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【NHK記者過労死】報道されない中小出版社の過酷な現場

TABLO / 2017年10月6日 20時0分

【NHK記者過労死】報道されない中小出版社の過酷な現場

 ブラック企業が問題視されてしばらく経つ。しかしそのブラック企業を報道する側も実は、ブラックではないかという事は、さほど大きく報道されていない。

 NHK女性記者か平成25年7月、自宅で亡くなった事件が渋谷労働基準監督署から過労死と認定された。記者の一か月前の時間外労働が159時間だったという事だ。

「マスゴミ」などと一部の人から罵倒される職種だが、どんな職種でも言える事ではあるが、実はストレスがかなり溜まる職種の一つだ。そのためNHK記者以外でも過労やストレスによる退社が後を絶たない。

 1997年には光文社「女性自身」の編集者だった新入社員の男性が過労死した。遺族が光文社を相手とって裁判を起こし、東京地裁は光文社に7,500万円支払うよう命じた。

 2003年1月23日には週刊少年ジャンプの編集長が「ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険」の発表記者会見中、突然倒れ亡くなった。

 2007年4月には読売新聞記者が自宅で後ろ手に手錠、口に詰め物をされた状態で亡くなった(この場合は不審死となるが)。

 上記の例は大手マスコミだからこそ大きく報道された。しかし、中小メディアでの過酷な現場はあまり、世に出ない。

 中小メディアは一代で築いた出版社がほとんどだ。自然、創業者は個性が強く、ワンマン社長が多い。こういった人につかえるのは非常にストレスが溜まる。メディアに限らず、大手企業のブラック性は伝えられるのだが中小企業の実態はあまり伝わってこない。

 残業が月に100~200時間。一週間、帰宅していないで会社に寝袋を持参。夜になるとさながら、寝袋が重なりキャンプ場だ。出版社の面影とはほど遠い風景が広がる。

 創業者に、皆の前で罵倒される(パワハラと言ってもよい)、それも人生を否定されるほどの。結果、

・血圧が上が200になりこのまま仕事を続けるのは無理だと医者に言われる者

・話している最中、突然寝てしまう者

・アルコールに逃げ、会社に脅迫電話をかてけしまう者

・職場で裸になり通報されてしまう者

・覚せい剤所持で逮捕されてしまう者......。

 それでも大手出版社は高給料をもらえるため、それがかなり励みになる。金の力は大きい。何とかモチベーションを保てる。が、中小出版社の給料はかなり低い。どのくらいかというと、年齢給よりはまず低いはずだ。

 それでは何をモチベーションに働くのか。仕事の楽しさしかない。それが失われたら退社するほかない。

 なぜ、労働基準局に報告した出版労組に訴えないのかと思う方もいらっしゃるだろうが、大体の社員はそのような事は面倒くさくて行わない。一生いる会社ではないとも考えているからだ。というより、目の前の仕事で精いっぱいであり、徹夜続きの頭ではそのような事は考えても行動に起こさなない。そんな余力など残っていないからだ。中小出版社にとって、この負のループは断ち切れないだろう。かくして中小出版社の編集者たちの屍が死屍累々ときずかれていく。(藤本ただし)

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