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ケンカ最強の漫画家は誰だ!? 一位はヤンキー漫画の代表作を描いた、あの先生!

TABLO / 2020年8月27日 10時30分

ケンカ最強の漫画家は誰だ!? 一位はヤンキー漫画の代表作を描いた、あの先生!

写真はイメージです。

僕はあまり人を「先生」と呼ぶ事をしないのですが、漫画家さんには「先生」とつける事が多いです。「月刊選択」という政治・経済情報誌に属していた時には政治家に接する機会が多かったのですが、政治家にも「先生」ではなく、「さん」付けの方が多かったです。ただし、漫画家は別。それだけ漫画家さんにはリスペクトと親しみを抱いている訳です。

本サイトは独断で今まで「喧嘩が強いのは誰だ」として、芸能人、政治家、作家、ジャニーズなどジャンル別に掲載してきましたが、今回は、漫画家さん。

難しいのは、本物の不良少年から漫画家さんになるケースが多々あるという事です。不良少年は、僕が取材した中では、アーティスティックな才能を持っている人が多く、それが絵心につながり、そして漫画を描く事になったのかなと推測します。

こうしたことから、「強い」「怖い」とされる人が多いので、あくまで僕が取材したり見聞きした中で、という事で範囲を限定させて頂きます。

ヤンキー漫画を描いている漫画家さんは、体験談を描いている人は、結構ガチで不良少年、暴走族をやっている人が多いので大変迷いました。

なお、あらかじめ真樹日佐夫先生はレジェンド枠として、今回はノミネートはしていません。

ボクシングで言えば、PFP(パウンドフォーパウンド。階級関係なく誰が一番強いのか)を決める際、ファイティング原田さんをレジェンド枠にいれるのと同様です。

 

参考記事:文学界「ケンカ最強」は誰だ! 中上健次、梁石日などそうそうたる作家が挙げられる中、やはり1位は“あの人”しかいない!

 

●高橋ツトム先生

元上司で『ティーンズロード』(ミリオン出版)の編集長だった比嘉健二さんが僕に教えてくれたのが『爆音列島』(「月刊アフタヌーン」)。「ほぼリアルだから見てみな」と言われ読んだのですが、かなりリアルです。東京・大田区を中心に暴れていた「ZERO」(漫画上ではZEROS)が主人公のいたチーム。暴走族の取材をしていればすぐわかるようなチーム、例えば「ブラックエンペラー」「極悪」等々や、人物も僕の知己・取材相手だったブラックエンペラー総長が登場してきたりで、かなりリアルでした。作者の高橋ツトム先生の体験をそのまま描いているのではと推測できます。従って、喧嘩もこなしてきたでしょう。

●板垣恵介先生

格闘家漫画家と言えば板垣恵介先生。この間、総合格闘家朝倉未来選手とのスパーリングをYouTubeでも見たのですが、とても還暦を超えているとは思えない動きでした。さすが自衛隊出身でもあり、『グラップラー刃牙』を世に出した漫画家です。

●森恒二先生

『ホーリーランド』(「ヤングアニマル」)の森恒二先生。以前、関東連合の某幹部に取材した際、「読んでいましたよ」と言っていたので暴走族にも愛読されていたのかと感心した覚えがあります。内容は、イジメられっ子の主人公の成長物語ですが、格闘と喧嘩は違うという事を主張されているような印象を抱きました。また、作品中では「竹刀を持つと三倍段になると言われている剣道と対決したら」といったことにもチャレンジしています。ご自身、格闘家との親交も深く格闘技をやっていることから弱い訳がありません。

●南勝久先生

僕が『実話ナックルズ』で編集長をしていた時にインタビューを掲載した、『ナニワトモアレ』『なにわ友あれ』(「週刊ヤングマガジン」)の作者・南勝久先生を挙げたいと思います。現在では『ファブル』がヒットしている事で知られています。

『ナニワトモアレ』は大阪の環状族(暴走族とは異なり、関東の不良少年文化と違うのだなと勉強になりました)のストーリーです。インタビューではご自身の体験を元に描いていると仰っていましたし、単行本でも同様の事を記しています。ちょうど主人公のチームと対立チームの大規模な喧嘩「通称・一か月戦争」が掲載されていた際に、インタビューを申し込み、南先生の地元であり仕事場の大阪・岸和田に伺いました。

