供述が変わる強制わいせつ犯 なぜか裁判で被害者に対して「許せない」と発言

TABLO / 2020年6月23日 11時30分

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刑事事件の裁判を傍聴していると、

「絶対に許せません」

というフレーズを耳にすることがたびたびあります。これは被害届の定型文のようなものであって、被害者が実際には大して怒ってない場合でも被害届ではだいたい被害感情はこのように書かれています。なので法廷で「絶対に許せません」と聞いても特に何も思いません。

しかし、強制わいせつ罪で起訴されていた椎木憲治(仮名、裁判当時54歳)の裁判を傍聴していた時は例外でした。

この事件の取り調べの際、被害者ではなく犯人側も、「絶対に許せません」と述べていたからです。

 

被害に遭った女性(事件当時34歳)の供述によると、事件発生時、彼女は空きビン回収の仕事をしている最中でした。

そこに被告人が通りかかり、

「久しぶり」

「今忙しいの?」

などと彼女に声をかけてきました。

このように書くと二人が顔見知りだったように思えますが、二人の間に面識はありません。

いきなり見ず知らずの男性に声をかけられた被害女性は不審に思いながらも、

「すいません、今忙しいんで」

とだけ答え、作業に戻りました。

するといきなり後ろから腰を掴まれお尻の辺りに何かを押し付けられました。驚いて振り向くと、先ほど声をかけてきた男が陰茎を露出し手で握りしめていました。

 

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彼女はすぐ大声で助けを求め、駆けつけてきた上司が男を取り押さえました。

彼女は警察に対して、

「後ろから誰かが近づいてくると恐怖を覚えるようになり、カウンセリングを受けています。犯人のことを絶対に許せません」

と供述しています。

 

一方、逮捕された男は警察の取り調べに対して被害女性とは全く異なる供述をしていました。

「私は現場付近の路上で小便をしていました。するといきなり後ろから女性に引っ張られて、結果的に抱きつくような形になってしまいました。女性の中にはウソをつく人もけっこういます。勝手に私の男性器を見ておきながら痴漢呼ばわりされたことに憤慨しています。心外です。女性のことを絶対に許せません」

取り調べが進んでいく中で、被告人は犯行に至ったことも犯意があったことも認めましたが、供述は変遷を繰り返しています。

「風邪薬を飲んでいて、その上で酒も飲んだので意識が朦朧としていた。犯行時の記憶はない」

「お腹が空いてパンを買いに行く途中、公園で卑猥な本を見つけて読んでいたらムラムラしてきてやってしまった」

「軽い気持ちで、悪ふざけ半分でやってしまった」

記憶がない、という割には犯行前の状況や犯行時の自分の考えていたことについてはちゃんと供述をしています。どれが本当でどれがウソなのか、もしくはすべてがウソなのか、それは彼本人にしかわかりません。

 

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被告人質問の中で裁判官に、

「捕まった自分を被害者だと思ってますか?」

と訊かれた時には、

「大したことはやってない、と思ってました。チャックが開いたままで歩いていたので、それで110番されたと思いました」

と述べています。

逮捕された当初に取り調べでウソをついていた理由については、

「刑事に訊かれて、記憶はなかったけど、とっさに答えてしまいました。まさか自分がそんなことをしたとは思ってませんでした」

と、どこか他人事のように答えていました。

彼は裁判の始まる前に被害女性に謝罪文を送っています。

「ムラムラ」してきた性欲を「軽い気持ちで悪ふざけ半分」にぶつけられ、逮捕後は虚偽の供述を繰り返していた男の謝罪文です。当然、被害女性は受け取りを拒みました。

その謝罪文には、

「反省するのがこんなに辛いことだとは思いませんでした。もう辛くて死にたいです。でも頑張って反省していきたいと思います」

などと書かれていました。

反省することの辛さを被害者にぶつけてどうしたかったのでしょうか? この文面から彼の反省している気持ちなど全く伝わってきません。書かれていることが本当だとも思えません。

自分の犯した罪と向き合うことから逃げた人間が許されることなど決してありません。(取材・文◎鈴木孔明)

 

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