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『藤井七段キノコ嫌い』『やる気まんまん復活』『小池迷走打つ手なし』… 夕刊紙のタイトルはなぜ濃い?

TABLO / 2020年7月15日 5時55分

『藤井七段キノコ嫌い』『やる気まんまん復活』『小池迷走打つ手なし』… 夕刊紙のタイトルはなぜ濃い?

写真はイメージです

 

私は東京スポーツ、夕刊フジ、日刊ゲンダイのいわゆる「夕刊紙・タブロイド紙」を読むのが大好きなのだが、ここ最近の夕刊紙界のビッグニュースと言えばこれでしょう。

『やる気まんまん きょう復活』(日刊ゲンダイ・6月30日号)

「伝説のオットセイ漫画」と言ったらわかる方が多いのではないだろうか。1977年から2003年まで27年にわたって日刊ゲンダイで連載された作品だ。

「男性器をオットセイに、女性器を貝に見立てたユニークな設定」で、原作は牛次郎、作画は横山まさみち。

横山氏の長男の横山晃彦氏は当時を振り返って、

「男性器を何かに見立てて描くのは、表現の規制に対する苦肉の策で生まれたようです。もともと親父は『ワシはエロは描かん』と言っていたんですが、『来た仕事は断らない』というポリシーもあって。結局『やるまん』は親父の一番の長寿連載となりました」(日刊ゲンダイ公式サイト6月23日)

と語っている。

 

なんと! この漫画がまた復活したのだ。エンタメ界は騒然である。

ここでタブロイド紙のキャラをおさらいすると、ゲンダイもフジも一面は政治ネタである。論調は逆だが強烈だ。最近ではネットでも読めるので喝さいを浴びることがある。

 

参考記事:安倍政権がタブロイド紙化している 「桜を見る会」の「反社大挙」より怖かった見出し「検事総長と人事に政府介入か」|プチ鹿島 | TABLO

 

しかし、そんなタブロイド紙を評して「政治に怒っていても、ページをめくれば風俗情報とかエロ面があるよねぇ」と嘲笑する人がたまにいる。私はそういう言葉を聞くたびにこう思うのだ。

「それが人間じゃないか」と。

政治や社会を考えつつ、下ネタに反応してしまうのも人間である。そんな矛盾を抱えているから面白い。そこを嗤ったら自己否定になる。しかもタブロイド紙の基本設定は、一日働いたおじさんがやっとリラックスして帰りの電車の中で読むものだ。だから塩分濃いめ。政治や社会面の見出しの言葉がキツいのはそういう理由なんだと思う。

最近だと、

『小池 迷走 最多更新打つ手なし』(夕刊フジ7月12日号)

『小池 西村 おバカ2人のせいで国民の努力は水の泡』(日刊ゲンダイ7月11日号)

小池都知事にどっちもキツい。夕刊フジは小池都知事の連載コラムもあるのだが一面見出しはキツい。逆に言えばそれだけ小池都知事はヒール人気も含めて圧倒的ということだろうか? そんなことも想像できる。

 

関連記事:【業界裏話座談会】テレビ局の控室で美乳女優に迫る有名評論家 「つい手が出ちゃいました」 お笑いタレントも手玉に取るその女優とは? | TABLO

 

そんななか、最近の東スポは手越祐也と藤井聡太七段に夢中だ。

最近では

『ニセ手越現る!』(7月4日付)

そして、この日の一面トップは

『天才藤井七段 意外な弱点 キノコ嫌い』

だった。

 

藤井七段の対局中の「昼飯」はマスコミでよく報じられる。あれはなぜかと言えば藤井七段が凄いというのはわかるが、将棋の戦法まではよくわからないからだ。だから「昼飯には何を食べたか」に注目が集まる。

東スポはいよいよ「キノコが苦手らしい」までたどり着いた。たとえばこれを朝イチで読んだら「?」だが、働いたあとに読むと一服がてら楽しめる。役割があるのだ。

今日の夕刊紙・タブロイド紙の売りはなんだろう。もうワクワクしている。(文・プチ鹿島 連載「余計な下世話」)

 

あわせて読む:元国民的アイドルに清純派アスリートが薬物使用か なぜ逮捕前に情報が出る「疑惑の芸能人」は逮捕に時間がかかるのか | TABLO

 

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