南先生の外見は、一言で言えばごついのですが、大変気さくで親切な方でした。気を遣われて焼肉をご馳走して頂いたのを覚えています。また実際の環状仕様の車に乗せて欲しいとこちらがお願いしたら、「いいですよ」とばかり乗車させて頂いたのがインパクトあり過ぎでした。

物凄いスピード。そして車高が低いので地表を走っているような体感で、漫画での主人公の「グっさん」が初めて環状仕様の車に乗った時と同じ反応をしてしまいました。正直、怖かったです。

またご自身、ボクシングをやっておられ、リングも仕事場近くにあり、不良少年がそのまま大人になったかのような人でした。
そして僕が本当に感心したのが休載がない事。恐らく南先生は連載が開始されてからは、一回も休載していないのではないでしょうか。で、あるならば「鉄人」です。何回か連載したら編集者から体調を気遣って「再来週、休みましょうか」というケースもあるのですが、多分、南先生は『ナニワトモアレ』『なにわ友あれ』と『ファブル』も休んでいないような気がします。凄い事です。オスとして強いのでしょう。

 

関連記事:【令和版】芸能界喧嘩最強は誰だ! ヤンキー界の重鎮が選ぶ一番強いヤツ 絵本作家のぶみさんはランキングされるのか

 

●きうちかずひろ先生

ラストは、近代ヤンキー漫画の祖、『BE-BOP-HIGHSCHOOL』(「週刊ヤングマガジン」以下『ビーバップ』)で知られるきうちかずひろ先生。現在のアラフォー、アラフィフできうち先生の『ビーバップ』を夢中になって読んだ人は、数多いでしょう。この作品はヤンキーだけでなく、普通の学生も愛読していた点が特色です。

僕も愛読していました。インタビューを二回しているのですが、二回とも緊張しました。

『ビーバップ』の凄いところは、『クローズ』につながる「ヤンキー漫画」「不良の漫画」のひな型を作った点です。この漫画が世に出なければ現在の「不良の漫画」は無かったかも知れません。
『ビーバップ』以前は本宮ひろ志先生の作品に代表されるような「番長漫画」でした。日本中の番長が富士山(でもどこでも良いですが)に終結して、日本一の番長を決めるというような。

『ビーバップ』はそのアンチテーゼとして生まれた作品のような気がします。日本中ではなく、半径10km以内で起きている喧嘩やもめごとを描いているのが特徴です。主人公の行動範囲が狭まったのが、きうち先生が描き出したリアル路線です。

インタビューでは当時、横浜銀蝿というグループが流行っていたのに対して、きうち先生は「あの人たちのラジオを聞いていたんですが、みんな信号は守ろうぜと言う。そんなの不良じゃないでしょ」と言っていたのを覚えています。

インタビュー中は非常に穏やかに答えて頂いていたので、「紳士的ですね」と言ったらにやりと笑って、「まあでも、何が起きるか分からないから部屋にある武器はどこあるか確認していますけどね。今だったら机の灰皿とか」と返答をしたのもよく記憶しています。「怖っ」と素直に思いました。根っからの不良少年なのでしょう。

またいかにも地元にいる怖い先輩を描くのも上手で、一回目のインタビューの際はインタビュアー植地毅氏と伺ったのですが、主人公トオルの先輩で「源田」という男が出てきます。上下ジャージで、アイパーが伸びきったようなヘアスタイル。植地氏が「本当に地元にいそうな先輩」と言ったのが印象的でした。

因みに、「源田」のあだ名が「鉄腕ツトム」。あだ名で言うと主人公トオルは「狂犬病」。このあだ名はその後、ヤンキー漫画・不良漫画にたびたび「流用」されました。あだ名に著作権はないのでしょうが『クローズ』の続編『WORST』ではまんま「鉄腕ツトム」という人間が出てきますし、「狂犬」も出てきます。きうち先生のあだ名をつける能力は、現在の不良漫画にも生かされていると言ってよいでしょう。

と、不良漫画におけるきうち先生の功績もさることながら、インタビュー中に見せる「不良少年」独特の発想がリアルでしたので個人的に独断で申しわけないのですが最強漫画家とさせて頂きます。(文◎久田将義)

 

あわせて読む:『アクタージュ』原作者だけじゃない!「ジャンプ」人気連載陣による恥ずべき不祥事 | TABLO

 

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