「しくじり先生」で亀田史郎氏が流した涙の意味
TABLO / 2017年9月25日 15時21分
亀田家に対するバッシングは2006年8月2日WBAライト級のタイトルマッチ、ファン・ランダエダ戦において亀田興毅氏が初の世界チャンピオンになった「疑惑の判定」からだと思う。「疑惑の判定」とは、その後の亀田史郎氏のテレビ出演を含めて言う。 テレビ朝日系の朝の番組「スーパーモーニング」では漫画家のやくみつる氏との喧嘩がさらに、印象を悪くした。まず敬語を使わない。啖呵を切る。いわく「表出るか!」「闘うんか!?」いかつい亀田史郎氏から出る言葉に、良い印象を持った視聴者はいただろうか。
因みに、この時に同席していたガッツ石松氏がやくみる氏をたしなめる姿は、全く正しい。 つまり「亀田興毅氏のパフォーマンスはどんどんやるべきで、それをやく氏がああだこうだ言うのはおかしい。が、今回の試合は亀田興毅選手の負けだった。それを言うのが元世界チャンピオンの、評論家としての自分の責務だ」というものだった。 疑惑の判定というものは、ボクシングにはある(もっと言えばどんなスポーツにもある、野球にもサッカーにも)。そこからボクシング関係者で対応を協議すればこのような問題にはならなかった。亀田史郎氏はせっかく「しくじり先生」で反省をしているので、こう言うのも申し訳ないが、余計だった。
その頃、僕は週刊朝日に勤務していた。ある晩、ブローカーのような人から電話がかかってきた。内容は「亀田家のバッシング記事を書かせているのはお前だろう。●●(反社会的勢力)をお前の家行かせるぞ!」といった事だった。これを録音していたので、警察に届ければ脅迫罪に相当されると思うのだが、僕はその人を知っているので武士の情でそのような事はせず、こちらも言葉で返して終わらせておいた。一応、当時の編集長には録音を聞かせておいた。
ここで疑問なのは、なぜ亀田家批判をすると反社会的勢力が僕の家に来るという話になるのだろうか、という点だ。もちろん、亀田家は全く関係なく、その人が勝手に走ったのだと思う。亀田史郎氏の悪い評判も週刊誌でかなり書かれた。そのイメージは強かった。
だからこそ、JBC職員が亀田興毅氏らに監禁・恫喝されたという記事が出た。しかしそれが虚偽として名誉棄損裁判が行われた。亀田興毅氏らがそのような行為をしていなかった事がビデオによって証明され、JBC職員らに対して320万円の支払いを命じた。本稿でも既報した通りである。
世間の印象は強く、そしてなかなか払拭しない。「しくじり先生」で涙を流していたのを心底反省している真実の涙だと信じたい。(久田将義)
≪参考文献≫ 「闘育論――亀田流三兄弟の育て方」(亀田史郎著)
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