ここ3年で50誌以上が休刊 雑誌編集者の行く末はおよそ7パターンに別れていた!
TABLO / 2018年9月15日 9時0分
雑誌が休刊したら、編集酒やライターはどうなってしまうのかーー。
本サイトでは「ここ3年間で46誌が休刊」したことを伝えましたが、これはほんの一部。となると、かなりの数の人間があぶれることが想像できます。
が、まず、基本フリーで仕事を請け負っているライターは、1誌に依存していることは珍しく、他誌や他媒体での割り合いを増やして軌道に乗せていく、という非常にシンプルな未来が想像できます。
では、編集者はどうでしょう。筆者の周辺の"休刊誌編集者"の行く末には、いくつかのパターンが存在することがわかりました。
※以下、筆者周辺調べ(独断と偏見による)。
1.他編集部に異動
休刊したら他編集部に異動し、何事もなかったかのように働き続けます。それが会社員の強みです。平編集部員はそんなふうにすんなりといきますが、こうはいきにくいのが、編集長クラスの社員。
「売れたらそれを継続させよ、売れなければおまえの責任、はいダメー」と、居場所なく辞めさせられることもある編集長たち。こわあ......因果な職業やで編集長ってのは......。大手出版社の場合、辞めさせられないにしても、「ライツ事業部」とかに異動となることもあるようですが、余力のない弱小出版社の場合はそうはいかず、辞めることになります。
2.タレント性を活かす
キャラの立っている編集長ならば自身のタレント性を活かし、ファン向けサービスを開始します。本サイト副編集長の岡本タブー郎さんも、これに該当するのではないでしょうか。
が、いくらタレント性があるからと言って、ただ何もせずファンが寄ってくるものではありません。前提として仕事が出来る人ですし、なみなみならぬ努力や凡人が思いつかないような計算があった上。
そして本サイト編集長の久田将義さんのような、すごい数のニコ生登録者数をゲットし、大成功する人はごく僅か。さらにテレビにもラジオにも出て、著作もあって......久田さんの年収って......? と下衆の勘ぐりをしてしまうのは、筆者だけではないはずです。同種に、「サロン商売」もあります。
3.専門分野に特化し、出版に限らず活動する
専門知識が、その業界イチ長けている編集者は、自身で会社を興しがちです。他にはいないので、みな「彼にお願いしたい」となり、編集業はもちろん、ライター業、イベント司会、キャスティングなどなど、特定の専門分野でなくてはならない存在として活動します。
また、編プロ会社を設立し、元いた出版社から丸受けしたり、他媒体でも稼げる土壌を作れるのは、やはり専門分野に特化した能力があるからです。筆者のもっとも憧れる像です。
4.同業他社に転職する
こちらもオーソドックスな休刊編集者の行く末ですが、給料減はいなめないかもしれません。また、若ければ関係ありませんが、ある程度年齢を重ねていると失敗が許されない雰囲気があり、ここでまた休刊となったら「はいダメさよならー」となる漂流パターンも。
最近では、紙媒体ではなくウェブ発信が中心の会社への転職も多く見受けられます。バズフィードみたいななんかいい感じの会社はなんかよさげじゃないですか、元朝日新聞の人が創刊編集長だしなんか安全そうじゃないですか、首から社員カード下げてオープンなオフィスで外資ぽく英語交じりに会話して、かっこいいじゃないですか(※すべて勝手なイメージです)。
......が、会社選びを間違えると、キュレーションサイトでしこしこコピペばかりする毎日を送るハメになるかもしれないので、注意が必要です。
またその逆もしかり。え!? あのサイトってまさかのあの大手S学館が運営していたの!? というパターンもあります。
5.異業種に転職する
いい加減な生活スタイルが染みついている編集者が、ここにきてスーツ着て9時5時出社するような会社に転職できるわけがありません。きとんと統計をとったわけではありませんが、介護職が多いように思います。
6.実家に戻る
継げる商売をしている実家がある人は羨ましいなあ。また、「いいタイミングだから」と踏ん切りつき、親の介護のためUターンする人も。
7.不穏な話が聞こえてくる
「あのひとって今、何やっているか知ってる?」と聞くと、みな一様に"その話は出すな"オーラを放ち目をそらします。離婚して、退職金と失業保険とでくすぶり続け、底が尽きた頃になにやら裏社会的ななにかがあったようだ......というところまではぼんやり聞いたけど、そのあとどうなったの? なんでみんな教えてくれないの? というパターンです。
いかがでしたか?
休刊編集者の行く末は人それぞれ。
休刊する前にタレント性を養っておきたいですね。
(取材・文◎最近1文字1円仕事に手を染めている春山有子)
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