なぜサブカル界はパワハラ・セクハラが起きる? 暴力を知らない人が暴力を振るう愚かさを知れ
TABLO / 2020年8月5日 10時50分
![なぜサブカル界はパワハラ・セクハラが起きる? 暴力を知らない人が暴力を振るう愚かさを知れ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/knuckles/knuckles_27876_0-small.jpg)
写真はイメージです。
以前、「サブカル界はパワハラ、セクハラが多い」という旨のツイートをしました。これは、どこの会社を指しているという訳ではなく、よく考えればずーっと前から起きているなあ、と同じくサブカルの仕事をしている友人と話して出たツイートです。
ですから、コメント付きリツイートで「黒瀬陽平さんの事ですか」といったものが来ましたが、その方の事を指しているのではありません。というか、どうやら現代美術の方らしいのですが、僕は勉強不足で恐縮ですが、その方を存じ上げません。
周囲の人の説明を聞いてみると、僕の知己であり、リスペクトをしている哲学者/評論家・東浩紀さんが、その黒瀬氏(パワハラ、セクハラをしているとの事)に対して激怒をしているのは分かりましたが、この事に対しては理解が足りないので、これ以上言及するつもりはありません。
「サブカル界にはパワハラ・セクハラがはびこっている」というのは、メディアの末席に身を置く人間として、新人時代から考えてみれば「よく耳にした」と言う意味です。
以前では「ふゅーじょんぷろだくと」であったり、それは月刊誌「噂の真相」(休刊中)で報道され知ったのですが、当時は「ふーん」ぐらいの感覚でした。が、岡田斗司夫氏や、最近だと「アップリンク」の騒動なども起こり、前出のサブカル業界の人間から「サブカルってパワハラとセクハラばかりじゃん」という声を聞いて、なるほどと思った次第です。
参考記事:『アップリンク』パワハラ訴訟 取引先の会社では死者まで出るおぞましすぎるパワハラ事件が起きていた | TABLO
社会人一年目は広告営業だった経験から言うと、体育会系の営業部のほうが、なぜかパワハラ・セクハラは少ないように感じました。
「会えば良い人」というワードは格言のようになっており、テレビ、ネット上で不愉快な人も会えば憎めないという人はよくいます。
が、サブカルに関しては表に出てくる言葉、表情、などは愛すべきものだったりしても、実は自分より地位の下の人間を文字通り拳で殴っているという声をよく聞きます。あくまで二次情報ですが、これほど頻繁に耳に入ると、法律家が言う「真実に相当たる理由」がそこにはあるような気がします。
体育会系の営業スタイルは確かにみっともなかったです。冬の寒い日、新入社員の僕は営業部長に「いいか、営業ってのは寒くてもコートは着ないんだ。気力で営業するんだ。いいな」と言われて絶望的になったものです。が、暴力はなかったです。
しかし、表に出て来ないだけでサブカルと言われているかなりの有名な人が、「誰々をぶん殴っている」という事を聞くとガッカリしますね。暴力は拙著でも書いた通り、暴力を振るった側も振るわれた側もデメリットしかないからです。それと「地位が上の人間を殴った」なら、百歩譲って良しとしましょう。
元暴力団で法政大学に学士入学したK君という人間がいます。彼は僕が「実話ナックルズ」時代に取材をし、たまに飲むような仲になりました。身長は180cm以上、体重90キロ近くです。が、話すとヤクザだった面影はまったくなく、むしろインテリジェンスを感じさせます。それこそ、サブカルの会社にいてもおかしくないような感じです。
彼が少年時代から渡世に身を置き、刑務所に服役して修羅場をくぐってきた、とは初見だと分かりません。以前「上司から殴られたらどうする?」と尋ねた事があります。すると、にやにやしながら「ちゃんと話しますよ」と答えました。どういう話し合いになるのかは想像がつきます。
関連記事:“天才編集者”こと箕輪厚介氏が数ヶ月前に「(女性に)変なことしたら社会的に抹殺される」と自分の未来を占うかのような圧倒的コメント! | TABLO
下の人間に暴力を振るうサブカルの(一部の)人間は、彼のような人に対しては、人が変わるのでしょう。それはみっともない事なのですが、みっともないとは思っていないと想像できます。
恐らく、パワハラ・セクハラをするサブカル界人は少年期に「圧倒的な暴力」に遭遇していないからではないでしょうか。別に暴走族に入れと言っているのではありません。そういった暴走族の同級生が僕にはいました。「生物として無理。敵わない」というような。「生まれつき脚が早い」「生まれつき計算が早い」という人がいます。それは個性です。同じように「生まれつき躊躇なく暴力をふるえる」という人もいるのです。これも誤解を恐れずに言えば「個性」です(ただし、それは抑えなければいけません)。
暴力についてそんな事を考えるのですが、パワハラ・サブカルの人たちは余りそういった「圧倒的な暴力に対峙した時の恐怖」に遭っていないのだろうな、と思います。圧倒的な暴力を想像出来ないから、他者、特に地位の下の人間にパワハラとセクハラをふるうのではと推測します。そして、まだは表に出ないではびこっているんだろうとな、と確信に近い気持ちを抱いています。(文◎久田将義)
あわせて読む:営業に行ったら性暴力の被害に 立場を利用した卑劣かつ悪質な犯行 女性が感じた恐怖を自称天才編集者にも知ってほしい|裁判傍聴 | TABLO
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