.html
高畑祐太、高畑淳子さんの育て方や情緒的な時々、芸能村からの同情的なコメントがテレビをあふれる中、これはあくまで「加害者と被害者がいる事件」として純粋に調べるべきだと主張したのだが、結局、闇の中である。もちろん、強姦致傷となれば被害者女性は話したくはないので混迷するのは当然であり、被害者女性の心をまず慮らなければならない訳だが。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
Photo by gatopalomas
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