コロナは我々をタフにさせてくれるのか 平成の米騒動から学ぶコロナ後の生活
TABLO / 2020年7月24日 5時50分
![コロナは我々をタフにさせてくれるのか 平成の米騒動から学ぶコロナ後の生活](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/knuckles/knuckles_27203_0-small.jpg)
写真はイメージです。
コロナにより世界の物流が制限されているのと、バッタの大量発生により、世界的な食糧難が懸念されているが、平成の時代にも「米騒動」があったのを覚えているだろうか。1993年(平成5年)、記録的な冷夏のため米が不作となり、秋になると店から米が消えてしまったのだ。
自分が生まれた1973年はオイルショックが起きた年で、当然記憶はないのだが、この米騒動は「世界がヤバいことになっている」と生まれて初めて感じさせる騒動だった。
ソ連のアフガニスタン侵攻、フォークランド紛争、天安門事件、湾岸戦争などのニュースは見たものの、外国の話だったためどこか部外者意識があった。だが、日本国内でパニックともいえる米騒動が発生したのである。それも平成の時代に、である。何しろ米騒動なんてものは大正時代の暴動であると歴史教科書で学んだような話としか思っていなかった。
現在のコロナ禍も「世界がヤバいことになっている」最大級のもので、平成の米騒動はそれに比べれば大したことはない。だが、混乱時における「当事者性」ってヤツを20歳にして初めて感じたのである。それは「この世の中は何が起こるか分からない」ということをも意味する。
参考記事:平成にコロナ禍が起きていたら どんな「巣ごもり」をしていたか 『電波少年』『スーファミ』『セクシービデオ』…|中川淳一郎 | TABLO
1997年の山一證券と北海道拓殖銀行の破綻、2001年の同時多発テロ、アフガニスタン戦争、イラク戦争など様々なヤバいことが発生し、そして現在のコロナである。大量のバッタにしても、『三国志』に登場する話でしかないと思っていたのだが、現実の世界でも発生してしまった。
というわけなので、この世は何が起こるか分からない。悔いのない人生を送るとともに、危機に直面しても「なんとかなるさ」と呑気に構えられる精神的タフさを皆で身につけようではないか。
なんて「青年の主張」みたいなことを書いてしまったが、話は米騒動に戻る。あの当時は米は今よりも高かった。今はブランド米であっても5kg1690円~1890円などで買えるが、当時はブランド米は10kg6000円はしていた。「自主流通米」なる米はもう少し安かったが、いずれにしても米が高い時代だったのである。
そんな時に突然米が不作になった。大学1年生だった私は学校帰りにスーパーへ行き食材を買うのが趣味だったのだが、どこに行っても米が売っていない。一人暮らしをする同級生の場合、実家がなんとか集めた米を送ってもらうなどしていた。
大学では「どこで米が買えるか」という情報交換をしていたが、その情報を基にその店に行くとすでに売り切れていた。売っていたとしても、10kg1万4000円というデラックス価格だったのである!
その頃、タイ米の輸入が始まり、「ブレンド米」なる米が売られるようになる。牛丼チェーンでもこの「ブレンド米」は使われ、「いつもと味が違う……」などと文句の嵐だった。
今年のコロナ騒動では、一斉にトイレットペーパーやティッシュペーパーが売り切れる事態となったが、今から27年前は米が売り切れたのだった。あの時雑誌ではパスタなど麺類をいかにして料理するかの特集が作られた。米の量をかさ増しさせるためのコンニャク製品も登場。あの手この手で米不足を乗り切ろうと努力していたのである。
関連記事:『宮迫がセレブ米を8キロ買い溜め』案件は現在も収まらず 「記者は高校生か? むしろ庶民米を残してくれてる神行動では?」の声 | TABLO
幸い農家の頑張りと記録的暑さもあり、翌1994年米騒動は発生せず、以後米は毎年安定的に流通するようになった。
あの時感じた「終末感」ってヤツを今回のコロナでも再び感じた。ただ、人間というのは案外タフなところがあり、あの時米ばかり食べていた人間であってもパンや麺類の料理のレパートリーを増やし、米以外の主食を食べ、節約を心掛けていた。
果たしてコロナは我々をどうタフにしてくれたのか。そうでも思わなくてはこんなクソ騒動、やっていけねぇ~。(文◎中川淳一郎 連載「俺の平成史」)
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